昨年のキングオブコントで強烈なインパクトを残し、最年長かつ歴代最高得点での優勝を果たしたサルゴリラ(赤羽健壱、児玉智洋)。そんな2人のネタを別のコンビに演じさせてナンバー1を決めるライブが、3月17日(日)に千葉・よしもと幕張イオンモールで開催されました。挑むのは、これまで賞レースなどで結果を残してきた実力派芸人たち。果たして“キング”となったのは誰なのか!? 白熱のライブの様子を、芸人ライターとしても活動するよしもと沖縄所属のピン芸人・又吉広人がお伝えします!
題して『キングオブサルゴリラ~サルゴリラのネタを一番おもしろく演じるのは誰だ!?~』。出演者は、サルゴリラのほかにライス(田所仁・関町知弘)、うるとらブギーズ(佐々木崇博・八木崇)、すゑひろがりず(南條庄助・三島達矢)、タモンズ(大波康平・安部浩章)、相席スタート(山崎ケイ・山添寛)、そいつどいつ(市川刺身・松本竹馬)。MCには井下大活躍が登場しました。
トップバッターは大本命の…
数ある賞レースでも不利とされているトップバッターとして登場したのは、まさかの本人、サルゴリラの2人。自身のネタ「怪談好きな先輩」を披露し、会場は大きな笑いに包まれました。トップバッターからの優勝はあり得るのか……!?
2番目は、2016年のM-1でファイナリストとなった男女コンビ、相席スタートが登場。本来、男同士の友情を見せるサルゴリラのネタ「見送り」を、うまく女性のセリフに落とし込んで男女コンビならではのネタとして演じていました。
3番目は2021年のキングオブコントファイナリスト、そいつどいつ。「最終面接」で特技を披露するというもので、市川刺身が本当に練習していたマイナーな特技を披露しつつネタは進み、会場を大いに盛り上げました。
続いて登場したのは、伝統芸能・狂言を取り入れた笑いでお馴染みのすゑひろがりず。サルゴリラが昨年のキングオブコントで披露したマジシャンのネタを、すべて和風変換した“新バージョン”は、見事な化学反応を起こして大盛り上がりでした。
そして、ここで2016年のキングオブコント王者・ライスが登場! 王者が王者のネタを演じるという夢のようなコラボで会場のボルテージも上がっていきます。ところが、実はカンペを見ながらやっていたという“不正”が発覚! サルゴリラやMC井下から責められる一幕もありました。
6組目は大宮セブンの一角、タモンズ。会話の地雷が多い「バイトの新人」というネタを披露しましたが、誇張しすぎたそのキャラクターはもはや原型をとどめておらず、会場から大きな笑い声が起こりました。
そして、キングオブサルゴリラのトリを務めるのは2019年のキングオブコント準優勝の実力派コント師、うるとらブギーズ。演じたネタはサルゴリラが昨年のキングオブコントで披露した優勝ネタ「野球部」のはずでしたが……。
果たして「キング」の称号は…!?
会場のお客さんと配信視聴者の投票によってキングオブサルゴリラが決まります!!
果たして今回、キングに輝くのは、安定の強さを見せた賞レース上位者か、それとも他人のネタも自分たち色に染め上げたベテランか、はたまた若手が台頭するのか――その結果は、こうなりました!
優勝サルゴリラ!!
会場から大きな拍手が起こると、赤羽は「やったー」と拳を突きあげ、児玉は「そりゃそうですよ!」と満面の笑みで、現キングオブコント王者の意地を見せつけたかたちとなりました。
2位は僅差でライス、3位には相席スタートと続き、最下位はこの日、大トリを務めたうるとらブギーズでした。
「芸歴に比例してネタがぐちゃぐちゃに」
全組のネタを振り返って、赤羽からうるとらブギーズに「そんなネタやってない! もう新ネタじゃん!」とツッコミが入ります。児玉からは「俺らの優勝ネタを……つまんねえ(ピエロの)格好しやがって」と苦言を呈され、佐々木も苦笑い。
ほかの出演者からも「早く着替えてこい」「生で見たほうが面白くない」と散々な言われようで、最後に佐々木が「魚サーカスって面白くないですか?」とお客さんに投げかけて大きな笑いに包まれました。
一方、タモンズも、サルゴリラのネタをいじくり倒したコンビのひとつ。与えられたネタを“メチャクチャ”にした理由について、「怖かったんです! すゑひろがりずが着物着たりしてるのに、(自分たちが)丸腰なのが!!」と、ほかのコンビのネタを演じる難しさや大変さが伺えました。
こうして大盛況のうちに幕を閉じた『キングオブサルゴリラ』ですが、SNSでは「めちゃくちゃ面白かった!」「芸歴に比例してネタがぐちゃぐちゃになってる」と興奮冷めやらぬ盛り上がりを見せていました!!