ジャルジャル×倉本監督が語るコントシネマ『サンチョー』の全貌「大画面で観るとちょっと気持ち悪い世界です」

お笑いコンビ・ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)主演のコントシネマ『サンチョー』が、11月19日(金)から全国22都市で順次公開されています。今年、開催された全国ツアーとの連動企画で、ジャルジャルの2人が登場人物11人を演じ分けるという驚きの設定のこの映画。今回は、ジャルジャルの2人と監督を務めた放送作家の倉本美津留さんに、このまったく新しいかたちの映像作品の“秘密”をたっぷり語ってもらいました。

出典: FANY マガジン

この作品は、2021年夏の単独ライブツアー『JARUJARU TOWER 2021―ジャルってんじゃねえよ―』とのクロスメディア企画で、同じストーリーの映像と舞台を同時進行で制作。個別のコントと登場人物が、さまざまなシーンでつながりながら1つの長編コントになっていくという、コントのエンタメ性と長編映画の物語性を掛け合わせた新ジャンルの映像作品になっています。

「コントシネマ」制作のきっかけは?

——コントシネマを制作することになったいきさつを教えてください。

福徳 最初から決まってたわけじゃなく、気がついたら撮ることになってたというか。

後藤 昨年、(コロナ禍で)単独ライブが開催できなくなってしまって。クラウドファンディングを使って、用意してたコントを映像化したんですけど、それが楽しくてハマっちゃってまして。

倉本 昨年のネタを映像化したとき、すごく新しくていいものができたなと感じたんです。で、タイミングさえ合えばどんどん映像化していくべきやと思ってたら、思ってたより早くチャンスが来たということですね。
舞台では限られたセット、小道具、照明のなかで、100%面白いコントを見せてますけど、実際の場所や空間でコントをすれば、また違う面白さを見せられるんちゃうかなってずっと思ってたんです。ジャルジャルには2人にしかできない表現があると思ってるんですけど、2人のコントで特殊な映画が撮れそうやなって以前から勝手に妄想してまして。

出典: FANY マガジン

福徳 確かに、「(倉本さんの声マネをしながら)映像でやったら、もっとよくなるよ」って言ってくれてましたよね。昨年の単独(を映像化したもの)を観たとき、長尺コントが、いいところだけを摘んでつなげてもちゃんとオモロイひとつのコントになってて、“あぁ、これはやる意味あったな”と思ったんです。アングルとか画角、(シーンの)切り替えとか、映像ならではの部分も面白くて。

後藤 お皿を割るコントがあったんですけど、舞台上だともちろん割れないじゃないですか。けど、ほんまにバリンバリンと割ることができるのは映像ならではですしね。

倉本 映像にすることで、いつものように彼らが作ってきたコントをどう並べ替えて、どう張り替えて、どう繋げるのか。そういうパズルみたいなことを考えるのも楽しかったですね。

——今回の作品は、先に開催された『JARU JARU TOWER 2021―ジャルってんじゃねえよ―』とも連動しています。

福徳 いつも僕らは作家さんへ見せたなかから、どのコントを単独でするか選んでもらう感じなんです。やから、今回も「(倉本さんの声マネをしながら)これとこれ、これとかやったらいいんじゃないか~」って言われて。

出典: FANY マガジン

——ネタの候補数はどれくらいあったんですか?

後藤 どれくらいありましたっけ?

倉本 50~60本くらいはあったと思うよ。どのネタをやるかは、もちろん迷うんです。2人はできあがったコントをどんどんやってくれるので、僕も「はい、オモロかった。じゃあ、次」っていう感じで観るんですけど、そうしているうちに“こういう感じでコントとコントをつなげたらええんちゃうかな”みたいなものが毎回、見えてくるんですよ。

福徳 ネタ見せが終わったあと、倉本さんは毎回、「今回はこうやったなぁ」ってテーマみたいなものを言うんです。

倉本 本人たちは面白いネタを作ってるだけなんでしょうけど、その時期に出てきたものというのは、なにかしらのテーマみたいなものがあると思うんです。僕はそれを見つけるのが楽しいというか、得意なんでしょうね。

——今回はどんなテーマだと感じたんですか?

倉本 大阪弁でいうと、“ほたえてるなぁ”っていう感じですかね。じゃれ合うみたいな意味なんですけど、そういうコントがいっぱいあったらオモロいんちゃうかなと思ったんです。ネタを選んだ時点で映像化は決まってなかったんですけど、どっちに向いてるとかは考えず、面白い100分間くらいのことを考えて選んだという感じですね。

出典: FANY マガジン

「伸び伸びとやってもらうためにファーストテイクを」

——今回の作品の最大の特徴は、ほぼジャルジャルの2人しか出ていないことですよね。2人で11役を演じ分けているという事前情報なしで観に行くと驚きそうです。

後藤 大画面で観るとちょっと気持ち悪い世界ですよね(笑)。

倉本 もちろん2人しか出てないので、最初は違和感もあると思うんです。けど、観ているうちに感じなくなっていくというか。同じ人たちが演じていて、しかもそこまでメイクもしてないのに、登場人物が全員違ってるように見える。それって、ジャルジャルのすごさですよね。

そういうなかで僕の仕事は、どう撮ってどう編集するかなんですけど、2人のエネルギーを生け捕りするためには面白いコントを伸び伸びとやってもらいたいので、わりと多めのカメラで撮って、できるだけファーストテイクを使おうと思っていました。

福徳 もちろんリハーサルもやらないんですよ。

倉本 そう。どう動くかはなんとなくわかってるから、2人に伝えるのは「ここから外には出んといてな」くらいですしね。

——すごい撮り方ですね。

後藤 撮る人は大変かもしれないですし、リハやってくれよって思われてるかもしれないですけど(笑)。

出典: FANY マガジン

倉本 技術さんには、なんてことさせるねんって思われてるかもしれないですけど、ありがたいことに付き合ってくれました。

——撮影していて印象的だったシーンはありますか?

倉本 血を流すシーンを撮りたかったんですけど、なんとかうまいこと撮れたかなと思います。あと、山が出てくるシーンがあるんですけど、制作スタッフが、そんなに遠くまで行かなあかんの?っていう山を(撮影場所として)勝手に決めてきたんですよ。

福徳 最初は高尾山くらいのイメージでしたもんね?

倉本 そうそう。もっと近くに山あるやろと思いながら行ってみたら、めちゃくちゃいい山で……「ありがとう!」って言いました(笑)。

後藤 リアルなシチュエーションっていいですよね。あの山やからこそ、ドローン撮影もできましたし。

倉本 編集しながら見てても、CGに見えるほどきれいな山で。ええシーンが撮れてよかったですね。

福徳 ほかのシーンもそうなんですけど、コントの終わりが決まってないんです。で、倉本さんの「はい、撮れたよー」っていう合図で終わるんですけど、そこまでやり続けるのは毎回楽しかったですね。たまに倉本さんの気持ちが入りすぎて、カメラさんがまだ準備できてないのに始めそうになることもありましたけど(笑)。

倉本 2人がええ空気感になってるから、早く(カメラを)回したいなと思ってしまって。でも、準備できてないから「待ってください」って言われたときは、たしかにありましたね。

出典: FANY マガジン

倉本監督が思うジャルジャルの魅力とは

——倉本さんは、ジャルジャルの単独ライブの演出を手掛けるなど、これまで何度もタッグを組んでいますが、改めて2人のよさはどんなところにあると思いますか?

倉本 ピュアなところですかね。めんどくさいところがまったくないし、いつも元気。機嫌が悪いときもあんねやろうけど、表には出さない。人への気遣いがすごくできる2人なので、いつも助かってます。

後藤 いやいや、それは僕らも言えることですよ。倉本さんはいつも元気やし、年齢差を感じさせないというか。

倉本 あはは! 親父と同い年くらいやろ?

後藤 はい。けど、冗談で「なに言ってんねん」とかも言えるし、ちょいちょいラインにビートルズ情報をくれるんですけど、既読スルーできちゃう。そんな間柄なんです(笑)。

福徳 ほんまに気を使ってない。打ち合わせでも、お互い「それ、ちゃうやろ」って対等に意見を言い合えるのもデカいですね。

出典: FANY マガジン

——倉本さんが関わってから、ライブにより厚みが出たように感じます。

福徳 うちの母親、1回目の単独からぜんぶ観に来てるんですけど、「倉本さんが入ってからちゃうなぁ」ってしょっちゅう言うてます。

倉本 おかんに言われるのはうれしいなぁ! (単独について)一緒に考えてると、脳から煙が出そうになることもあるんですよ。2人との仕事は、思いっきり集中して面白いことを考えられてる気がしていて。

後藤 倉本さんは誰もやったことがないことへの探究心がすごいので。

倉本 そういうことばっかり考えて生きてきたんですけど、一緒にゼロからおもろいことを生み出せるプレイヤーと出会えたことはほんまに嬉しいですね。

——12月5日(日)から冬の単独ライブツアー『JARUJARU TOWER 2021―愛るしい、きみ―』も始まりますね。

福徳 1回目のネタ見せが終わって、2回目のネタ見せをするところです。

倉本 前回の単独では、1回目のネタ見せですでに十分面白いコントが足りていて、キープ分のネタも確保している状態だったんです。で、3週間後くらいにもう1回ネタ見せをやると、前回を超えてくる面白いコントを新たに作って何ネタも持ってくるんですよ。どんなスピードでオモロなってんねんって思って。手に取るように成長がわかる人たちなので、いまも喋りながら鳥肌立ってます。

後藤 あはは! ほんまや。

出典: FANY マガジン

——次の単独では、さらに新しく面白いコントが見られそうですね!

倉本 間違いなく見られるでしょう。

後藤 はい、そうなると思います!

福徳 僕らもどんな感じになるんか、いまからすでに楽しみです!


ジャルジャル公式Twitterはこちらから。

作品概要

『サンチョー』
キャスト:後藤淳平(ジャルジャル) 、福徳秀介(ジャルジャル)
作:ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)
監督:倉本美津留(『あ・りがとう JARUJARU TOWER 2020』)
制作・配給:吉本興業

公式サイトはこちらから。

公演概要

『JARUJARU TOWER 2021─愛るしい、きみ─』
出演:ジャルジャル
公演スケジュール:
【東京公演①】
12月5日(日) 開場16:15 開演17:00(配信あり)
12月6日(月) 開場13:45 開演14:30/開場18:15 開演19:00
12月7日(火) 開場13:15 開演14:00/開場17:45 開演18:30
会場:よみうり大手町ホール

【大阪公演】
12月9日(木) 開場18:00 開演19:00
12月10日(金) 開場18:00 開演19:00
12月11日(土) 開場13:30 開演14:30/開場18:00 開演19:00
12月12日(日) 開場12:30 開演13:30/開場17:00 開演18:00
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【東京公演②】
12月17日(金) 開場18:00 開演18:30(配信あり)
会場:ルミネtheよしもと

チケット:前売り6,000円 当日6,500円 配信2,500円(12月5日、17日のみ)

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