ジョイマンが広告案件3社起用“再ブレイク”のナゼ!? 「人生はけっこう想像を超えてくるよ」

あのジョイマンがいま、熱いらしい――いまから10余年前、独特なリズムネタ“脱力系ラップ”を武器に一世を風靡したジョイマン(高木晋哉、池谷和志)が、ここにきてモスバーガーや洗濯洗剤「アリエール」のウェブCMに出演。さらには6月22日(火)から始まったペプシコーラのキャンペーンにも起用されています。これはもう“再ブレイク”と言っていいレベル。彼らにいったいなにが!?

そこでFANYマガジンは、本人たちに緊急インタビュー! 伝説の「サイン会ゼロ事件」など“どん底”を経験した彼らは、いまの状況をどう捉えているのでしょうか。進化を続けるジョイマンにたっぷり聞きました。

出典: FANY マガジン

この状況に「びっくり、まつぼっくり」

――この春からモスバーガー、アリエール、そして6月からはペプシコーラと、誰もが知っている商品やブランドのCM・キャンペーンに次々と出演して、人気再燃だと話題ですね!

高木 いや、本当に僕らからしても“びっくり、まつぼっくり”!

池谷 ……インタビュー始まったばかりでまだまだ先長いけど、その感じで大丈夫?(笑)

高木 確かに、(最近、キテるんじゃないかと)まわりの芸人さんとかに言われることはちょこちょこあったけど、僕らは実感としては全然なかったです。忙しくなってるわけではなかったし。

池谷 逆に、コロナで営業の仕事もなくなって、仕事減ってますからね。だから、本当にドッキリだと思いました。スケジュールにずっと“仮”として入ってて、僕らはおそらくバラシ(キャンセル)になるだろうなと。

でも、ずっと“仮”のままで、スケジュールが消えない。そしたらある日、マネージャーから「決まりました!」と。信じられなかったし、いまだに信じられないです。アリエールに至っては、こんな見た目の僕ら……高木に至っては、胸毛も出して気持ち悪いって言われるようなキャラクターが、洗剤のCMに出るなんて本当に驚きで……。

出典: FANY マガジン

高木 そこはやっぱり、白シャツが大きかったんじゃない?(笑) 白=清潔感ということで。アリエールに関しては、「7倍消臭」というのがキャッチフレーズで、僕らの「♪ナナナナ~」が決め手になったと。それ聞いて、「ナナナナ」言っててよかったと心底思いました。

――実はラフマガでは、モスバーガーの広報担当の方に、おふたりを起用した理由について聞いてみました。すると、「デジタル上でパワーのある方にお願いしたいと思っていましたが、なかでもジョイマンさんは『ゆるい一言ラップ』で話題ですし、モスのネット注文の使いやすさを楽しく伝えてもらうには、最適な方だと感じ起用させていただきました。まさかあんなに増えると思いませんでしたが(笑)」という答えが返ってきたんですが、本人的にはどうですか。

池谷 わぁ~、そのコメントめっちゃうれしいですね。

高木 「1いいね」につき高木が1人増える、みたいな展開(モスバーガーの公式Twitter上のWEBで「1いいね」ごとに動画のなかの高木が1人増える仕組み。キャンペーンは特設サイトでも展開)だったんですけど、めちゃくちゃ「いいね」されて。

池谷 結局、「1万いいね」ぐらい付いて、「ジョイマンの増産が追いつかない!」って展開でしたから(笑)。

高木 ジョイマンが増えすぎて、(画面上で)ネット注文の情報が見えないぐらいになってて、「これ、大丈夫なの?」って思いましたから。でも、増えすぎると「ジョイマンを減らす」ってボタンもあって、笑ったんですけど。

池谷 現場もすごく楽しかったです。撮影の監督が若い方で「10代のころ、ジョイマン見てました!」と言ってくださって。ラップが終わって「カット! OK」の後に、「やっぱ神っすね、高木さん!」と(笑)。現場の楽しい空気感そのままの出来上がりでしたね。

出典: FANY マガジン

暗黒時代を救ったTwitter

――おふたりは2007年大みそかから年が明けた『ぐるぐるナインティナイン~新春おもしろ荘』(日本テレビ)に出演してから一気に忙しくなりましたよね。当時は、どんな感じだったんですか。

池谷 2008年は、とにかく休みが1日もないぐらいに忙しい毎日で。2009年ぐらいからゆっくり下り坂で、仕事が減っていってという感じでした。それで2010年にドンって落ちた。2011年には震災もあって、仕事も減って……とどめ刺された感じです。

高木 当時はやっぱりコンビ仲も悪くなったり、クサクサしてました。現状に耐えきれなくて、「こうなったのはお前のせいだ」と相手のせいにしてました。

池谷 ぶつける相手がいないから、お互いのせいにしちゃうんですよね。ネタ飛んだだけで言い合いして、先輩に止められたり。

2011年に(高木に)子どもが生まれたとき、「この先、どうする?」って話を1回してるんです。ちょうど僕らも30歳を超えて、「子どもも生まれたことだし、誘ったのは俺だから(この先どうするか)お前に任すわ」と。でも、それに対して「おカネ(が原因)で解散するなんて、意味わからない」と返ってきました。ふつうだったら、あの仕事もない状況で子ども生まれたってなったら、辞めてると思うんですけどね。

出典: FANY マガジン

高木 そんなこんなの2010年ぐらいに、僕はTwitterを始めたんです。確か、芸人が何組か一緒になる仕事があって、楽屋で「最近、Twitterっていうのが面白い」みたいな話になったとき、そこにいたオリラジのあっちゃん(オリエンタルラジオ・中田敦彦)がTwitterの素晴らしさを説いて、その場にいた芸人がみんな始めて。

表に出る仕事がなくなって、一時期ブログでポエムを書いたりもしてました。吉本のブログサイトで書いてたんですけど、閉鎖になって、それまでに書いたのがすべて消えた。なにすればいいんだって思ってたタイミングだったので、顔を出さないでやれるTwitterが楽しかったです。

池谷 僕が始めたのは、Twitter社(Twitter Japan)が移転するというパーティーがあって、そこに僕らとレイザーラモンさんや天津・木村(卓寛)さんが呼ばれて行ったんです。その時に「Twitterをやりませんか?」と声をかけていただいて、それで始めたんですけど、いまだに、“この人は公式です”のマーク(著名人のアカウントが本物であることを示す「認証済みバッジ」)が付きません。

高木 ちなみに、僕も付いてません……。

出典: FANY マガジン

池谷 ジョイマンは2人とも、公式には認められてないんです。でも、僕としては、Twitterの人から言われて始めているのに「公式」付かないのかと、イマイチ納得いかないです(笑)。

高木 逆に、付かないのも面白いんじゃないかとだんだん思ってきてる部分もある(笑)。Twitterに関しては、僕はやっててよかったと思うことはむちゃくちゃあります。ここ数年、Twitterからの仕事が多いので。

池谷 それこそモスバーガーも、きっかけはTwitterだしね。

「サイン会ゼロ人事件」が転機に

――Twitterといえば、最初にバズったのは「サイン会お客さんゼロ人」のツイートですよね。

池谷 忘れもしない2014年の8月3日ですね。日付まで覚えてます。

高木 2010年以降、「1回沈むとこまで沈んでみよう」と思いまして。流れに身を委ねたら、猛スピードで落ち続けていった感覚がずっとあったんですけど、あの事件で“ドン!”と底に着地した気がした。「ここが芸能界の底か」と見渡せました。

池谷 それを恥ずかしいとか嫌がることなく、高木はTwitterでさらけ出したんです。底をあえて見せた。あれがなかったら、いまのジョイマンはなかったです。まさに切り替わった瞬間で、あれを見て、まわりの先輩方からも「面白いな」と言われることが増えましたから。

高木 なんの計算もなく、ただ無我夢中でやったツイートだったんですけどね。結果、そのツイートが、いちばん最初にドンと反響があったツイートになりました。

出典:本人SNS

池谷 しかも、なぜかその年に“ゼロ”が続いたんですよね。営業でお客さんゼロとか、公開収録に誰も来ないとか。そういうのをまたツイートすると、みんなが笑ってくれて。

高木 否定的に捉えたリプライより、笑ってくれたりっていうほうが多くて。ジョイマンに対して、世間はこんな肯定的な感じなのかって思いました。

池谷 (ブレイクしていた)2008~2009年あたりは、逆に世の中からの敵意がものすごかったんですけど、そのあたりで変わりましたね。

高木 やっぱり、白状したのがよかったんだと思う。

池谷 強がるんじゃなく、さらけ出すっていうのがよかったんだろうね。「♪ひうぃごー」って、あんなに元気に入ってくるのに。

高木 そこに関しては、なんでこんな芸風選んじゃったんだろうとは思った。「人生と芸風がかみ合ってないな」と(笑)。

出典: FANY マガジン

――「ジョイマン、どこ行った?」と誰かがつぶやくと、高木さんが逐一「ここにいるよ」とリプライをするというのがブームにもなりました。

高木 最近調べたら、2010年、つまりTwitterを始めた当初からつぶやいてたみたいで。11年間、本当に草の根活動です。ジョイマンを見失ってしまった一人ひとりに対して、「ここにいるよ」と。

池谷 ただ、まだ全員に言えてないんでしょ?

高木 そう。そういうツイートを見つけたらとりあえず下書きに入れておいて、ヒマなときに返すっていうのをしてるんですけど、300人待ち。いま返しているのが、2017年ぐらいに「ジョイマンどこ行った?」とつぶやいた人にですね(笑)。

出典: FANY マガジン

人生って「面白い、栗拾い!」

――これまでを振り返ってもらいましたが、どん底にいた当時の自分たちに言葉を贈るとしたら、何と言いますか?

池谷 僕は「『なんだこいつ~』って言い続けてたら、誰かが拾ってくれるよ」と。僕は、ふつうにネタの終わりで「なんだこいつ~」って言ってたんですけど、FUJIWARAの藤本(敏史)さんが『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「ザキヤマ&フジモンがパクリたい—1グランプリ」でやってくれたり、『ゴッドタン』(テレビ東京)にもそれで出たり、言い続けてたらそういう道が自ずと切り拓かれました。だから、「腐るなよ」と言いたいです。

ちなみに、2008年ごろのジョイマンのネタと、いまのネタを見比べたことがあるんですけど、ぜんぜん違うんですよね。日々進化してる。いまの高木は、ジャンプ力えぐいですから。

高木 日々アップデートし続けていくことで、縦にも横にも行ける跳躍力が付きました(笑)。

仕事がなくなったころに「2008年に忙しくしていた最高点を一生超えることはないだろうな」と思っていました。一発屋と言われるようになって、ちょっと浮上することはあっても、超えることはないだろうと。

でも、当時ですらCMを3本もやってなかった。そこだけ見れば、“超えてる”わけです。だから、僕が当時の僕に言いたいのは、「想像を超えてくるよ、これからも」ということです。だから人生は“面白い、栗拾い”!

――波に乗っているジョイマンですが、今後はどうなっていくのでしょう?

高木 去年の暮れからYouTubeチャンネルを再開しまして。4~5年前にやってたんですけど、登録者数も2,000人ぐらいから伸びなかったので、ダメだなと放っておいたんです。

でも、最近見てみたら、何もしてないのに、チャンネル登録者数が1万人を超えていて。それでもう1回やってみようかと、今年から「今日のラップ」と題して、毎日ワンフレーズ、ラップをしています。それもあって、いままででいちばんラップを考えているかもしれないです(笑)。

池谷 いまは登録者数が4万人超え(2021年5月末現在)にまでなっていて。でも、ラップは意外と数字が伸びるんだけど、ふつうに企画やったらぜんぜん伸びなかったり。YouTubeはYouTubeで、やってみると難しいなと実感してます。

出典: FANY マガジン

――では最後に、“ジョイマンは、いまどこにいますか?”

高木 うーーん、そうだなぁ。さっきのと繋がってきますけど、「思ってもみなかった未来にいるよ」ってことですね。

池谷 素敵なこと言うじゃん!

高木 転がって転がって、予想外なことばっかりだったなと思うけど、だからこそ人生って“面白い、栗拾い!”

池谷 そこ、2回言うんだね(笑)。

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