ケンコバ、“グルメ連載本”サイン会で行列「野望を抱かないのが俺のいいところであり、悪いところで…」

どうも! 芸人ライターのヘッドライト・町田星児です。
ケンドーコバヤシのたまらない店シリーズ最新刊『ケンドーコバヤシのたまらない店 20周年SPECIAL』(ぴあ)の発売を記念したサイン会が、5月12日(金)に大阪市内で開かれました。そこで今回は、ケンコバさんが老舗書店をジャックして行ったそのイベントの様子をレポート! インタビューまで併せてお届けします。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

『ケンドーコバヤシのたまらない店』はぴあ関西版WEBで連載中の人気グルメ企画。ケンコバさんが委員長となり、2003年のスタート時から「美味さ」と「魂」を兼ね備えた関西の名店を、吉本芸人たちとともに紹介してきました。

今年2月に発売となったこの本はシリーズ7冊目。過去20年分の関西の名店が302軒も掲載され、委員長と一緒にロケをしてきた吉本芸人77組、122人が紙面を賑わせています。

コテコテの大阪グルメエリアでサイン会

この日の舞台は大阪・天神橋筋商店街にある老舗書店・西日本書店。ケンコバ委員長がお店を約1時間ジャックして、サイン会を行いました。

天神橋筋商店街といえば、日本一長い商店街として有名。『ケンドーコバヤシのたまらない店』の連載で紹介された飲食店が多数ある、大阪らしいコテコテのスポットです。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

商店街のいわゆる“街の本屋さん”にケンコバさんが来るというウワサで、サイン会のために早じまいした店の前にはたくさんの人だかりができていました。

サインがもらえるのは、事前にこの店で本を予約購入した100人限定。その人たちはサインの券を持っていて確実にサインがもらえるというのに、ケンコバさんが到着するころには、すでに店内も長蛇の列となっていました。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

万引きだけはやらないでくださいね!

いよいよケンコバさんが店内に登場すると、マイクを持って一言。「皆さん、ありがとうございます。万引きだけはやらないでくださいね!」と、ケンコバ流に挨拶します。

やるわけないでしょ!!

それからケンコバさんはレジカウンターの席に座り、お客さん一人ひとりにサインをしていきます。お客さんの男女比は半々ぐらいでしょうか。いろいろな世代の方が集まり、ケンコバさんの人気の根強さを感じました。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

“フライパンを上の棚にしまった人”に読んでもらいたい!

サイン会後に、インタビューさせていただきました!

——サイン会おつかれさまでした。そして20周年、おめでとうございます。

20年てスゴいな。芸人で言ったら誰ぐらいや?

——そうですね……クロスバー直撃ぐらいですかね。

(笑)

——パッと出てきたのがそれでした。あ、ジャルジャル、銀シャリとかもいます。

でも、ジャルジャル、銀シャリというより、クロスバー直撃のような連載やからな。決して華々しい道を選んだわけじゃなく。

——サイン会には、コバヤシさんのファンの方はもちろん、この本のファンの方もたくさん来てくれていましたね。

クロスバー直撃の前野(悠介)のラーメンブログも、信頼を置かれてるらしいからな。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

——(笑)。この本をどんな人に読んでもらいたいですか?

20年やってたら、(過去に取り上げた)半分以上のお店がなくなってるねん。やっぱり飲食はそのぐらい厳しい。もちろんゴールテープを切って引退された方もおられるけど。その人らが散髪屋とかでこの本を読んで、もう1回火がついてほしいな。しまったフライパンを出してきてやな。

——腕は落ちてないはずですしね。

フライパンを上の棚にしまった人に読んでもらいたい。

——コバヤシさんは大阪に来るたびに、誰かとお食事に行ったり?

せやなあ……だからといって、お前と行こうという気には1ミリもならへんけどな。

——僕もこのあとバイトがあるんで……。

(笑)。何のバイトしてんの?

——駐車場です。年齢的にバイトができるところも限られ……。

なんでお前のインタビューせなあかんねん!

——ええっと……(笑)。この本の中で、いちばん見てもらいたいところは?

お店の情報よ。

——そらそうです!

まあでも、みんなの若いころの写真が載ってんのよ。20年前なんか、まだちょっと中身が尖ってるヤツもおるからな。俺ももちろんそうやったし。いまの全員の柔和な目つきとの違いを見てほしいな。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

——ふだん外食が多いんですか?

また増えてきたかな。一時、ずっと自炊してたから。

——自炊のイメージはなかったです。

なんでも作るよ。

——むかしオンラインゲームを毎晩一緒にやらせてもらっていたころに、朝6時ぐらいにコバヤシさんがチャットで「ちょっとパン買ってくる」とゲームを抜けることがあったので、自炊をしないイメージでした。

早朝にオープンして、すぐに売り切れる人気のパン屋があってん。俺はそこのホタテの貝柱のパンが好きやってん。もう閉店して、伝説のパン屋になってるな。

——やはりグルメなんですね! 最近、大阪でいいお店を見つけたりは?

けっこう人気のお店やと思うねんけど、堀江に、健康ごはんのお店やのに、店員がみんな不健康そうな髪型をしてる店があんねん。

——だからって、実際に不健康ということではないと思います!!

わりとみんなロックなルックスというか。なのに“健康定食”やねん。卵がうまくて、卵かけごはんをよく食べに行くねん。

——そのお店は、この本には載ってないんですか?

今回は載ってないな。

撮影:李宗和
撮影:李宗和

——では次号に期待します。ゆくゆくはこの本をこうしたいとかありますか?

そういう野望を抱かないのが、俺のいいところであり、悪いところでもあるというか。野望なき暴君、というかな……。

——……はい。まあたしかに、むかし僕らがコバヤシさんと陣内(智則)さんのラジオ番組に出させてもらったとき、陣内さんに「お前ら将来どうすんねん。どうしたいねん」て詰められてたら、コバヤシさんが「でも、俺も何も考えてないけどな」と話してて、たぶんほんまにそうなんやろうなと思いました。

俺はそういう人やねん。

——僕は何も考えずにやってきたら、何者にもならなかったです。

やっぱりビジョンっているんやな(笑)。

——いるのかも知れません(笑)。こうしたサイン会は、本などを出されるたびに?

いやいや、久々やで。正直、うれしかったというか。むかしDVDを出したときに、心斎橋のCD店でこういうのをやったのよ。ここで買ってくれたら握手できるみたいなんやってんけど、500人ぐらい来てくれて、みんな買ってくれて。でも、握手の列には6人ぐらいしか並ばんかってん。

——えー!?

いまだに俺もナゾやねんけど。みんな買ってすぐに帰ってん。そんなことがあったから、今日はうれしかったよ。

——最後に、FANYマガジンの読者にひとこと。お笑い好きの人が多いと思います。

そうやな……。(4月に解散を発表したお笑いコンビの)ゆったり感が、結果が出ずに解散するなんて、ゆったりしてないじゃん! と伝えといてくれ。

——はい……わかりました(笑)。ありがとうございました!

撮影:李宗和
撮影:李宗和

僕もこの本を読みましたが、巻頭対談のケンコバさんとかまいたちのグルメトークも読みごたえがありました。載っている302軒はどこも、あなたを“たまらない”気持ちにさせてくれるでしょう。関西の食通、必読の1冊です!

書籍概要

『ケンドーコバヤシのたまらない店 20周年SPECIAL』
出版社:ぴあ
発売日:2023年2月27日
ムック:132ページ

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