ある日、よしもと漫才劇場からの帰り道にすき家で飯食って帰ろうと思って、チャリで遠回りしてすき家に向かってたのに、すき家が目に入った瞬間「せっかく遠回りまでしてすき家に来たのに何事も無かったように前を通り過ぎたら面白いんじゃないか」と変な衝動に駆られて、すき家の前をチャリで駆け抜けてから家に帰りました。
その日以来、劇場からの帰り道はずっと、すき家の前を駆け抜けてから家に帰っています。
全てを奇跡的に察知した通りすがりのナニワツッコミマンに「いやっ!! どっっこいっっっくねーーーーん!!」と言ってもらえる日まで僕はすき家の前をチャリで駆け抜け続けようと思います。
どうも、サイレントコメディアンことたくろうの赤木です。
僕は1年先輩のきむらバンドという人と「たくろう」というお笑いコンビを組んでいます。
お笑いコンビというのは、仕事ではいつも一緒で仕事がない日もほぼネタ合わせで会うので1年365日中350日くらいは会っています。
それだけ会っていると段々一緒にいる事が当たり前になりすぎて、隣に相方がいても隣に扇風機があるくらいの感覚で過ごしてしまいます。
だから僕はネタ合わせで会ってもインスタの広告で出てきた、くだらないアプリをして過ごし、2時間くらいたってから相方が「1回やらせて」と言うので、横にいるのは扇風機じゃなくて人間だということを思い出し、くだらないアプリを相方が1回やってからネタ合わせをはじめるという流れになっています。
コンビには色々な形がありますが、2時間待ってから「1回やらせて」と言ってくる相方が僕は割と居心地がいいです。相方が2時間何を考えて待っているのかは知るよしもありませんが、外でネタ合わせしてるので、たまに僕待ちの間に知らないおじいさんと話し込んで「あのおじいさん東京までは歩いて4日、青森までは8日で行けるらしい。」というどうでもいい情報を持ってきます。
ちなみに自分でも「扇風機」という例えはしっくりきていません。
そんな相方でも1度だけ完全に怒った顔を見たことがあります。
ある日の漫才出番前に舞台袖で相方の後ろに立っていると「舞台に飛び出す直前にカンチョウしたらどうなるんだろう」と思ったのでカンチョウしたら相方が見たことない紅潮した顔で振り返り、僕にミドルキックを打ってきました。
瞬時に我に返ったのか、足は僕のお腹の直前で止まり、冷静な顔に戻って「あかんで」と言って舞台に飛び出しました。
あの時の顔は今でも忘れられません。
いつかもう一度見てみたいと思います。
そんな僕達たくろうは、9月4日によしもと漫才劇場にて単独ライブ「いるかねこ」を開催します。
コラムはいつ掲載されるか分からないので一か八かの告知になりますが是非ご来場ください。