吉本興業の俳優・タレントが、コロナ禍でも元気に楽しく舞台公演ができるように後押しする「Cheer up act」企画。その第1弾として、『Cheer up act -vol.1- 「裏方の女」~ハロー野菜祭り大きなカブ~』が、10月17日(土)と18日(日)の2日間にわたって、東京・よしもと有楽町シアターで開催されます。今回は、舞台で初主演となる元NMB48の女優・太田夢莉ら4人に、公演直前インタビューをしました。
舞台は、脚本・演出に俳優・演出家の福田転球、キャストに主演の太田のほか、今井瑞、木原実優ら実力派の俳優陣が脇を固めます。今回、そんな『裏方の女』チームの4人にインタビューを敢行。劇場チケットは完売し、オンラインチケットも売れ行き好評な“期待値の高い”舞台の魅力に迫ります。
主人公はイベントの「裏方」
――まずは、どんな作品なのかあらすじを教えてください。
福田 『裏方の女』ということで、まさにバックステージものですね。とある田舎町のお祭りイベント会場が舞台です。主催者と裏方の女の子が、お祭りのリハーサルを進めていくうちに、イベントプランナーが来て、あーでもない、こーでもないと言いだしてどんどん設定が変わっていく……というものです。本編のほとんどがリハーサルの話で、最後には本番もやりたいと思っています。
木原さんと今井さんは、お祭りに出演するアイドル役を演じます。太田さんは、進行をはじめとした裏方役です。太田さんには、(舞台のなかで)リアルに楽屋に演者を呼びに行くなど、雑用の準備もしてもらいます。舞台は1人じゃできないんだって再確認するためにも、裏方の話をやる意義があると思いますし、「そういえば裏方さん、こんなことしてくれたな」って、自分自身も見つめ直せるきっかけになればいいなと。
――出演者には、太田さんたちのほかにも、福田さんと親交の深い俳優の大堀こういちさん、山岸門人さんの名前が並んでいます。
福田 田舎の主催者っていう役を考えた時に大堀さんがいいなと。イベントプランナーは、みんな「誰やねん」って思いながら演出を受ける設定にしたので、「この人、信用できへんな」っていう役にピッタリの山岸さんに、お声がけしました。
「カブ」の意味は?
――出演者の皆さんは、このあらすじを聞いてどんなことを思いましたか?
太田 いただいたチラシを見たときに「カブ!? 野菜ってどういうこと!?」って驚きました(笑)。私と同じように初めてタイトルを見た方も、「カブ!?」って同じ気持ちになっていると思うんですけど、そんな驚きの感情を消してしまうくらい良い舞台を作っていけたらなって。
木原 私も、最初はタイトルしか聞いていなくて、どうなるんだろうって思っていました(笑)。転球さんからあらすじを聞いたときは、いろんな要素が出てくるんだろうなって思って、稽古が楽しみになりました。
今井 私自身、(新型コロナの)自粛明け初めての舞台になるんですけど、この自粛期間中に舞台への価値観が変わったり、配信自体も初めてだったり、あらためて新鮮な気持ちで挑戦できるのがすごく嬉しいです。この間の顔合わせでコンセプトをお伺いして、いままでにやったことのない“面白い舞台”になるんじゃないかなって思っています。
劇場と配信の「2面」意識
――オンライン配信は、コロナがなければなかった取り組みです。劇場でお客さんが観劇しながら、全国から「生」で視聴している人がいる状況になりますが、戸惑いはありましたか?
福田 (舞台では)それを逆に利用させてもらうというか……。ケーブルテレビで、リハーサル風景もぜんぶ垂れ流しているようなイメージを持ったので、配信を見ている人も、ライブで観ている感覚になればいいなって思います。
太田 地方でなかなか観に来られない方に観てもらえるのが本当に嬉しいです。私が地方に住んでいたら本当にありがたいですし、「面白かったな」って思うシーンはアーカイブで何度も観られるのでいいなって思います。
木原 地方に住んでいる方や、東京でも時間が合わずに有楽町に来られない方にも観てもらえるのは嬉しいです。いままで観劇したことない方が舞台に興味を持って、劇場に足を運ぶきっかけになったら素敵だなって思います。
今井 いままでは劇場に来てくださったお客さんに向けてやっていたものが、カメラが入ると「どうしたらいいんだろう」とドキドキしそうです。でも、カメラの向こうで観てくださっている方のことを思いながら演じるっていうのも面白いんじゃないかなって。“2面”のお客さんを意識したお芝居が楽しみです。
――演出家・俳優として活躍中の福田さんの印象を教えてください。
太田 意外とボケるじゃないですけど……。
福田 関西人ならではの「いらんことを言う」というかね。
太田 そこにツッコミを入れるのが楽しくて、顔合わせ初回から楽しくお話させていただいています。分からないことがあっても気軽に聞きやすいなって思っています。
木原 中学2年生のとき、福田さんがご出演されていた舞台『パンク侍、斬られて候』を観ていましたし、吉本の俳優班に入った時も「転球さんいらっしゃる!」って、ずっとご一緒したいなって思っていたので、今回演出を受けられて嬉しいです。ビシビシお願いします!
福田 はい!
今井 私は今回、はじめましてでした。最初、めっちゃ怖い方かと思っていたんですけど、顔合わせで、いろいろやってみたときに「いいね!」と気分を上げてくださいました。アドバイスをいただきながら、いろんなことを一緒に作ってもらえる方だと思います。
NMB48卒業からもうすぐ1年
――太田さんは昨年11月にNMB48を卒業して、もうすぐ1年が経とうとしています。この1年の活動を振り返ってみてどうですか?
太田 卒業する前から、同世代の役者さんが多くいらっしゃって厳しい道なんだろうなと思っていましたし、(自分が)ライバルとも言えないようなすごい方々がいる世界に足を踏み入れるのは正直怖かったです。いざ、1人でこの世界に入ってみて、やっぱり厳しい道ですし、一つひとつの場所で自分が無力すぎて、何もできないことがすごく嫌になってしまうこともあるんですけど、コツコツとやっていくしかないなと思っています。
――木原さんは女優業のほか、「吉本坂46」第2期生としても活躍しています。そちらも、ライブもなかなかできない状況だと思いますが……。
木原 吉本坂46は先日、よしもと有楽町シアターの定期公演が発表されました(10月30日からスタート)。なので、『裏方の女』の話が来たときは、舞台に立てる喜びはもちろんですけど、「(ほかの吉本坂メンバーよりも)先に有楽町シアターに立てる!」って。2期生に「この楽屋はこうなんだよ~」って教えてあげられるなって思いました(笑)。
――今井さんは、出演するミュージカルがコロナ禍で延期になったそうですね。自粛期間中に、舞台について考えることはありましたか?
今井 本当にゼロになったので、自分はいったい何が好きで、何をきっかけで舞台を始めたのかをすごく考える時間ができました。その考えが積み重なったところに、この話をいただけたので、いままでの舞台の立ち方とは少し変わってくるんじゃないかなと思います。無名な私をキャスティングしてくださった感謝の気持ちを、舞台でお返ししたいです。
「ほんま舞台っていいな」
――福田さんは6月に開催された朗読劇に出演しましたが、改めてどんなところに舞台の魅力を感じましたか?
福田 やっぱり“ライブ”、“生”っていうことですね。朗読劇では、お客さんを(客席の)30%入れてやったんですけど、それでも反応がすごくあって。拍手をもらったとき、いままで感じたことのない感動がありました。「ほんま舞台っていいな」って改めて思いましたし、お客さんに感謝やなって。
――舞台から離れたぶん、また大きな感動があったんですね。
福田 最後までお客さんに「ありがとうございました」って言わなアカンなって思いましたね。正直、(過去の舞台で)50ステージとかあるとき、「カーテンコールめんどくさいな」と思いながら挨拶するときあったなって(苦笑)。でも、それではアカンって思いました。
――最後に意気込みをお願いします。
福田 太田さんが「裏方」をやっているというところが見どころです(笑)。
太田 いままでお世話になっている裏方さんの立場になるって勉強にもなりますし、演じるのが楽しみです。主演で舞台に出るのが初めてなので、お客さんの反応が生で感じられることも嬉しいですし、あがり症なので緊張してセリフを飛ばさないようにしたいです(笑)。
木原 2月から始まった舞台が、期間中に(コロナの影響で)中止になってから本当に久しぶりの舞台出演です。この期間に改めて「舞台に立ちたいな」って実感したので、今回すごく楽しみにしています。皆さまが前向きな気持ちになる舞台をお届けできるように、感染対策を徹底して準備していきます。
今井 私自身がそうなんですけど、世の中が大変なぶん、“面白いもの”、“楽しいもの”をエンターテインメントや舞台に求めていて、笑いたい気持ちがすごくありました。舞台を観に来るお客さんも、笑いたい方や楽しい1日を過ごしたい方がいらっしゃると思うので、そういう方たちに少しでも「楽しかった」って思ってもらえるような舞台になるよう頑張りたいと思います。
作品概要
『Cheer up act -vol.1- 「裏方の女」~ハロー野菜祭り大きなカブ~』
脚本・演出:福田転球
出演:太田夢莉、今井瑞、木原実優、シューレスジョー、しんや、山岸門人(マッシュ)、大堀こういち(オフィスPSC)
日時:10月17日(土)19:00開場 19:30開演
10月18日(日)12:30開場 13:00開演
10月18日(日)16:30開場 17:00開演
会場:よしもと有楽町シアター(千代田区有楽町1-10-1有楽町ビル2階)
チケット(オンライン配信):アフタートーク付き3,000円 お芝居のみ2,000円
※劇場チケットは完売。見逃し視聴は配信開始から24時間後まで
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