“異種格闘技型”と銘打ってさまざまなジャンルの実力派キャストが集結するオリジナル朗読劇『TAMERS(テイマーズ)』が9月4日(土)・5日(日)の2日間、東京・よみうりホールで開催されます。物語は、近未来の地球の危機をめぐる緊張感あふれるミステリー。今回は、朗読劇初挑戦となる芸人・シソンヌ(長谷川忍、じろう)×俳優・中島健×声優・神楽千歌の“異種格闘技”座談会をお届けします!
物語の舞台は、国際的な緊張が続く第3次世界大戦後の2040年。東欧の古い核施設で、新たな戦争の危機が勃発します。原因を探る国際電子安全機構(IDSO)の富樫ヨシヤ(中島健)は、施設を運営するユピテル社のプログラムが、自作自演の威嚇行為を行っていることを発見。プログラムを開発したのがAI(人工知能)と知り、専属部下の利根アリア(太田夢莉)に調査を命じます。一方、かつて天才AI開発者として名を馳せた根深リエ(美山加恋)と元夫ショウカ(シソンヌ・長谷川忍)は、謎の青年テイ(上村祐翔)が住む古びた家を訪れ……。
朗読劇にはシソンヌら4人ほか、声優の上村祐翔、女優の美山加恋、太田夢莉も出演。さまざまなジャンルの出演者たちが声で魅せる、手に汗握るサイバーミステリーエンターテインメントです。
シソンヌ長谷川「なんで僕なんですか?」
――まず、それぞれの役について教えていただけますか?
中島 僕が演じる「富樫ヨシヤ」という役はクールな司令官で、自分の仕事にあまりしっくりきていない人だというか。責任感が強いので、立場上、ちゃんとしてますっていう感じでやってる人なんです。だから、言葉数が多くて部下に煙たがられているところを、しっかりと見せられたらいいなと思ってます。
シソンヌ・長谷川 すごいなぁ。役の気持ちをちゃんと汲み取ってるんだね。
中島 みんなと助け合いたいし、みんなの輪に入りたい人だという表現があったので、そういうところも表現できたらいいんですけど。
神楽 私は「アナウンサー」と「母」という2役をやらせていただきます。アナウンサーのほうは、読み合わせのときに演出の伊藤(靖朗)さんから「エレベーターガールっぽい」と指摘されたので、みなさんにニュースを伝えるということを十分に意識して演じていきたいなと思ってます。母のほうは……ネタバレになるかもしれないので、本番を楽しみにしていただけると嬉しいです。
長谷川 僕は美山(加恋)さん演じる根深リエの元夫「ショウカ」という役です。2人が過去にやっていたことが現在のある問題に繋がっていったり、回想シーンもあったりするので、うまいことやっていきたいなと思ってるんですけどね……。“オレみたいなヤツとなんか結婚しないだろ”って思いながらやっているところがあるっていうか。
――イケボ(イケメンボイス)でイケメンの元夫という設定が、ですか?
長谷川 そうです、そうです。リアルに最後、伊藤さんに「なんで僕なんですか?」って聞きそうになっちゃいましたもん。
シソンヌ・じろう でもまぁ、加藤茶さんの例もあるから、ああいう感じだと思ってやればいいんじゃない?
長谷川 加藤茶さんと綾菜さん夫婦の例を出すなよ。それはそれで、見方が変わってくるだろ!
じろう (笑)。僕は上村(祐翔)さんの息子「カイ」っていう役なんですけど、正直、まだビジュアル含めて想像できずにやってるところがありますね。稽古終わりに、演出の伊藤さんに「ぶちかましてください」って言われたんだけど……これ、勝手なことをやっていいってことなのかな?って。僕、第一声が「おーい」みたいな掛け声で、織田裕二さんみたいに「おぉ~い!」ってやりそうになったんですけど。
長谷川 いや、やめてくれよ。やっても、誰もツッコまないよ?
じろう 僕のセリフのあとが長谷川さんのセリフだったら、ツッコんでもらえるのになって。
長谷川 ダメだよ! スタッフさんに2人で怒られるのはイヤだからな!
ジャック・バウアーの「くそぅ!」
――みなさん、朗読劇への挑戦は初めてだそうですが、実際に稽古してみた感想を聞かせてもらえますか?
長谷川 難しいなと思ったのは、きっかけですね。みんなと合わせた動きをしないといけないところもあるので、台本があるからって安心しちゃいけないなって。あと、会話してる人の顔を見たくなっちゃうんですけど、後ろを振り返るわけにもいかないし、たまに体が勝手に動いちゃったりするので、その辺、どうしたらいいんだろうって思ってます。
中島 わかります。動いちゃいけないっていうのは、すごく難しいですよね。あと、当たり前のことなんですけど、噛めないっていうプレッシャーも……(笑)。台本はあってもやり直すことはできないので、緊張しながらやってます。
じろう 僕は“織田裕二でやれ”って言われてますんで。
長谷川 ウソつきじゃん(笑)。ぶちかましてほしい=織田裕二のマネをしてほしいって、自分で勝手に変換してるだけだからな?
――(笑)。神楽さんは声優として活動していますが、同じ声の仕事でも朗読は違うものですか?
神楽 違いますね。声優は基本的にお客さんの前で演技することがないので、本番を想像するだけで緊張してしまいます。
じろう 立ち上がるとき、(目の前にある)マイクがぶつかりそうになるんですよ。
長谷川 当たりそうで怖いよね。座るときも、そのまま座るのが怖いから毎回、少し振り向いて(椅子の位置を確認してから)座っちゃうし。
じろう 手に持っている台本がマイクとかぶるのも、どうしたらいいのかなって。ヘッドセットにしてもらおうかな。
長谷川 そんなのつけたら、絶対に動き回るよね? さっきから、なに言ってんだよ!
――神楽さんは、ふだんの声優の仕事のとき、いつも台本はどう持っているんですか?
神楽 台本とマイクはかぶらないように、台本をちょっと斜め下に持って目線を落としながら読みつつ、マイクに声を乗せるっていう感じでしょうか。
長谷川 あぁ、なるほど。今度、それでやってみます。
じろう 無線型のマイクつけてやろうかな。
長谷川 いやいや。無線型のマイクつけて、織田裕二さんのモノマネしながら「事件は会議室で起きてるんじゃない!」って言わなかったら、それはそれでお客さんがガッカリするわ。あの名台詞、ぜんぜん言わないじゃんって。いらないよ、それも!
――じろうさんは、どうしても動きたいんですね。
じろう 台本に書いていることをそのまま読むっていうのは、ちょっとした戸惑いがありますよね。ふざけないでめちゃくちゃ真面目にやるっていうパターンもありますけど、僕らのことを知らない人が見たら、ただただすごく真面目な人たちだと思われるだけでしょうし。
長谷川 実は僕も稽古中、(米ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の)ジャック・バウアーみたいに「くそぅ!」って言ってみたんですよ。誰か1人でもクスリとしてくれたらいいなと思ってたんですけど、笑いはなかったですね。
中島 (笑)。僕との掛け合いのシーンですよね?
長谷川 そう! 演出の伊藤さんから注意はされなかったですけど。
じろう 長谷川さんもやったなら、ゲネプロで1回、織田裕二さんのマネやってみるか。「おぉ~い!」って。で、ちょっと違いますねって言われたら、やめます。言われなかったら、本番のどこかでやります。
中島 ほかのキャストのみなさんには内緒で。僕と神楽さんは、シソンヌさんのアドリブを楽しみにしてます!
美山と一緒にラーメン食べたい!
――共演の上村さん、美山さんと一緒に稽古をしてみて、どうでしたか?
神楽 おふたりともオーラがすごくて。私にとってはみなさん、天界の人みたいなオーラが出てるっていうか。
長谷川 天界……召されたみたいな言い方やめてくださいよ~!
神楽 (笑)。それくらいすごい人たちばかりで、上村さんと美山さんも雲の上の人みたいで神々しかったです。
中島 (コロナ禍のため)オンラインでの読み合わせのとき、上村さんのお芝居を見て“こんなに声が出る人っているんだ”と驚いたというか。アニメを見ているかのように巧みな声を出されるのがすごいなって思いました。
じろう たしかに。上村さんは、アニメの声優をされている方なので、パチンコの「ロングリーチ」という、絶対に当たるリーチを……。
長谷川 おい、パチンコで例えるのやめろ。じろうはアニメを見ないので、知ってるアニメは、ぜんぶパチンコ絡みなんです。エヴァンゲリオンも見たことがないのに、パチンコで見たことにしてますから。
じろう だって、曲をいっぱい知ってますからね(笑)。上村さんの声を聞くと、パチンコで3分くらいの絶対に当たるリーチになった気分になります。
――……つまり、それほどプロフェッショナルな声だということですね(笑)。
じろう はい。だから、当たってほしいなって。
長谷川 声の話をパチンコの話に変えるの、本当にやめて!(笑)……美山さんはやっぱり、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』(フジテレビ系)のイメージが強いですよね。「どこのお店のラーメンがおいしかったですか?」「次やらないんですか? 待ってるんですけど」ってお話ししてみたいですし、ドラマでのラーメンの食べっぷりがすごくよかったので、一緒にラーメンを食べてみたかったですね。残念ながら、こういう状況なので叶わないですけど……。この話も一生しないです。
――と話していたら、別の収録を終えた美山さんがそこに……。
じろう 美山さーん! 長谷川さんが一緒にラーメン食べたいって言ってますよー。
長谷川 やめろって。やべぇ、ファンみたいになってるじゃん!
美山 えっ、ラーメンですか?(笑)
長谷川 いやいや、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』が好きで、美山さんとラーメン食べてみたかったって話していたところだったんです。
美山 そうだったんですか。ありがとうございます。おいしいラーメン屋さん、いっぱい知ってるんで、ぜひぜひ!
長谷川 じゃあ、いつかラーメントークをお願いします。ありがとうございます! (通り過ぎてから)やめろよ、変な感じになるだろ!
――(笑)。でも、一生言わなかったかもしれないことが、伝えられてよかったです。最後に、みなさんから見た作品の見どころを教えてもらえますか?
じろう 僕の第一声が織田裕二さんかどうか。あと、上村さんがお芝居してるとき、右手がハンドルを握ってるみたいになってないか、注意してみてほしいです。
長谷川 それ、(パチンコで)当たってる状態ってこと?
じろう いや、まだ。絶対に当たると思って右打ちした手を止めてる状態なのよ。で、当たった瞬間に手を放すの!
長谷川 パチンコの話になったら、急にイキイキと喋りだすじゃん。見どころの話だよ?
神楽 (笑)。見どころは……いまの社会情勢を反映した内容になっていますし、近代的なSF要素もあるので、将来のこととかを考えるきっかけになればいいなと思いますね。
長谷川 思っていたことを一字一句違わず言ってくれました! 以下同文なんですけど、難しい用語も多いので、もし2回観られる方がいるなら復習して足を運んでいただけると、また1回目とは違う見え方になってくるのかもしれないですね。
中島 みなさんが言われているように重たい話なので、僕としてはお客さんにのめり込んでもらえるように演じたいですね。あと、じろうさんの「ぶちかまし」を期待してます。
じろう これだけ言ってたのに、いざ稽古になったらビビって普通な感じでやってたりしてね?
長谷川 何より織田裕二さんのモノマネが似てないってところが、いちばん問題なんだよなぁ。
中島 でも、アドリブは見てみたいです!(笑) 僕も楽しんでお芝居できればと思ってますので、観てくださるみなさんにも楽しんでもらえると嬉しいです。
公演概要
朗読劇『TAMERS(テイマーズ)』
日時:
9月4日(土) 開場16:00 開演17:00
9月5日(日) 開場11:30 開演12:30
9月5日(日) 開場15:30 開演16:30
会場:有楽町よみうりホール
出演:上村祐翔、美山加恋、シソンヌ、太田夢莉、中島健、神楽千歌
チケット:前売・当日ともに7,000円(税込)なお、TAMERS公式Twitterでは現在、キャストの一問一答動画を公開中! 作品のこと、プライベートのことなど、いろいろと答えています。
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