『キングオブコント2022』のネタでニッポンの社長が繰り返し使い、波紋を呼んだ「暗転」。その暗転をテーマにした第2回『暗転コントライブ』が、6月2日(金)に福岡・よしもと福岡ダイワファンドラップ劇場で開催され、ニッポンの社長と滝音、福岡を拠点に活動する中村圭太、フルハウス、パスタとパスタが出演。ネタにコーナーに、暗転しまくりのライブとなりました。
なぜか元祖・暗転コント師が不在だった第1回
「暗転」とは、舞台を一瞬暗くし、次の場面で再び明るくする手法。これによって観客は「何か新しい展開があるな」と予想でき、うまく使えばテンポよくネタを見せることができます。『キングオブコント2022』では、ニッポンの社長の暗転ネタに対し、審査員の松本人志が「暗転をたくさん使うコントは難しい」とコメントする一幕がありました。
これに反応したしずる・村上純が、Twitterで「暗転コントライブがあってもいいな」と発信。それをきっかけに、今年1月に第1回『暗転コントライブ』が実現しました。
ところが、そのときは元祖・暗転コント師とも言えるニッポンの社長がスケジュールの都合で出演できないという珍事態に……。第2回となるこの日、満を持してニッポンの社長の2人がステージに上がりました。
MCも務めるニッポンの社長(辻、ケツ)は、オープニングトークでイベント開催までの経緯を改めて説明します。記念すべき第1回に出演できなかったことについて、辻は「どういうことなん。俺らに合わせてやらな」とクレーム。さらに「劇場側の方か、もしくはしずるさんが『ニッポンの社長が入ってない』と言わんと」とダメ出しが止まりません。
一方、『キングオブコント2022』の一件以来、あまり暗転を使ったコントをつくっていないとも明かし、「僕らが暗転とか言ってるせいで、みんなやりづらくなってますよね」と苦笑します。「でも今日は目一杯、コーナーでも暗転をさせていただきます」と堂々宣言しました。
狂気を帯びていくニッ社の「暗転」
前半は、5組がそれぞれ暗転を利用したネタを披露。1番手のパスタとパスタ(ふぢわら、まなべ)は、火葬場での最後のお別れをテーマに、暗転を使って思わぬ結末へ導きます。フルハウス(河野友哉、山田流世)は「眠れないときには羊を数える」という言い伝えを使って、眠れない男の苦悩をコントに。
一方、念願の初デートで、お互いとある忘れ物をしてしまったカップルの顛末で笑わせたのは中村圭太。滝音(さすけ、秋定遼太郎)のコントは怪談イベントが舞台。語り部のさすけが、客の秋定をどこまでも戸惑わせていきます。
トリはニッポンの社長。野球少年とおじいさんのやりとりが、じわりじわりと狂気を帯びていく“らしさ”たっぷりのコントで爆笑を呼びました。
「暗転ゲーム」でステージ大混乱!?
後半は、辻をMCに残る8人が暗転を使ったゲームに挑戦します。最初のゲームは「犯人は誰だ」。辻が犯人役を1人選び、その人物が周囲にバレないように事前に指定された動作をすると、それをきっかけに舞台を暗転させるというもの。いわば暗転版の人狼ゲームで、推理の過程や犯人の動き、なにかと疑われては窮地に追い込まれるケツのキレっぷりなど、見どころ・笑いどころ満載となりました。
続く「かぶらず照らしましょう」は、さまざまなランキングで「このなかで1位は自分だ!」と思った人が、暗転のなか、自分の顔をライトで照らし、それが誰ともかぶらなければ成功、というもの。「貯金ランキング」では、個人ではなく「世帯貯金額」でぶっちぎりトップを確信したさすけの前に、思わぬ伏兵が……!? さらに「かっこいいランキング」でも大盛り上がりで、気づけばぶっちゃけトークや暴露ネタまで飛び出す大混乱となっていました。
エンディングでは、辻から「第3回にもご期待ください!」とうれしいひと言も。次回も、どんなメンバーが、どんな暗転で魅せてくれるのか――。
今回のライブの模様は6月4日17:30までオンラインで見逃し視聴ができます(チケット販売は同日正午まで)。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。