「本当にカッコいいです」吉岡里帆絶賛の劇団が最優秀作品賞に! 『関西演劇祭2021』表彰式

「クリエイター×劇団×観客の出会いの場を提供する演劇祭」をモットーに、関西から演劇シーンを盛り上げようと2019 年に始まった『関西演劇祭』。3回目を迎えた今年は、「つなぐ演劇祭」をテーマに全国から選りすぐりの10劇団が登場し、会場となった大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールは連日、大盛り上がり。最終日の11月28日(日)には表彰式が開催され、劇団「メガネニカナウ」が最優秀作品賞の「MVO」を受賞しました。

出典: FANY マガジン
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「もう一度観たい」と言ってもらえる演劇

表彰式には、実行委員長の吉岡里帆、フェスティバル・ディレクターの板尾創路、スペシャル・サポーター(審査員)を務める、劇作家で演出家の西田シャトナー氏、映画監督の行定勲氏、NHKエンタープライズの一色隆司氏、そして参加10劇団が出席。もっとも評価が高かった劇団の作品に贈られる最優秀作品賞「MVO(Most Valuable Opus)」をはじめとする各賞が発表されました。

まずは実行委員長の吉岡が、演劇祭を大いに盛り上げた10劇団を改めて称賛しました。

「本当に演劇は、観終わった後にいろんな議論を交わすことができて、人と人が繋がれるものだと思っています。そして今回の演劇祭は、熱く語り合える演劇が間違いなくあって、会場が彩られていたと思います。私もまたがんばっていきたいと活力をいただきました」

出典: FANY マガジン
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そして、いよいよ各賞の発表へ。「ベスト脚本賞」にメガネニカナウ・二朗松田氏、「ベスト演出賞」に劇団不労社・西田悠哉氏、「ベストアクター賞」にメガネニカナウ・寺井竜哉氏、「ベストアクトレス賞」には劇想からまわりえっちゃん・福冨宝氏と続きます。

そして「審査員特別賞」はproject真夏の太陽ガールズに。板尾は「この公演のなかで、女優さんたちが成長した感じがありました。パフォ−マンス指導の方もいて、一丸となって勝ち得た特別賞だと思います。スタッフ含め、関わられたすべての人にこの賞を差し上げたいという気持ちです」と称えました。

続いて「観客賞」には、劇想からまわりえっちゃんが選ばれました。板尾は「観ていただいたお客さんからいちばん支持を受けた、という事実はすばらしいことだと思います。プロとして誇りを持ってください」との言葉を贈ります。

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そして、いよいよ最も評価が高かった作品に贈られる最優秀作品賞「MVO(モスト・バリアブル・オーパス)」の発表です。

「本当にいろいろな技と、感性と、お客さんを引っ張る力があった劇団です!」

プレゼンターを務める吉岡の紹介で見事、「MVO」に輝いたのは、メガネニカナウでした。主宰の上杉逸平氏が、受賞の喜びを熱く語ります。

「つねづね小劇場は元気がない、関西は元気ないな、と言われているのを、内側からぶち壊したろうと思って。とりあえず関西で元気な劇団があるな、あそこに行きたいなと思ってもらえるような、そんな団体を目指してがんばってきました。報われた気分です」

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吉岡は「『メガネニカナウを観たくて、もう一度チケットを買いました』というお客さまもいました。もう一度観たい、と言ってもらえる演劇は、本当にすごい努力と、とんでもない時間と労力がないと完成しないものだと思います。私が仕事をしていて日々、思うことなので、素直にすごい。本当に尊敬します。本当にカッコいいです」と大絶賛でした。

胸の奥がキュンと揺れ動いた

最後のあいさつで、吉岡は自分の経験を重ね合わせながら、今回の演劇祭を振り返りました。

「やはりシンプルに、演劇はいいなって思いました。こうして演劇がちゃんと行えて、それをお客さまが観に来てくれて、『こんな劇団があるんですね、関西っておもしろいですね』と言われて胸の奥がキュンと揺れ動く瞬間がありました。これも『つながる演劇祭』からのプレゼントだなと思います」

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スペシャル・サポーターの各氏、フェスティバル・ディレクターの板尾も、熱いメッセージを伝えます。

「1回目、2回目、3回目ときて、今回はとくに『つなぐ演劇祭』という名前ですが、本当につながってきたんだな、と感じています。今回は受賞作含め、皆さんの作品が未来に向かっていると感じました」(西田氏)

「今回の演劇祭は、皆さん、ここに来るまで大変だったのではないかと思います。でもそれに負けず、いまの自分たちの心境や状況を反映させた作品がたくさんありました。そのたくましさを見せてくれたことで、『僕らもつくっていかなきゃな、一緒に仕事してえな』と感じさせてくれる演劇祭でした」(行定氏)

「『つなぐ演劇祭』ということで、『つなぐとはどういうこと? どう捉えよう?』と思っていましたが、そんなことをぜんぜん考えなくてもいいくらい、タテにもヨコにもつながることができました。この演劇祭を通して、自信を持って努力していれば誰かが見ていて、それがきっかけとなり、羽ばたいていけるのではないかなと思いました」(一色氏)

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板尾は、改めて関西演劇祭の存在意義をふまえてこう語りました。

「(関西演劇祭を)始めたときには、『コンペはどうでもいい演劇祭にしたい』という思いがありました。ここで演劇祭をやったということが成功であり、賞はオマケ、という認識でした。俳優、スタッフ、関わる人、お客さんが集まって、ぶつかりあってエネルギーになり、関西の劇団が、少しでも盛り上がれば大成功。それが本来の目的であったので、3回目をやってよかったなと思います」

今年も大盛況で幕を下ろした関西演劇祭。2022年には第4回が開催されることも発表され、拍手と歓声が沸き上がりました。

出典: FANY マガジン
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