大阪・なんばグランド花月(NGK)1階にある喫煙所が、大阪市指定喫煙所「THE TOBACCO NAMBA」として、11月7日(火)にリニューアルオープンしました。2025年に開催される大阪・関西万博に向けた分煙環境整備の一環として、大阪市指定喫煙所設置経費等補助金を活用したもので、同日に開かれたお披露目イベントには、大阪市の横山英幸市長とともに、愛煙家を代表してケンドーコバヤシ、司会・進行役でザ・プラン9のヤナギブソン、そして株式会社コソドの山下悟郎・代表取締役が出席。分煙の必要性や喫煙環境の整備について語り合いました。
「これはキレイ!」と感嘆の声
喫煙所は、「THE TOBACCO(ザ・タバコ)」の名称で公衆喫煙所を運営するコソドと吉本興業が共同で開設したもので、NGKの施設利用者だけでなく一般に開放されます。
「万博の街、大阪。清潔で美しいまちをめざして〜大阪市指定喫煙所として市民へ開放〜」と題された今回のイベント。開始前に、まずは横山市長、ケンコバ、ヤナギブソン、コソドの山下さんの4人が「THE TOBACCO NAMBA」内部をチェックしました。
天井に排煙のための機器が設置され、空気清浄機が2台、さらに灰皿、ドリンクの自動販売機を完備。壁にはヤニ汚れやタバコの臭いが付着しにくいタイルを使用し、清掃のしやすさにも配慮しているほか、壁に書かれたマーク・トウェインのちょっぴりシニカルな“名言”にも注目です。
「おおー!」「これはキレイ!」と感嘆の声を上げるケンコバとヤナギブソン。山下さんの説明を聞きながら、しばし歓談が続きます。
その後、開会式での出席者挨拶を経て、NGK周辺の環境を視察することに。「(路上にポイ捨てされた)吸殻は、あんまり見かけないですね」とケンコバ。近隣のボランティアが清掃を行うなど、市民の活動によって環境が美しく保たれていることを聞いて、感心しきりです。難波・千日前界隈は近年、海外からの観光客も多く訪れているため、日本とは違う喫煙環境・習慣を持つ人たちにも配慮していかなければならない、と横山市長が課題を語りました。
途中で路上に吸殻を見つけると、一同で拾い集める場面も。「これも(喫煙所があることが)周知されれば、そちらに行かれてなくなるのでは?」とヤナギブソンは期待を寄せます。その後も、歩きながら喫煙マナーにまつわるさまざまな意見が交わされました。
ノスタルジックな喫茶店をイメージ
視察終了後は、吉本興業大阪本社に場所を移し、トークセッションが行われました。山下さんによると、コソドが運営する大阪市指定喫煙所は心斎橋に続いて2件目。NGKは建物全体が“大正ロマン”をコンセプトとして設計・デザインされているため、「THE TOBACCO NAMBA」もそれを踏襲しているそうです。山下さんは「少しレトロでノスタルジックな、昔の喫茶店をイメージしてつくっています。皆さんにも、ちょっと昔を感じながらゆっくりしてもらえれば」と話しました。
現在は東京に暮らすケンコバも、営業やロケに向かうときなどで待ち合わせがNGK裏手になることが多いため、「誰かがトチった(遅刻した)とき、あそこでタバコ吸っとける。イライラせずにすみそう」と笑顔で言います。
「せっかくなんで、NGKで(公演を)見終わったあとに、吸われる方はそこに集まって、『やっぱり(桂)文珍師匠はすごいな』とか、若手のネタの甘さとかを語り合ってほしい」と使い方の提案も飛び出しました。
一方、大阪・関西万博に向けて指定喫煙所の拡充を進めている大阪市の取り組みについて、横山市長はこう語ります。
「万博に先立つ2025年1月に大阪市内における路上喫煙の禁止を、大きな方向性として掲げています。そのためには、しっかり喫煙所を設置していかないといけない。そこで大阪市としては、補助金を活用し、民間と連携して、喫煙所の設置を進めさせていただいています」
そして、「吸う方も、そうでない方も快適に過ごしていただける大阪市を目指していきたい」と力を込めました。
NGKの思い出は…
ケンコバは「環境をよくしていくための施設が、思い出深いNGKにできたのがうれしい」といいながら、「NGKの思い出というと、だいたい態度悪い、服装汚い、目つき悪い、ネタが意味わからんと怒られたことしか思い出せない」と苦い顔も。
ヤナギブソンから「僕も思い出すのは、昔のコバヤシさんが怒られていたこと。ずいぶん変わられた」とイジられると、「ここまで更生いたしました。以前は大変ご迷惑をおかけしました」と詫びて笑わせました。
さらに質疑応答では、喫煙所にまつわるこんなエピソードも飛び出しました。
「先輩の爆笑問題・太田(光)さんと、バラエティ番組で絡む以前に喫煙所で絡んでるんですよ。別々の仕事でNHKさんの喫煙所で会ったんですけど、そこに大河ドラマのエキストラの方も吸いに来はって、それが“明智軍”の人だったんです。その人に対して、太田さんが急に近寄っていって『お前が信長やっちゃえよ』と言い出した。それに僕がツッコむというのがあって、その後、仕事で絡んだときにすごくやりやすかった。喫煙所って、本当に交流が生まれるんですよ」
「喫煙所のエピソードと言われてすぐ出てくるってすごくないですか?」と目を丸くするヤナギブソン。これにケンコバが「そこがケンドーコバヤシの凄み。引き出しだらけというか」と自画自賛で応えると、大きな笑いが起こっていました。