お笑いコンビ・2丁拳銃(川谷修士、小堀裕之)による毎年恒例の単独ライブ「百式」が、11月26日(日)に大阪・なんばグランド花月(NGK)で開催されました。今年は2人にとって芸歴30年目という記念すべき節目の年。その道のりをたどるネタを盛り込んだ怒涛の漫才は、予定時間の「100分」を優に超える熱いステージになりました。そして、終演直後の彼らが語ったこととは――!?
過去のターニングポイントのネタを披露
「百式」はノンストップで100分間、漫才を披露する2002年から始まった毎年恒例のライブ。とにかく漫才をし続けるという漫才師の“究極形”ともいえるストイックなスタイルが、ファンを魅了しているだけでなく、多くの若手芸人のリスペクトを集めています。
開演前、2丁拳銃の人気ナンバー「逢いたくて」と「青色」が会場に流れ、オープニングビデオでは2人の30年間の軌跡を振り返る写真が次々登場。出囃子のTHE BLUE HEARTS「44口径」が流れると自然と手拍子が起き、会場のボルテージは一挙に上がります。
いよいよ2丁拳銃の2人が登場してサンパチマイクの前に立つと、会場からは大歓声と万雷の拍手です。芸歴30年目ということで、小堀が客席に「祝いにきてくれはったんですか?」と声をかけると、「おかえりー!」と温かい声援が返ってきました。
ネタは、NSC(吉本総合芸能学院)での2人の出会いから始まります。面接でのウラ話やコンビ結成に至った経緯を、笑いを交えてたどっていく2人。そして、30年の道のりを振り返りながら、ターニングポイントとなったネタを織り込んでいきます。
コンビを組んで初めて挑んだ「お笑い甲子園」のオーディションで披露した「服装検査」、まだ駆け出しだった2丁拳銃の人気に火をつけた「ゴキブリの逆襲」、先輩芸人たちから高評価を受けた「銭湯」……大阪時代の情景が蘇るような懐かしいネタに、お客さんは大喜びです。
大阪でブレイクを果たしてCDデビューし、満を持して2000年に上京。その翌年から始まった『M-1グランプリ』では、2003年に決勝進出を果たしました。その決勝でのネタも披露して、大きな笑いを起こします。さらに、最終決戦に進んでいた場合に披露するはずだったネタまで出すスペシャルな展開に!
「THE MANZAI」や「THE SECOND 」のネタも
その後、10年にわたって賞レースから遠ざかっていた2丁拳銃が、再び存在感を放った2014年「THE MANZAI」決勝でのネタや、今年の「THE SECOND〜漫才トーナメント」準決勝で爆笑をさらった珠玉のネタも届け、さらに激戦のウラ話をもネタに昇華しました。
30年を振り返ったところで、いよいよ折り返し。後半は「百式」ではおなじみの「クイズ丁度ええ漫才」をはじめ、新ネタも盛りだくさんです。
なかでも「マルチバース 2丁拳銃のもしもの世界」では、「もしも2丁拳銃が2000年に東京へ行っていなかったら」というネタで爆笑をさらいます。そして終盤には、2丁拳銃のスピリットを感じさせる、思わず胸が熱くなる展開が待っていました。
エンディングで川谷は客席を見渡すと、「皆さんのおかげです。ありがとうございます」と深々と頭を下げて感謝。小堀は客席に「心配せんでも、ずっと続けます」と語りかけ、大きな拍手を浴びました。
来年は50歳+50歳=100歳の「百式」を!
公演終了後、2丁拳銃を直撃しました。
——ノンストップの100分漫才、東京と大阪の公演を終えた、いまの気持ちを聞かせてください。
小堀 こないだ(11月18日開催の東京公演)が123分やったんで、ちょっとネタを整理してやったんですけど、ちょっと楽しくなっちゃって……。(大阪は)121分ですか。
川谷 ははは(笑)。2分だけ! もう、ホンマ感謝しかないです。東京も大阪もスタッフの方々が一所懸命、頑張ってくださって、グッと来ますね。「ホンマ、すんません!」ってなります。もちろん自分らでやりたいからやってるんですけど、「やらせていただいているんだな」という感謝です。また明日から、(劇場の)10分出番も一所懸命やらせてもらおうと思いました。
——気は早いですが、来年の「百式」はどうなりそうですか。
川谷 来年は、先ほどステージでも言いましたけど、東京と大阪以外にも会場をちょっと小さくして公演場所を増やしましょうか? やってみますか?
小堀 なるほど(笑)、うん。
川谷 でも来年の上半期は「THE SECOND」があるので、それに向けてがんばっていきたいです。同じ30周年を迎えたCOWCOWと一緒に決勝に行って戦いたいのでね。50歳の4人が決勝で出会えたらなと。
小堀 よく言ってるんですけど、来年は2人とも50歳で、足して100歳なんです。「百式」というのもあって、2人足して100歳の「百式」を見せられたらと思ってます。
川谷 100歳か! ホンマやな。
——今回は30年を振り返る「ベストアルバム」のようなライブでしたが、来年も期待できますね。
川谷 おじさんのネタが増えそうですね(笑)。でも、逆に若返ったろかな。めちゃくちゃ若いネタ、なってもええな。
小堀 「ベストアルバム2」です(笑)。