画業30年を振り返るジミー大西の全国巡回展「POP OUT」のファイナルとなる大阪展が、阪急うめだ本店阪急うめだギャラリーで6月26日(月)まで開催中です。初期作から未発表の新作まで100点以上を展示し、全国9会場をめぐってきたこの展覧会もいよいよファイナル。初日14日(水)の開場前に登場したジミーが、巡回展への思いや今後の活動について語りました。
制作年代ごとに作品を展示して、アーティスト・ジミー大西のこれまでの歩みを紹介する今回の展覧会。デビュー~初期作品(1993~1995年)、芸能活動休業~スペイン移住期(1996~1999年)、多様な創作活動(2000~2007年)、世界放浪・マルタ島移住(2008~2015年)、創作活動再開・現在まで(2020年~)の5 区画にわけて30年を紹介しています。
ジミーの“半生”と“反省”が並ぶ巡回展!
1年以上をかけて全国をめぐってきたこの展覧会。会場に姿を現したジミーは、まず「1年まわって、入場者も甲子園3杯入った感じ」と振り返ると、「“半生”を描かせてもらって、自分の30年分の“反省”も入っております。ご了承ください」とボケて笑わせます。
その“半生”について、ジミーは「岡本太郎先生に『キャンバスからはみ出せ』と1枚の手紙をもらった。そして明石家さんまさんに見出され、現在に至る」と“簡単”に紹介。今回の巡回展のタイトル「POP OUT」は“飛び出す”という意味で、この岡本太郎からもらった言葉にちなんで付けたとのことです。
今回の作品の見どころについては、まずは会場入口に飾られた『野原』という作品から。100号のキャンバスを3枚重ねて1つにした巨大な作品で、「これが今回の代表作」と胸を張ります。そして、バルセロナに住んでいたころのものなど、自身の歴史を振り返りつつ展示作品を紹介していきました。
さんまとの思い出の作品『バルサ』や、レディー・ガガを思って描いたという『ブレスト・キャスト』、生きている間は手放さないという『ファッション』など、思い入れたっぷりの作品もズラリ。
ジミーの作品制作の過程を生で観察することができる特設アトリエ『ジミーの部屋 – Jimmy’s Atelier -』は、今回も設置します。実際に使っている筆を見せながら、「ひとつの作品に3カ月くらいかかる。今回もここで描かせてもらう」と説明するジミー。実際に、全国を回っている間に8点の作品を描き上げたそうです。
前日に完成させたばかりだという糸とスチールを使った作品『百獣の王』は、今回、初披露の最新作。昨年、吉本興業が110周年を迎えたことがテーマだとのことで、「”110”周年、“ひゃくじゅう”、“百獣”の王、バンザーイ!」とひとボケすると、モチーフがライオンではなくトラなのは「大阪のおばちゃんに(向けて)ヒョウを描くつもりが、トラになった」と笑わせました。
活動再開を後押ししたさんまのひと言
2015年に突然、絵を描くことをやめてしまったジミーは、2020年に本格的に創作活動を復活させました。作家業を時給で換算したところ「380円」だということがわかり、心が折れて描くのをやめたといいますが、その活動再開のきっかけについて、「ターニングポイントは、さんまさん」と言い切ります。
「さんまさんに『絵、描けへんのか?』と聞かれて、『お笑いもおまえの絵もそう。おまえの絵を待ってる人もおる。俺は1人でもファンがおったら笑わすぞ。でもそれは、時給換算ちゃうやろ』と言ってもらいました」
今後については、「次に個展をやるとしても追悼展」と言います。これまで通りのスパンでいくと次の個展が10年後、15年後になること、さらに自身が来年還暦を迎えることを踏まえ、「生ジミーはもうこれで終わりです」と宣言して笑わせました。
さらに、岡本太郎が1970年の大阪万博で『太陽の塔』を制作したことから、「2025年の万博に作品を出そうという気持ちは?」と質問されると、ジミーは「気持ちはすごくあります」と即答。
「……ただ、実現するかしないかはわからない」と言いながら、吉本興業が出展を予定しているパビリオンの横などに「ホンマに小さいものを置いてもらえればありがたいな」と期待を込めました。
「POP OUT」は6月14日(水)から26日(月)まで、阪急うめだ本店の阪急うめだギャラリーで開催中。会場では、クリアファイルやトートバッグ、Tシャツなど「POP OUT」オリジナルグッズも販売しています。
公式サイトはこちらから。