コント日本一を決める『キングオブコント2023』(TBS系)が、10月21日(土)に放送されます。厳しい予選を勝ち抜き、ファイナリストになったのは10組。今回は、7年ぶり4度目の出場となるラブレターズ(塚本直毅、溜口佑太朗)の決勝直前インタビューをお届けします。
今年もダウンタウンがMCを務める『お笑いの日』内でフィナーレを飾る同大会。決勝に勝ち上がったのは、蛙亭、カゲヤマ、サルゴリラ、ジグザグジギー、ゼンモンキー、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、や団、ラブレターズ、隣人(※50音順)の面々です。
果たして、最後に栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお届けします。
年齢を重ねてコント師として「進化」
ーー久しぶりに決勝進出した今のお気持ちを教えてください。
溜口 むちゃくちゃうれしいのと「これだけ頑張ったら(決勝に)行かせてくれるんだ」って思いました。
塚本 7年ぶりですからね。
溜口 7年ってすごい年月ですよ。あの、ののかちゃん(村方乃々佳)だって5歳とかですもんね。
ーー(笑)。自信を失いかけていた、ということですか?
溜口 2016年に最後の決勝に行かせてもらったあと、次の年から準決勝さえも行けなかったんで(5年連続準々決勝敗退)。ようやく去年準決勝に行ったけど、それでもスベっちゃいましたからね。「やっぱダメなのかな」とも思いましたけど、準決勝に行けたし、もうちょっと頑張ってみるか、って感じでした。
ーーこれまでよりもパワーアップした点があれば教えてください。
塚本 変な話、だんだん年をとって、勝手に若手っぽい尖り方じゃない、変な重みみたいなものが乗っかってきたのかなとは思います。前までは、(背が)ちっちゃいおじさん2人が、サラリーマン役をやっていてもしっくりこなかったというか。あまり説得力がなかったんですけど、だんだん、ちゃんとおじさんに見られるようになってきて。
ーー年齢を重ねることで、劇場での反応の変化を感じることはありましたか?
溜口 サラリーマンとか大人の役をやったときに、昔だったらそんなにウケていない箇所が、今ではめちゃくちゃウケる、みたいなことにはなってきました。
塚本 昔はちょっと背伸びしていたことが、多少年齢が追いついてきて、うまいことハマり出した感覚があります。
ーー前回出場したときよりも審査員が変わったり、番組の雰囲気も変わったりしていると思いますが、対策は考えていますか?
塚本 今回のファイナリストの中で、(初回除いて)全審査パターンを経験したのは僕らだけじゃないですか?
溜口 確かに(笑)。
塚本 準決勝進出の芸人審査、タイマン対決、審査員審査……。
溜口 対策が追いついていないまま、次の方法に変わっちゃったんで(笑)。でも、今まではよく見られようとしすぎていたかもしれないです。今はネタに自信があって、手放しでできるようになったので、それを笑ってくれたらいいなとは思います。
塚本 今のところ、どっしりやれそうな気はしていますね。
溜口 松本(人志)さんの前でやるのはめちゃくちゃ緊張しますけど、そこの評価は後からついてくるものだと思っています。(ファイナリストで)年齢も上の方ですし、そこのアドバンテージを生かして、みなさんに見ていただけたらなって感じですね。
ーー過去の3回とは自信が違いますか?
溜口 (以前は)「これ当たったらいいな」というネタばかりだった気がします。今は、どっしりと「やることやれば大丈夫なんじゃないかな」と思っていて。別に結果が伴わなくてもブレることはないし、運命に左右されることはないなと思います。
塚本 過去3回は、背伸びして「優勝します」とか言っていましたけど、ちゃんと「優勝」と思える内容になってきたなと思います。
ファイナリストの中に“ファン”の芸人が?
ーー今回の決勝メンバーの顔ぶれを見ての印象を教えてください。
塚本 「シビれる審査をされましたね」って感じですよね。
溜口 むちゃくちゃヤダなと思いました。もちろん、他の方が代わりに入ってきても嫌ですけど。若い子もいれば、発想の人もいるし、パワーもいるし、いろんな角度がありますよね。
塚本 気づけば同じ7年ぶり(ジグザグジギー)とか、不思議な縁もあるし。
ーー意識するコンビはいますか?
溜口 ニッポンの社長は……僕、大ファンで。
ーー(笑)。
溜口 初日も舞台袖で辻くんに挨拶したら『ラヴィット!』の「耳心地いい-1グランプリ」でやったネタをすごい褒めてくれたので、それでやる気出ちゃって。
塚本 ファンじゃん(笑)。
溜口 ネタ前、緊張してたんですけど、めちゃくちゃコンディションよくネタができました。だから、(『キングオブコント』が)公のオフ会みたいなね。大好きな人たちに会えて、一戦交えて、もし勝てたら、昇天しちゃいますよ(笑)。自分の人生が華やかになるなと思います。
塚本 サルゴリラさんは、児玉智洋さんとユニットコントライブ『ひくねとコントサークル』でご一緒しまして。演出で関わらせてもらったときに「この人はなんて面白い人だ」ってずっと思っていました。その中で同じ決勝に上がれたので……シビれますね。
ーー決勝での目標と、コンビとして思い描いている未来を教えてください。
塚本 7年ぶり4回目の出場で、さすがにここから重ねていくのはよろしくないので、優勝させてもらえたらなと思います。
溜口 迷惑かかっちゃうからね~。ちゃんと優勝って言えるような環境になってきたかなって感じはしますよね。
塚本 ライブでは自由にやらせてもらっているので、またライブでお客さんに見てもらえる機会が増えればいいなとは思います。
ーー劇場が軸というのは変わらないんですか?
溜口 そうですね。劇場が軸で僕ら生活させてもらっているんで。
塚本 ライブの事務所(ASH&Dコーポレーション)でもありますから。
溜口 劇場もありがたいですけど……バラエティにも出たい(笑)。ちっちゃい2人だったらなんでも面白くなると思うので、試してもらいたいなと思います。