大阪の「よしもと漫才劇場」、東京の「神保町よしもと漫才劇場」、福岡の「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」に所属する芸歴7年目以下の若手芸人によるネタバトル『マンゲキ×神保町×福岡 全日本グランプリ ~Under-7~』が、3月30日(土)に大阪・よしもと漫才劇場にて開催されました。各劇場から3組ずつが選抜され、計9組が5分のネタで、芸人部門、劇場部門の2部門で争います。果たして、それぞれの部門で1位に輝いたのは……!?
2番手のぐろうがネタを忘れて…
2回目となる今年は、よしもと漫才劇場からは、タイムキーパー(ひでき、まついあきら)、cacao(高橋、浦田スターク、たっぺい)、ぐろう(家村涼太、高松巧)の3組。神保町よしもと漫才劇場からは、イチゴ(イクト、木原優一)、金魚番長(箕輪智征、古市勇介)、10億円(山内仁平、永見諒太)。そしてよしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場から、カーネギー(松相遼、さわとおる)、とらんじっと(あらた、原ノコシ)、パスタとパスタ(ふぢわら、まなべ)の3組が出場しました。
MCを務めるのは、令和喜多みな実・河野良祐。まずは神保町チーム、福岡チーム、マンゲキチームの順で舞台に登場。この大会は、会場への来場者と配信視聴者による投票で、芸人部門と劇場部門の順位が決定します。そのため、各劇場をアピールしようと、それぞれ劇場カラーと団結力を見せつけました。
舞台上でネタ順を決定し、グランプリがスタート。トップバッターは福岡から来た最若手、パスタとパスタです。披露したのは「セカンドオピニオン」を題材にした患者と医者のコント。若手ならではのフレッシュ感を見せつつも、落ち着いた雰囲気を放ち、観客の意識をさらにネタバトルへと向かせました。
2番手は大阪のぐろう。観葉植物をテーマにした漫才で勝負に出ます。ところが家村がネタを忘れるというアクシデントが発生。ドキドキハラハラでしたが、無事に本流に戻り、ネタも時間内に終了。緊急事態も持ち前の実力で見事しのぎました。
続いては金魚番長。冒頭、ネタを飛ばしたふりをする箕輪に、「お前も!?」と古市の大きな声が響き渡ります。ネタは格安航空を題材にした漫才。最後は2人して舞台上を旋回し、しゃべりと動きで魅せました。
トリのカーネギーは大声で「夜の蝶」ネタ
4番手に登場したのは、福岡のとらんじっと。あらたは「今日のお客さんはかわいいですね」と舞台に出るなり早々、観客にごまをすります。卒業式をテーマにした漫才では、あらたのボケを丁寧に拾っていく原ノコシ。はっきりとした心地よい声色でも2人の世界観に引き込みました。
そして大阪のタイムキーパーの登場。「焼肉でモメた」とのっけから友だちとの物騒な話をするひでき。食べ放題への重い愛を語るストロングスタイルの漫才で、まついとひできが攻防戦を繰り広げました。
東京の10億円も漫才を披露。「居酒屋のキャッチ」を実況中継風に展開します。コミカルな動きでも笑いを誘う山内に、何事にも動じずツッコむ永見と、対照的な2人のやり取りで居酒屋のキャッチと客のドラマを描きました。
大阪のcacaoは今回、唯一のトリオです。浮気現場をいかにしのぐか、「心理の逆をついていこう!」と修羅場でも前向きに逃げ隠れしようとする浮気彼氏(浦田)と、それを見つけようとする本命彼氏(たっぺい)、そして懲りない彼女(高橋)。心理の逆をつく飽くなき挑戦者たちの物語をショートコント風に繋げながら、コミカルに描きました。
続いて東京のイチゴが登場。漫才を披露しますが、センターマイクの前にいるのは木原のみ。ステージの端に立ち、自身が受ける感覚や視覚情報を念入りに確認し、なかなかセンターに行かないイクト。エキセントリックな新感覚漫才で魅せました。
大トリを飾ったのは福岡のカーネギーです。最後とあって大きな声でさらに会場を盛り上げます。「夜の蝶ってかっこいい」と言うさわの願いをかなえるべく、キャバクラ嬢を題材にした漫才を。キャバクラ嬢の“さわ子”と客の松相のやり取りで沸かせました。
「1位発表」を神妙に待って…
結果発表では、まずは劇場部門の順位から。1位「神保町よしもと漫才劇場」、2位「よしもと漫才劇場」、3位「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」となりました。
芸人部門では、5位から順に1位までを発表。5位にパスタとパスタがランクインすると、「トップバッターだったけどすごい!」と称賛の声があちこちから上がりました。
1位の発表を前に、まだ名前が呼ばれていないのは、cacao、とらんじっと、イチゴ、ぐろう、カーネギーです。YouTubeチャンネル「吉本興業チャンネル」で3月24日(日)に配信された「日本一早い賞レース『100×100』(ハンドレッドハンドレッド) 」で優勝したばかりのイチゴは、芸人たちからけしかけられて神妙な面持ちで舞台の中央に立ち、結果を待ちます。
そしてMCの河野から告げられた芸人部門1位は……大阪のcacaoでした! 喜びと落胆が同時に爆発、最後までにぎやかに「全日本グランプリ」を終えました。