東京・ヨシモト∞ホールの看板芸人であるムゲンダイレギュラー入りをかけて若手芸人たちが競う『レギュラー昇格ネタバトル「ムゲンダイユースカップ」決勝戦』が9月9日(土)に開催され、デニス(植野行雄、松下宣夫)が悲願の優勝を果たしました! これまで決勝にいっても「勝ちきれなかった」という彼らが今回、意識したのは“振り切った”漫才スタイル。心霊YouTubeでも大人気の彼らが、“本職”で結果を残しました。
ファイナルバトルは3組同票の大接戦!
今回、決勝に進出したのは、デニスのほか、シマッシュレコード(嶋田修平、島居俊介)、那由多(ぶんご、メニー・ジョイヴィレッジ)、とらふぐ(阿部直也、田畑勇一)、カラタチ(前田壮太、大山和也)、セッツァー(つげちゃん、ダリル)、入間国際宣言(西田好孝、千葉ゴウ)、スクールゾーン(俵山峻、橋本稜)の面々。
審査員を務めたのは、吉本社員や作家、スペシャルゲストの吉田大吾(POISON GIRL BAND)、さらに来場者やオンライン視聴者も投票できる仕組みです。
まず、本選に進んだ8組からファーストステージ1位のデニス、2位の入間国際宣言、3位のカラタチがファイナルバトルに進出。3組とも漫才を披露し、爆笑をさらいました。
そして、審査員と観客による投票の結果、なんと3組同票に! その結果、大会ルールに則り、ファーストステージを1位で勝ち抜いたデニスが優勝となりました。植野と松下はハイタッチで喜びを爆発。安堵の笑顔を見せました。
審査員の吉田は今回出場した8組について、こう語ります。
「予選は上位5組が接戦で、より丁寧にやっているな、という人に点数を多めに入れました。“このネタもっと面白いのに、今日すげー噛むな”という人は減点しました。意外とそういうところを見ているんです。『面白けりゃいいや』じゃなくて、せっかくつくってきたんだから、丁寧にやろうぜって」
また、オリジナリティあふれるダジャレネタを2本披露したデニスについては「強引すぎてあまり好きじゃなかったです」と笑わせつつ、「だけど、あそこまで思いっきりやられたら、そりゃ笑っちゃいますよ」と評しました。
ダジャレネタ2連発に「振り切ったことをしたかった」
史上まれに見る接戦を制し、レギュラーメンバーの仲間入りを果たしたデニスの2人に話を聞きました。
――まずは決勝を振り返ってみて、いかがでしたか?
松下 1本目は手応えがあったんですけど、決勝はほかの2組がめっちゃ盛り上げていたんで、「ちょっと微妙かな」と思っていました。でも、舞台袖の笑い声はいちばんしていたと思うので、あとは審査員の方次第かな、というのはありましたね。
植野 ネタ選びも、僕は慎重派すぎて、たいして面白くはないけど、むかしM-1予選でやったネタをしたほうがええと思ったから、「のぶくん(松下)、聞いて。これまでネタをめっちゃ見てる審査員の方の前で、ダジャレネタはまずいって! パワープレーすぎるって!」と説得したんですけど、のぶくんが「これでいこう」って。
松下 僕は振り切ったことをしたいんですよ。せっかくやから挑戦的な新しいネタをやって戦いたいなって。
植野 芸人の人たちは面白いと言ってくれるし、こうなったらパワープレーでいくしかないなって。14年もがいてるヤツが、伏線回収もゼロ、テーマもゼロ、ただ、ずっとダジャレを言うだけのネタ……(笑)。それでも優勝できてよかったです。
結果が出て自信になった
――(笑)。予選と決勝でネタのテイストを変える手もありましたが、2本ともにダジャレネタを披露しました。それこそパワープレーだと。
松下 行雄ちゃん(植野)にも「M-1でも毎年、準決勝に行けないし、設定を凝るのはやめて、振り切ったことをやろうぜ」とは言っていたんですよ。こういう機会やし、試したほうがええかなという気持ちで、 両方ダジャレにしたって感じですね。
植野 (お客さんから)おカネをもらって、審査もしてもらって、ダジャレ一本はまずいと思ったんですけど、自分たちでは面白いと思っているので、もう楽しんでやろうと。
松下 今日、ダンビラムーチョ(大原優一、原田フニャオ)とMCをしていたダイタク(吉本大、吉本拓)さんからも「お前らは、人から見て『お前らズルいぞ!』『卑怯やわ〜』と言われることをやったほうがいい」とアドバイスをもらっていたので、こういうことなんかな、とは思いました。このダジャレネタも、スベることもあったんですけど、ちょっとずつカタチになってきたなかで結果が出たので、すげえ自信になりました。
植野 決勝にいって落ちるのはいつものパターン。毎回、(レギュラーメンバーに)上がれず、負けグセがついてユースの門番になっていたんで、みんなが「おめでとう!」と言ってくれたのにスカしちゃいました。
松下 行雄ちゃんは、ハーフ芸人初のメンヘラなんで、勝ったあとの態度がわからないんですよ。
植野 負けて「クソが!」「しょうもな!」とか言うのは慣れているんですけど、勝ったことないからモゾモゾしちゃって。
松下 むかしの入れ替え戦でも、決勝は行くけど勝ちきれないから、行雄ちゃんが毎回、仕込むんですよ。
植野 優勝者がインタビューを受けているなか、体にダイナマイト(の小道具)を巻いて出てきたり、「車を爆破した!」と言って、ハンドルだけ持ってきたり……。
松下 だから今日も劇場入った瞬間、小道具探しに行ってたもんな。
次に目指すはM-1準決勝進出!
――(笑)。現在、おふたりは心霊系のYouTubeチャンネル『デニスの怖いYouTube』でも大人気ですよね。
松下 (チャンネルのコンセプトが)「売れてる芸能人は霊が憑いている」と言われているので、僕らも心霊スポットに行ってとり憑かれよう、とロケをしています。
――コラボすることが多い陣内智則さんとは、「今年、M-1の準決勝に行かないと、今後コラボはしない」と言われていますよね。今回の優勝で、一歩前進できたのではないでしょうか?
植野 ほんまに狂ってるんですけど、陣内さんから「お前らは霊力をつけて準決勝まで行け!」と言われているんですよ。今日、アップされた動画(『神回!ヨコザワプロダクションでついに手を撮影』回)の心霊ロケで、とんでもないものを見たんですけど……ほんまに霊力のおかげかもしれないです。
『神回!ヨコザワプロダクションでついに手を撮影』はこちらから。
――(笑)
松下 陣内さんとのコラボは2年くらいさせていただいているんですけど、準決勝行かんかったらほんまにコラボできなくなるので、(M-1に向けて)はずみになりましたね。
――まずは晴れて劇場メンバー入りできました。一安心ですね。
植野 3年くらい前、僕が本当に腐っていて、「もうええわ。若手の劇場はあきらめて、もう営業で食わせていただきます!」という時期があったので(笑)。ほんまに嬉しいです。
松下 本当によかったですね。
YouTubeチャンネル『デニスの怖いYouTube』はこちらから。