どうも芸人ライターのてんぐの横山ミルです。
皆さんは朗読劇を観たことがありますか? この夏、おすすめしたい朗読劇があります! 天津・向清太朗さんがプロデュースする声優×芸人の朗読劇『WARAI-GOE』が2年ぶりに、東京・紀伊國屋ホールで8月22日(火)から27日(日)まで開催されます。豪華なメンバーが日替わりで出演し、脚本もザ・ギースの高佐一慈さん(ASH&D)、しずる・村上純、そいつどいつ・松本竹馬、やさしいズ・タイ、ラブレターズ・塚本直毅(ASH&D)、そして天津・向さんが手掛けます。いったいどんな化学反応が見られるのか――。今回は、天津・向さんと声優の伊藤彩沙さんの対談を取材させていただきました!
芸人の「間』と声優の「間」が違う!
向 「WARAI-GOE」にご出演ありがとうございます。オファーがあったときは、どんなお気持ちでした?
伊藤 むちゃくちゃ嬉しかったです。久しぶりに向さんとお仕事させてもらうのも嬉しかったですし、まわりの友だちとか、声優仲間から「いいなぁ!」ってすごい連絡が来ました!
向 えぇ! 嬉しい! 伊藤さんの出演する日はしずるとレインボーも出ますし、芸人さんも豪華なメンバーがそろいましたので僕も楽しみです。
伊藤 そうですよね。どんな舞台になるのかすごく楽しみですね。
向 今回も芸人さんが脚本した台本なので、ふつうの朗読劇とはタッチが違うかなと思うんですけど。
伊藤 さっき、やさしいズ・タイさんが書いた台本を読ませていただいたのですが、めちゃくちゃ面白かったです。ちょっとシュールというか、ふつうの朗読劇ではあまりない設定のお話ですよね。
向 そうですね。6人の芸人がそれぞれ1本ずつ台本を書いているのですが、それぞれの芸人の色が出ていて面白いですよね。それに、みんなキングオブコントのファイナリスト……僕を除いて。
――それはいいじゃないですか(笑)。
向 ちなみに前回の脚本は、しずる・村上くん、ライス・田所(仁)くん、赤松新くん、BKB(バイク川崎バイク)にお願いしたんです。そこでBKBがやった「電話をしてるふり」っていう朗読劇は、のちに「世にも奇妙な物語」(フジテレビ系)でドラマ化されたんですよ。
伊藤 えー!!
向 もともとBKBの小説ではあったんですけど、すごいことですよね。
伊藤 私、お笑いの作品をやっていて、そこで漫才やコントをして思いました。笑いのやり取りって、ふつうのお芝居より難しいんじゃないかって。人を笑わせるための芝居というか、それがすごく勉強になっています。だからこの「WARAI-GOE」で笑いの芝居をするのが楽しみです。
向 前回、この朗読劇をやったときに声優さんが、「芸人さんの『間』が声優さんの『間』と違うから、それにすごく刺激を受けた」って言っていましたね。
伊藤 確かに、ワンテンポ置いたほうが「笑い」が起こりやすいとかありますもんね。
向 そこは、今回の芸人さんも自信のあるメンバーですからね。(今回のチラシを見ながら)ほかにも声優さんでお笑い好きな桑原由気さんとか、村上奈津実さんもいて……楽しそうなメンバーだな! これ見たら、ぜったい面白いよ!
(一同爆笑)
伊藤 私もそう思います(笑)。毎日、日替わりの出演者ですもんね。
向 そうですね。あと、全部で台本が6本あるなかの3本を1日でやるじゃないですか。台本も日替わりなので、連続でみても違う作品になる仕組みになっていますからね。しかも、メンバーも変わっていくので、同じ台本でもぜんぜん違うお芝居になったりすると思います。
伊藤 いろんな公演を観たくなりますね。
芸人がリハーサルを本気でやるわけがない!?
――伊藤さんからみた向さんの印象はどんな感じですか?
伊藤 優しい。優しくて、とてもご丁寧に季節のご連絡をくださる(笑)。
――え? 「この春、いかがお過ごしでしょうか?」みたいなことですか?
向 そんなこと連絡しないから!
伊藤 いえいえ(笑)。年始の挨拶とかです。あと、私が声をしているアニメをみたら、「見ました!」とか。向さんは紳士な方という印象です。
――向さんからみた伊藤さんの印象はどんな感じですか?
向 なんとなく末っ子みたいなイメージが強い時期があったのですが、いまは大人になっていくというか、その末っ子の感じが見えなくなってきたって感じですかね。その成長を親戚のお兄ちゃんみたいな感じで見守っています。でも、これを文字にされると気持ち悪いのでやめましょう。
――しっかり文字にさせていただきます(笑)。
向 遠くから見守っております。
――伊藤さんは声優の仕事と舞台の仕事で意識していることはありますか?
伊藤 声だとキャラクターがすべてで。観るキャラクターは平面じゃないですか? だから、できるだけ想像力は働かせたいなぁと思って、セリフの言い方を考えたり、キャラクターのバックボーンを深く堀ったりしたりしますね。あとは、収録の時間が短いので、できるだけ瞬発力というか、すぐにディレクションに応えられるようにだったり、前のセリフを受けて即座にどうするのかっていう、スピード感を意識しています。
舞台は、稽古がしっかりあって、役と向き合う時間が長いので、それが声優の仕事との大きな違いかなと思っていて。だから稽古ごとに「このシーン、次はこうしてみようかな」っていうような自分の課題を作ったりして、それを稽古で試したりすることを楽しむということを意識しています。どちらも表現方法がぜんぜん違うから面白いです。
――今回の「WARAI-GOE」はどちらの感じですか?
向 今回は朗読劇で、生の舞台ではあるんですけど、リハーサルをして、演出の方に指導をいただいて、それを受けて本番という形なので(アニメの)アフレコに近いかもですね。アフレコもテストがあって、1回直しがあって、本番という形なので。
伊藤 でも、アフレコに近いですけど、お客さんがいらっしゃるから、そこが大きく違いますよね。そこがすごく楽しみです。だからリハーサルと本番ではぜんぜん違うんだろうなって。
向 そうですね。伊藤さんはもう出られているからわかると思いますが、初めての人がけっこう面食らうのは、芸人がリハーサルで本気でやるわけがないっていうことですよね。
(一同爆笑)
伊藤 でも、リハーサルからすごく面白いですよね。
向 初めての方は「芸人さんの芝居ってどんな感じなんだろう?」って思って、リハーサルをして、「あぁ、こんな感じか。じゃあ大丈夫だ」と思って本番に挑んだら、「え? リハーサルよりすごい熱量! ぜんぜん違う!」とかの意見が多いですね。
――今回の舞台で向さんが伊藤さんに期待することは何ですか?
向 芸人とのやり取りもしたことがあって、お笑いも好きで、お芝居もやられている方に求めることなんてないけど、いつも通りやっていただけたらと。あとは、熱中症には気をつけて下さいという感じですかね……。
――体調管理に期待ですね(笑)。
脚本と出演者が決まった瞬間に“勝ちだな”と思った
――最後に朗読劇への意気込みをお願いします。
伊藤 向さんのイベントに出させていただくのが何回目かですけど、毎回、お腹が痛くなるくらい笑って帰っているので、今回のイベントもどうなるのか本当に楽しみです。
個人的にも仲良くしている村上奈津実ちゃんとも同じ作品に出られますし、奈津実ちゃんがお笑いの作品に出ているのを見たことがないので、どうやって演じるのかも楽しみですし、今回、初めての芸人さんとその日限りのスペシャルな朗読ができるのをワクワクしています。キャストも日替わりですし、お話も毎回違うということで、観に来てくださる皆さんの印象に残るように頑張りたいと思います。
向 一応、僕はプロデューサーって立場ですけど、脚本と出演者がぜんぶ決まった時点で「勝ちだな」って思いました。自分のなかでは脚本もキャスティングもほぼ完璧に仕上がったと思っているので。
伊藤 向さんがキャスティングしたんですか?
向 はい。声優さんは僕が全員、マネージャーさんと事務所に連絡して、オファーしていますから。これは、本当に吉本が「向さんありがとうございます!」と言うべきだ!
――確かにそうですね(笑)。
向 毎回、僕が嬉しいのは、終わってから芸人が「本当に声優さんってすごいですね」って言ってくれるんです。当日のリハーサルが1回だけなのに、本番の演技が「声優さんはすごい!」とみんな感動してくれるんですよ。僕はそれがすごく誇らしくて。逆に声優さん、役者さんにも「やっぱり芸人ってすごかったね」って思わせられるようにできたらと思っていますので。お客さんには、声優さんと芸人の化学反応を楽しんでほしいです。
それと、楽しみ方の1つとして、配信があります。見逃し期間がけっこうあるので、現地の生の声だけではなく、改めて「こんな表情していたんだ!」とかの楽しみ方もできるのかなぁ、と思っています。あとは台本も販売していて、いろんな振り返り方ができるようになっていますので、そちらもぜひよろしくお願いします!
声優・富田美憂「じつは向さんとはデビュー前からお会いしていて…」
天津・向が、今回の出演者のひとり、声優・富田美憂さんとも対談しました。
――まずは富田さんに、今回のオファーがきたときの率直な感想はどうでしたか?
富田 うれしかったです。向さんにMCをやっていただいてトークをする機会が多くて、その向さんがプロデュースした作品に出演するのが新鮮だと感じました。
――向さんからみた、富田さんの印象は?
向 演技が一流だというのを大前提として、全体を俯瞰で見られるような方という印象です。お客様目線にもなりながら、みんなが楽しめるような立ち振る舞いができる人です。やさしさとクレバーさを兼ね備えているので、富田さんがいてくれることの安心感があります。
――富田さんからみた、向さんの印象は?
富田 じつは、デビュー前からお会いしているんです。13歳か14歳のとき、素人のオーディションでお会いしていて……それがいまこうしているのは不思議な感じです。
向 感慨深いです。14歳の歌声でなかったですからね。
――富田さんは、芸人に対する印象はどうですか?
富田 最近、仕事をする機会が増えていて。イベントでMCして下さっていることが多いですね。みなさん、とても頭がいいと思います。セリフではなく、間で笑わせる技術。そういった頭の回転です。「間の勉強は、お笑いと落語が勉強になるから見なさい」とマネージャーにも言われているんですが、実際に見てみて奥が深いなあと思います。たとえば、セリフとセリフがカブるツッコミは、声優の世界にはありませんが、芸人さんにはある。コメディ系の朗読劇が初めてなので、WRAI-GOEは楽しみたい部分と学びたい部分があります。
――今回は朗読劇ですが、意識していることはありますか?
富田 自分が上達するには、朗読劇に出演するのがいちばんだと思っています。生観劇なので、ミスができないという緊張感もあって、機転を利かせる能力が身につくため、出演後は一皮むけた感じがします。
公演概要
声優×芸人の朗読劇「WARAI-GOE」
会場:紀伊國屋ホール
脚本(五十音順):ザ・ギース 高佐(ASH&D)、しずる 村上、そいつどいつ 竹馬、天津 向、やさしいズ タイ、ラブレターズ 塚本(ASH&D)
チケット:前売5,800円 配信4,000円
●8月22日(火) 19:30開演
声優:小泉萌香、洲崎綾、山崎はるか
芸人:ジェラードン(アタック西本、かみちぃ)、ニッポンの社長、天津 向
●8月23日(水) 19:30開演
声優:伊藤彩沙、桑原由気、村上奈津実
芸人:しずる、レインボー、天津 向
●8月24日(木) 19:30開演
声優:内田彩、小原好美、山根綺
芸人:ライス、ラブレターズ(ASH&D)、天津 向
●8月25日(金) 19:30開演
声優:髙橋ミナミ、前川涼子、前田佳織里
芸人:そいつどいつ、やさしいズ、天津 向
●8月26日(土) 12:30開演
声優:青木瑠璃子、石見舞菜香、田所あずさ、本渡楓
芸人:ザ・ギース(ASH&D) ほか
●8月26日(土) 17:30開演
声優:青木瑠璃子、石見舞菜香、田所あずさ、本渡楓
芸人:うるとらブギーズ八木、ザ・ギース(ASH&D)、天津 向
●8月27日(日) 12:30開演
声優:上田瞳、田中美海、富田美憂、藤井ゆきよ
芸人:R藤本、石井ブレンド、こりゃめでてーな 伊藤こう大、好井まさお、天津 向
●8月27日(日) 17:30開演
声優:上田瞳、田中美海、富田美憂、藤井ゆきよ
芸人:R藤本、石井ブレンド、こりゃめでてーな 伊藤こう大、好井まさお
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