NHK新人お笑い大賞優勝コンビ! ニッポンの社長に独占インタビュー「優勝はミキのおかげやと…」

結成10年未満の芸人を対象とした「NHK新人お笑い大賞」の決勝戦が10月31日(日)、NHK大阪ホールで開催され、生放送されました。決勝戦は東京・大阪での予選を通過した8組が2つのブロックに分かれて栄冠を競います。審査員の西川きよしが「今日は本当にレベルが高い」と語るほど激戦のなか、2013年に結成されたニッポンの社長(辻、ケツ)がブロック、決勝とも審査員全員から得票する圧勝ぶりで、見事、パーフェクト優勝を飾りました。大会終了後、FANYマガジンが単独独占インタビューを行いました!

出典: FANY マガジン

いまフワフワで…

——おめでとうございます。改めて、いまの気持ちをお聞かせください。

本当に、実感がまだなくて。めちゃくちゃうれしかったけど、いまフワフワで、なんかホンマに自分なんかなって……。

——ステージ上で少し涙も?

 いや、そりゃそうっすね。もうなんかホッというか、俺ホンマに優勝できるんやって思いました、上手く言えないですけど。優勝って他人がするもんやって(笑)。僕らホンマにギリギリで賞もらえへん、3位まで賞やったら4位とか直前で逃がす……。ホンマにそんなんばっかりで。だから、(生放送の)リハーサルで「準優勝」役やったから準優勝になるんじゃないかと思って、ホンマに「うわっ」て思ったな?

ケツ 思いました(笑)。

——勝因はなんだったと思いますか?

 今回、最初に相方から「決勝行けるみたいです」って聞いたんですけど、その次に「でも、(兄弟漫才師の)ミキおるんすよ」って(笑)。僕ら的には“え!? なんで!?”みたいな(笑)。(ミキと)収録で会ったときにも「なんで出るんすか!」って文句いうノリをずっとやってて……。

ケツ ちょっと気持ちのっかってるから止まらんくなって(笑)。

出典: FANY マガジン

 だから2人でむっちゃ言いましたもん、なんで出るんすかって。僕ら『ミキBASE』(MBS)っていうミキさんの番組に呼んでもらってる立場なのに、なんで(ホスト側のミキが)出るんすかってボロカス言うて(笑)。

ケツ (ミキの)昴生さんがホンマにしつこい、ノリやとしてもしつこいって(笑)。

――やっぱり、いちばんの強敵という位置づけだったんですか?

 ちょっとニュアンスちゃうかもしれないんですけど、(同じ兄弟漫才師の)中川家さんってこんな感じで見られてたんかなっていうくらい、僕らは「うわ、ミキ来た!」みたいな。兄弟で息のあった漫才で、低評価なわけないやんって。

ケツ やっぱりウケが一緒くらいやったら、技術のあるほうに票が入ったりすることもあると思うんで。

 でも、(優勝できたのは)ミキのおかげやと思います。ミキを倒さなアカンっていうので、もう入念にネタも(仕上げた)。ミキのおかげでいいネタになったというか。だから同じブロックになったのもよかったんかなと思って。初戦でミキを倒してしまったら、自信も勢いも出る。だからミキと同じブロックなのもひとつ勝因やったんかなと。

ケツ 確かに。あとは、1本目(ブロック)も2本目(決勝)もそうなんですけど、出番前に辻さんが「いつもどおりやるしかないぞ、いつもどおりラクな気持ちでやろや」みたいなこと言ってくれて。それもデカかったかもしれないです。

出典: FANY マガジン

「手応えない」と言い聞かせて

――辻さんから見て、ケツさんはけっこう緊張していた様子でしたか?

 いや、僕、自分にも言い聞かすために言うてましたから(笑)。1本目終わって、こんなに“負け慣れて”なかったら、マネージャーさんとかにも「いけますよね」とか話しかけてたと思うんですけど、それさえも意識したくなかったから。1本目で手応えがあったんですけど、やっぱ負けたときに怖いから。「手応えない」みたいに言い聞かせて。でも、1本目の満票を見たときに、強いブロックなんで、こんなに評価してもらえるって思ってなくて。でも、「いやまだやぞ、普通にやるだけやで」って、ずっと自分と会話してましたね。

ケツ 当たり前のことなんですけど、自分らがおもろい、これで勝負したいっていうネタを皆さんに評価していただいたってことがむっちゃうれしいです。

――1本目のネタはコレって、すぐに決まったんですか?

 それこそ(9月に出場した)NHK上方漫才コンテストの帰りに、アレかなぁって。僕ら上方に2回出させてもらって、こっち(NHK新人お笑い大賞)は初めてやったんですけど、NHKさんの賞レース3回目っていうので、コレとコレ使ったから、アレを強く改良してやろうと。NHKさんででけへんネタもいっぱいあるんですけど(笑)。それを排除して、でも、いちばん俺ららしいネタはコレかな、と。

――決勝の対戦相手にハイツ友の会が決まったときは?

 すごいな、3年目でって。僕はハイツ友の会が大阪・よしもと漫才劇場に所属する前から、予選とか見て、すごい面白いって思ってて。だから評価されてめちゃうれしいっていうのと、「うわ、負けたらコレ、ダメージでかいぞ」っていうのもあって(笑)。やっぱ後輩なんで。

出典: FANY マガジン

ケツ でも、ハイツに票を入れる審査員さんってちゃんと見てはるっていうか。

 新しいことをどんどん評価してくれるっていうか、きよし師匠もハイツ選んだし。じゃあ、俺らもいけるんかなって、そんな感じで勇気をもらいましたね。

ケツ ハイツは、ネタがまず強いコンビやなという。本人がどう言うかはわかりませんけど、ネタで勝負しようっていう気概を感じてたし、笑い取る力が強いっていう印象がすごくあって。僕らもコントですけど、ぜんぜん違うからどうなんねやろって。もう、笑い取ってその印象を審査員さんに与えるしかないんで、とにかく叫びましたね(笑)。

胸張れるものがようやくできた

――いま、いちばん誰と喜びを分かち合いたいですか?

 うわ〜難しい、いっぱいいすぎて……。でも、(この日の決勝に同行してもらった)進行さんと音響さんとは分かち合ったし、マネージャーさんとも。そのほか、誰やろ? おりすぎて……むずいなぁ〜。

ケツ 後輩、先輩もそうなんですけど、僕がお笑いの世界に入ったんって、母親が勧めてきたんです。中学生のときにM-1とか、お笑い番組とか見てて、漫才したいとかそのときは言ってて。大学2年になるときに母親が「あんた、お笑いやりたい、漫才やりたいって言うてたけどもうええんか? 3年、4年になったら就活とか始まるから、最後のチャンスちゃう?」って言われたのがきっかけで。気持ちとしては、そこで勧めてくれた母親に、ひとつ胸張れるものがようやくできたかな。僕ら肩書も何もなかったんで。

 恩返しやな。

出典: FANY マガジン

――今年のM-1グランプリ、次は準々決勝ですが。

 けっこう、今年は楽しみにしてるんです。これで勢いづいて、M-1も優勝したいですね、やっぱり。

ケツ 僕がお笑い好きになったのは、やっぱりM-1とかがデカいんで。いままで準決勝に行けても決勝は行けてないんで、この勢いも借りて行きたいですね。M-1もしっかりとネタで勝負していきたい。やっぱり漫才もおもろいんやって思われたいって気持ちですね。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

 ネタがいちばんのコンビなんで、どんどん単独ライブやネタのライブを見に来てほしいです。そして、ほぼ每日、劇場でネタをやってるんで、どんどん新しい人にも来てほしいですし、それを見て笑ってくれた人は、多少なんかの番組(テレビやラジオ)のトークでスベってても許してほしいです(笑)。いちばんはネタなんで、それは温かい目で見てほしい。ネタでスベってたら怒ってください。

ケツ 今回、優勝できたのは、ふだん劇場とかテレビで見てくれてるお客さんが応援してくれて、SNSでもメッセージをいただいたりして励まされてきたからです。そういうことがちょっとずつ増えてきてるのも、がんばれる要因になったんで。ファンの方もそうやし、こっから僕らのこと見る人もいっぱい笑かせたらなっていう気持ちです。そのために、がんばりたいです。

出典: FANY マガジン

興奮冷めやらぬニッポンの社長の2人ですが、劇場出番は今後も目白押し。さっそく劇場に登場する新チャンピオンのネタは要注目です!

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