芸歴1年目でバトルライブを勝ち上がる「ボブのコーラ」って何者!? 同期初の神保町マンゲキ所属で注目

芸歴1年目、まだ21歳の幼馴染コンビ「ボブのコーラ」。今年3月に卒業したばかりのNSC(吉本総合芸能学院)東京28期で初の神保町よしもと漫才劇場の所属となり、注目を集めています。最近は大学などでお笑いをやってきた、いわゆる“お笑い経験者”が多いなか、高卒のたたき上げで実力をつけてきた彼ら――だけど、いったい何者!? そこで今回は、11月に行なわれる初の主催ライブを前に、2人のことを徹底的に聞いてきました!

出典: FANY マガジン
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決して自分から前に出るわけではないけれど、一言に破壊力を感じさせる“とあ”(赤い服)と、ユニークな動きと独特の雰囲気でまわりを巻き込んでいく“本田たかお”(紫ジャケット)。初々しさの残る2人ですが、いまメキメキと実力をつけている注目株です。

神保町よしもと漫才劇場で8月に開催されたバトルライブ「Jimbochoサバイバルバトル」で勝ち上がって劇場所属を決めると、さらに9月のJimbochoグランプリでも勝ち残り、決してマグレでないことを証明しました。まだあまり知られていない2人ですが、その素顔とは!?

「勢い系」の“たかお”と「センス系」の“とあ”

――2人は幼馴染だそうですね。

とあ 小・中・高ともに同じ学校なんです。小学校のときは週1で遊ぶくらい仲良かったけど、中学校になったらクラスも部活も違ったので少し離れて、廊下で会ったら話すぐらいの距離感になりました。で、高校に入ったら、なんか(たかおが)いて。

本田 「いて」って(笑)。高校が同じっていうのもお互い知らなかったんですよね。

とあ で、高2の体育の混合の授業で一緒になって、また話すようになったんです。

本田 これが盛り上がったんですよ。

とあ オレらのクラスの全員がたかおのこと好きみたいな状況で、クラスの人気者でした。

――どういうタイプの人気者だったんですか?

本田 なんだろう……。勢いですかね。

とあ なにか言ったら、デカい声で返してくれるみたいな(笑)。そういうタイプで。男女問わず人気あるって感じでしたね、僕のなかでは。

本田 たまたま高校にそういう人がいなかったから、モノ珍しさみたいなのがあったのかもしれないですね。

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――とあさんは、学生時代はどんなタイプだったんですか?

本田 決して前に出てギャーギャー言わないけど、ボソッと、面白いしょうもないこと言うな、みたいな。マジでそういう部分は小1のときからあって、たとえば、オナラのごまかし方が面白かったり。

とあ 小学生から? なら、オレすごいね(笑)。でも、確かに人前に出るのは苦手でした。

「たかおがやるならオレもやってみたい」

――最初に、芸人になりたいと思ったのはいつごろでしたか?

本田 僕は中学時代、将来何がしたいんだろうと考えたときに、芸人がずっと好きだったのでそうなりたいとは思ったけど、まだ中学だし、決定打までにはなっていなかった。でもなんとなく、頭にはそのことがあったので、高校卒業後の本格的な進路決定で、ワタナベコメディスクールに行くことにしたんですよね。

――最初はNSCじゃなかったんですね。

本田 当時の僕には、NSCって怖いなという印象があったんです。「オモシロ至上主義」みたいな空気感もありそうだし、人数が多いぶん、埋もれるのも怖い。それで、自分に合っていそうなワタナベに行って、同じ年の高卒の相方を見つけて2人でやっていたんですが、相方の子が卒業のタイミングで「やっぱりお笑い向いてないかも。大学行きたい」と言い始めて。高卒でワタナベ挟んで大学って、どーゆーことだよと。

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とあ そんな進路ないもんな(笑)。

本田 でも仕方がないので、そこで解散しました。それで、スクールは卒業したけど、所属はせずという感じになってしまい、途方に暮れてました。

――とあさんはどうですか?

とあ たかおがずっと芸人好きなのは知っていて、やってもおかしくないなと思ってたんですけど、実際にワタナベに行くって聞いて、「たかおがやるなら、オレもやってみたい」と思ったんです。それまで、人生でそういう道があるなんて思ってもみなかったけど、すごく近い友だちがそうするって聞いて、やってみたくなったんです。

本田 たしかに、オレが行くって言ったら、すぐにそう言ってたよな。

とあ でも、その時点で、すでに僕はほかの専門学校におカネを払っていたんですよ。親を説得したけど、やっぱり無理でした。でも、実はワタナベのオーディションに2人で行って、「これで受かって入学金がゼロになったら、親も納得してくれるんではないか」と思ったんですけど……。

本田 そのときはゼロにはならず……。撃沈しました。

とあ そうそう。ゼロにならず(笑)。それで、そのときは「将来的に会えたらいいね」ぐらいで、別々の進路を歩むことになりました。結局、僕は専門学校を半年でやめて、たかおとは関係なく、1人でNSCに行くためのおカネをためようとバイトしていたんです。

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本田 とあはすごい自信で。「オレ、相方見つけたら一発行く気がするんだよ!」とか言ってましたから。

とあ ふはは。……オレ、すごいこと言ってるね(笑)。それで僕は予定通り、1人でNSCに願書を出して、1人で入学するつもりだったんですけど、ある夜、たかおから電話で「オレ、吉本入るから一緒にやろう」って連絡が来たんですよね。

本田 もともと、とあから「よしもとに一緒に行かない?」と誘われていたんです。でも、もうスクールは行ったし、相方もいたので吉本に行く選択はないと思っていた。でも、卒業して相方がいなくなって「独りぼっちなら、とあとやろうかな」と思ったんです。

「選抜」に入れなかったNSC時代

――それでNSCに2人そろって入学したわけですね。入ってみてどうでしたか?

本田 入ったときは、経験者が多くて、とにかくびっくりしました。フリーでやってました、大学でやってました、他事務所でやってましたとか。

とあ 最初は、これはもう無理だと思いましたね。

本田 そこでメンタルが折れちゃう人が、めっちゃいるんですよね。僕らのときもそうだったし、今後もあると思うんですけど……。

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――どうやって折れないでいられたんですか?

本田 単に、「やめる」という選択肢がなかっただけだった気も(笑)。

とあ 最初のころ、友だちがいなかったので、2人で完結できてたというか。たかおが経験者というのもあって、たかおがわかっていることをやればいいのかな、自分らでできてるな、と思ってたんです。

本田 でも、それがぜんぜん面白くなかったんですよね。10月くらいに各授業で選抜クラスのメンバーが選ばれるんです。で、そのときにはランキングが出るライブで上位に行けてたはずなのに、ふたを開けてみたら、選抜クラスがひとつもなかったんですよ!

とあ ふはは。

本田 自分らでびっくりしました。「あれ? オレら刺さってなかったんだ」って(笑)。

とあ じゃあ、誰が笑ってたんだろうって(笑)。ちょっと悲しかったです。

――選抜に入っていなかったということが、自分たちを奮起させたということですか?

本田&とあ (2人で顔を見合わせて)……いや、そんな感じでもなく(苦笑)。

本田 入ってないんだっていうことはショックではあったんですけど、だからといって大幅に変えるわけでもなかったですね。

とあ 好きな芸人さんが似ていたことで、2人でネタをつくりやすいというのはありましたね。

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本田 うん、感覚が合うみたいなのはあったと思います。ネタはお互いに1ボケ目を持って来て、そこから2人で話し合ってつくったりしていたんですが、面白いと言ってもらえるネタは、意外とその場のノリでできたやつだったり。

とあ うん、そういうのが評価されやすいよね。たとえば、2人で街中を歩いているときに、僕が「Are youキャバ嬢?」って言ったら、それにたかおが全力で「NO!」と返してきた。それが面白すぎて、そこからネタになったり。

――すごいですね! 2人で道を歩いてて、いきなりそんなやり取りがあり、それがネタになっていくという。

とあ 高校のときからそうなんですけど、なんか言ってみたいっていうのがあるんですよ。

本田 それに対して僕が勢いで返すっていうのが、その当時からあったんですよね。

2人の運命を決した「奇跡のライブ」

――この8月には並み居る強豪を抑え、サバイバルステージで1位になり、28期生初の神保町よしもと漫才劇場に所属コンビとなりました。

本田 まさか1位とは思わなかったです。ネタはウケたから、これは結構いいかもしれないとは思ったけど、まさかの1位だったので、めっちゃうれしかったです。フワフワしちゃってたし、なんか手も震えてるというか。

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とあ ずっとヘンな感覚だったよね。

本田 もうひとつ、自分たちにとって転機というか、めちゃくちゃうれしかったことがあるんです。

NSC時代に1回、遅刻をしてライブに出られなくなってしまいまして。でも、夏合宿の即興ネタコンペで、漫才とコントの両方で1位になれたことで、本当は出られないはずのライブに出られることになったんです!

とあ しかも、そういう経緯で奇跡的に出られたライブで2位だった。そこでいい結果が残せたのがうれしすぎて、夜、2人で会ったもんね(笑)。

本田 そう、夜会いました。いまでもあのときのライブに出られなかったらどうなってたんだろうって思います。

とあ 「これがなかったら、いまのオレら、ないかも」っていうくらいの大きな出来事でしたね。

――11月には、ボブとコーラとしての主催ライブもありますね。

本田 ほんっとにありがたいです! 出てくださる先輩たちのメンツがすごくて。

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とあ 初めてで何もわかんなかったので、「どんな感じで先輩を呼べばいいんですか?」と聞いたら、「好きな人を呼んでいいよ」と言われたので、純粋に仲良くなりたい先輩を挙げたら、それが実現しちゃったという感じです。

本田 劇場の客席はもう完売していているんですけど、本当にこの先輩3組のパワーだなと。

僕らはまだ出来上がっていない

――将来、どんな芸人になっていきたいですか?

とあ もちろん、テレビは出られたらうれしいですけど、ネタはずっとやりたいなと思います。単独ライブを、ずっとやれる芸人でいたいです。

本田 うん、単独ライブはやりたい。いまのところは、ネタの数的に、できる感じではないですけど……(苦笑)。でも、同期ライブとか、すごく楽しいんですよね。だから、お客さんを呼べるようになって、自分たちが好きなライブがいっぱいできるようになれたらなと思ってます。お客さんを呼べなきゃ、ライブはできないので。
あとは、高校のときに深夜の芸人さんのラジオ番組を聞いていたので、いつかラジオをやりたいですね。2人の話がリスナーを巻き込んで大きくなっていくような、あの秘密基地みたいな感じがいつかできたらなぁって思っています。

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本田 ただ、これだけは言っておきたいんですけど、僕らはまだ出来上がっているとは、ぜんぜん思っていないです。まだ1年目なので、今後も進化していくというか。

とあ うん、いい方向にも悪い方向にも、どちらの可能性もあるからね。

本田 そう。5年後どうなっているかも、わからないです。まだまだ成功者ではないので、温かい目で見守っていただければうれしいです。まだまだこれからの僕らです。

とあ 僕ら、まだ中身すっからかんですから(笑)。

――それで、最初は怖かったNSCですが、印象は変わりましたか?

本田 怖くないと言ったらウソになりますけど(笑)、NSCの1年間はめちゃくちゃ楽しかったです。同期と一緒にネタをつくったり、ご飯に行ったり。一生、NSC生がいいなと思ったときがあるくらいです(笑)。

とあ うん、本当に楽しすぎた。同期の家に泊まりに行ったり。NSCに行こうか迷っている人に聞かせてあげたいぐらい、楽しかった思い出ばかりです。

公演概要

■『仲良くなりたい先輩とボブのコーラ』
日時:11月30日(木) 開場18:45 開演19:00 終演20:00
出演者:ボブのコーラ/9番街レトロ/ヨネダ2000/金魚番長
場所:神保町よしもと漫才劇場
内容:ボブのコーラ初主催! 芸歴1年目で劇場所属となったボブのコーラには仲良くなりたい先輩がたくさんいます! そんな先輩方をお呼びしてネタとコーナーで仲良しを目指すライブ!
チケット:配信1,200円 ※劇場チケットは完売

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

■金魚番長×ボブのコーラツーマンライブ 『ぴちぴちシュワシュワ』
日時:12月16日(土) 開場19:45 開演20:00 終演21:00
出演者:金魚番長/ボブのコーラ
場所:神保町よしもと漫才劇場
内容:金魚番長とボブのコーラの2組でお送りするツーマンライブ
チケット:前売1,200円 当日1,500円 配信1,200円

FANYチケットはこちらから。

ボブのコーラーも卒業した数多くのスターを輩出する国内最大規模のお笑い養成所NSC(吉本総合芸能学院)、マネージャー、構成作家、劇場・ライブプロデューサー、番組ディレクターetc……数多くの即戦力エンタテイメントスタッフを輩出するよしもとクリエイティブアカデミー(YCA)、俳優、パフォーマー、歌手、よしもとから“本格的”にデビューを目指すタレント養成所よしもとパフォーミングアカデミー(YPA)、よしもとでエンタメ×デジタルの最前線を学び即戦力を目指すスクールよしもとデジタルエンタテインメントアカデミー(YDA)、よしもとのスクールでエンタメを学び高校卒業資格が取れるよしもとの学校、吉本興業高等学院。これら5校からなる吉本興業グループの唯一の教育機関であるよしもとアカデミーは、2024年度生徒募集中。

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