銀シャリが目指す“究極の漫才”は!? 過去最大規模の全国ツアーは「今年だからこそのいいプレーをしたい」

昨年、3年ぶりの単独ツアーを成功させた銀シャリ(橋本直、鰻和弘)が、今年は過去最大規模のツアー「シャリとキリギンス」を敢行します。5月4日(土・祝)の静岡公演を皮切りに全国11都市13公演で、1万人動員が目標! 今回は本番を控える銀シャリの2人に、単独ライブにかける思いや、目指している漫才の“完成形”などについて徹底的に聞きました!

出典: FANY マガジン
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「ネタって本当にナマモノ」

──今回の単独ライブツアー「シャリとキリギンス」は過去最大規模のツアーだそうですね。

 そうですね。ただ、お客さんの数が増えてもやること自体は変わらないので、シンプルに漫才を観てもらえたら。

橋本 今年の新しいネタがどんな感じかを楽しんでいただけたら嬉しいですね。

 ツアー中にネタがちょくちょく変わっていくので、そこも含めて。

橋本 毎回、単独用に新作漫才を6本作るんですけど、ネタって本当にナマモノで、お客さんの反応によって少しずつ変わっていくんですよ。ウケると楽しくなって伸びていくし、脱線したりもするし。
だからお客さんに一緒に作っていただいている感じはありますね。
逆にちょっと違うかなと思ったら、ネタ自体を別のものにすることもあります。今回、東京と大阪は半年くらいあいて2公演ずつあるんですけど、その間にけっこう変わってるかもしれません。

出典: FANY マガジン
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──銀シャリは単独公演とは別に、2019年から『銀シャリの産地直送漫才〜47都道府県巡り〜』をやっています。

橋本 47都道府県巡りはとにかく「生で漫才を見てもらう」というコンセプトで。

 お客さんと触れ合う機会というか。ご当地漫才をやったり、トークコーナーもあるんですよ。単独ツアーはもう完全に新ネタをやるので。

橋本 やっぱり概念が違いますね。単独のほうは自分らが「これ、いま面白いですよ、どうですか?」と出す感じです。

──地域やお客さんに寄り添う「産地直送漫才」と、自分たちが見せたいネタを見せる単独ライブということですね。

橋本 野球とかサッカーが好きな人って「去年見たからもういいわ」とはならないじゃないですか。「今年の新戦力で、いざ開幕だ」となるじゃないですか。単独ライブはその感覚に近いですね。
漫才という意味では同じことだけど、技術とか、去年からの蓄積、いままでの経験、そういう面白さがあると思うので、待ってくれている人のために今年だからこそできるいいプレーをしたいと思います。

──初日まで1カ月を切っていますが、ネタ作りはどんな状況ですか?

橋本 ぜんぜん仕上げてないです。ただ2人でネタの構想の話はしたんで、あとは作っていくだけ。だからたぶん大丈夫。 

 大丈夫です。「もう間に合わん!」と言いながら、毎年ちゃんと間に合っているので。

出典: FANY マガジン
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「橋本軍団」のグループLINE誕生!

──結成19年を迎えたおふたりにとって、同志は誰ですか?

橋本 年代関係なく、作りたい漫才の方向性が似てる人たちは好きですね。しゃべくりで、(演者の)地の延長線上のようなネタをやっている人たちが若い世代にもたくさんいるので。最近、囲碁将棋の文田(大介)くんが僕をかついでくれて、オズワルド・畠中(悠)くんと3人で「マンU(漫才ユナイテッド)」というグループLINEを作ったんです。

──「橋本軍団」ですか。

橋本 その3人に加えて、ストレッチーズ、ひつじねいり、この前はド桜とかキュウ、あとは素敵じゃないかも呼んで……。僕の中で、キュウ、ストレッチーズ、赤もみじ(ド桜・村田大樹が以前組んでいたコンビ)が若手三銃士やったんですよ。そのへんの人らと、漫才ゴリゴリヤンキーみたいな軍団を作って、肩で風切って歩きたいなと思って。「あの軍団はヤバい」「あそこに入るにはどうしたらいいんや」と思われたくて(笑)。

──かなり強力なメンツですね!

橋本 このメンバーは、僕だけじゃなくて文田と畠中のOKが出ないとダメなんですよ(笑)。2年前から次のチャンピオンに目星をつけて、『チャンプの前借り〜いつか天才になる君たちへ〜」というライブもやっていたんですよね。若手でも、こういう漫才熱がある人たちと飲んでると刺激になります。

 橋本って吉本なのに他事務所と関わりが多くて、めっちゃ珍しいんですよ。

橋本 いや、吉本芸人も好きですよ。ぐろう、ぎょうぶ、三遊間が俺の大阪三銃士です。

出典: FANY マガジン
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──若手のネタを相当見ているんですね。

橋本 俺、めっちゃFANYにおカネ使ってますよ。吉本の給料はFANYに消えていきますから。「単独見たで。自分で配信買って」「え、言ってくださいよ〜」のやりとりが好きなんです(笑)。この前も『南海キャンペーンズ』を買って観ました。

 たしかにめっちゃ見てるし、めっちゃ払ってるなあ、配信チケット代。本もめっちゃ買うてるよな。

橋本 芸人のエッセイめっちゃ好きなんで。最近はとんねるずのノリ(木梨憲武)さん、シソンヌ・じろうちゃん、ふかわりょうさんとかつぶやきシローさん、ピース・綾部(祐二)さんの本を買いました。

 俺もFANYの配信とか本とか買うことあるけど、橋本ほどではないもんな。

──鰻さんの同志は誰ですか?

 うーん、考えたことないかもしれないですね。

橋本 ジャルジャルは?

 ああー! それはあるな。

橋本 憧れというか、カッコいいなと思う。俺らは漫才、あっちはコント職人で、畑違ってよかったなと思うわ。

 単独を観ると、「体力どうなってんねん」ってくらいぶっ通しでやるもんな。すごいよなあ。

橋本 漫才師って単独ライブでもゲストを呼ぶことがけっこうあるんですけど、僕らはゲストを呼ばないんですよ。それは単独を2人だけでやっているジャルジャルに影響を受けてるところがあるかもしれない、と最近思いましたね。

出典: FANY マガジン
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目指すは「シンプルでナチュラルな会話」

──銀シャリの漫才は、観たことのあるネタでもその場で話しているようで、新鮮に笑ってしまいます。ネタを作るときにどんなことを重視しますか?

 まさに、2人とも「自分がこれを言うかどうか」じゃないですか。

橋本 自分の地(じ)の延長線上というか、ウソをつかない感じ。

 ふだんの自分が言うようなことじゃないと違和感しかないから。

橋本 なるべく立ち話の延長線上であることは意識してるかもしれないです。「それ言いたいから、こんな道行ったんか」「これツッコませたいから、こう言ったんか」という、やらしい感じにはならんように。

──芸歴を重ねて、ネタの作り方に変化はありますか? 

橋本 ずっと一緒ですね。立ち話で、あまりコントに入らず……。これはコントに入るのが下手というのもあるんですけど。あと、迷ったらシンプル。面白いネタってやっぱりシンプルなんです。やっていて楽しいネタは「これ絶対大丈夫、ええネタや」ってすぐわかるし。そういうネタを増やしたいなと思います。

──シンプルが大事?

橋本 またスポーツの例えしますけど、野球で3対0の2つの試合があったとして、スコアだけ見たら同じでも、内容はぜんぜん違うじゃないですか。シンプルでナチュラルな会話、つまり立ち話の漫才って、その内容を変える余地がある気がするんですよ。

出典: FANY マガジン
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むかし養成所の先生の発言ですごく印象に残ってることがあって。ネタ見せで「レストランにヘンな店員さんがいる」というコントを見た先生が「なんでそんなツッコむん? 帰ったらええやん」と言われました。「そんなヘンな人がいても帰らない理由がいるやろ」と言ったんです。
山の中でこの店しかなくて、めっちゃ腹減っててここで食わんとヤバいとか、そういう環境を作らないと、「だったら帰れや」と思えてしまう。漫才でも、相手があまりに無茶苦茶なこと言うんやったら、もう黙ったらいいじゃないですか。ファンタジーなんだけど、そういう感情のリアリティは気にしているかもしれませんね。

 だから、このまま、いま取材を受けてる受け答えの状態のまま、人前に出られたら最高やなと思いますね。いまもそれができてるとは思わないので、その勉強を続けているというか。

──誰が見ていても、見ていなくても変わらないトーンで会話をするような漫才ということですか?

 そうです。だから、何を言っても大丈夫なようにしたいです。「あいつやったら言いそうやな」を増やしたいという気持ちはめっちゃあります。

「もうええわ」と「はいどうもー!」

──かといって、キャラクターを演出するのも違うわけですよね。

 そうなんですよ。無理やりは違う。素の僕自身が「それ言いそう」と思われないと。

橋本 一度、「もうええわ」で終わるのもヘンやなって思ったことありましたね。2人の人間の論が違うから漫才になるわけじゃないですか。そんな中で「もうええわ」という発言は、終わらせにいってるから不自然やなと。それで、「しゃべり続けとくからゆっくり暗転してくれ」とスタッフさんにお願いしたことありました。

 (笑)。

橋本 ちょっと考えすぎましたけど、それは(笑)。

──観客は、たまたまこの会話を2人がしゃべっているところを目撃しているだけ、ということでしょうか。

橋本 はい。でもさすがにやりすぎました。「もうええわ」はいりますよ。

 まあ、「はいどうもー!」もヘンやもんな。結局、両方ともいるけど。

出典: FANY マガジン
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橋本 いや、「はいどうもー!」のほうがいる。だってお客さんが入っている中で、開演時間が来て、音楽が鳴って出ていくんやから。

 挨拶ってことか。

橋本 「どうも」は俺は大丈夫。「いらっしゃいませ」と一緒。しゃべってることの終わりほうが、決まってるのは違うって感じ。

──鰻さんの違和感を解消するためには、幕が開いたらもうしゃべっている、というような……?

 そう、そのほうがほんまはいいでしょ。

橋本 (マンガの)『THE 3名様』とか『セトウツミ』みたいなもんに近いのかもな。

 それに、できるだけ近づけたいですよね。

──その志向は2人の中で共通なんですね。

 はい。

橋本 そうですね。あ、『バスを待ちながら』ってYouTubeチャンネルあるやん。あれはよくできてるな。バスが来たら終わる。「もうええわ」と言わんでええ。

 あれ、もう漫才やもんね。

──最後に、銀シャリの単独ライブに興味を持っている人たちにメッセージをお願いします。

 ほんまに毎回、何が起こるかわからないと思うので、ぜひとも見に来てもらいたいです。

橋本 お笑いを生で見たことのない人も、気軽に見に来てほしいです。

出典: FANY マガジン
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公演概要

銀シャリ単独ライブツアー「シャリとキリギンス」
出演者:銀シャリ

<公演スケジュール>
【静岡】
日時:05月04日(土・祝)開場17:00/開演17:30
会場:しずぎんホールユーフォニア

【北海道】
日時:05月11日(土)開場17:00/開演17:30
会場:共済ホール

【鹿児島】
日時:06月08日(土)開場17:00/開演17:30
会場:ライカ南国ホール

【東京①】
日時:06月22日(土)開場17:30/開演18:00
会場:有楽町よみうりホール

【新潟】
日時:07月15日(月・祝)開場17:00/開演17:30
会場:新潟市民プラザ

【大阪①】
日時:07月27日(土)開場17:30/開演18:00
会場:クレオ大阪中央ホール

【香川】
日時:08月10日(土)開場17:00/開演17:30
会場:香川県教育会館・ミューズホール

【福岡】
日時:08月31日(土)開場17:00/開演17:30
会場:ももちパレス 大ホール

【兵庫】
日時:09月22日(日・祝)開場17:00/開演17:30
会場:神戸新聞松方ホール

【東京②】
日時:11月03日(日・祝)開場17:00/開演17:30
会場:東京ヒューリックホール

【大阪②】
日時:11月23日(土・祝)開場17:30/開演18:00
会場:大阪国際交流センター大ホール

【愛知】
※詳細は後日発表

【広島】
※詳細は後日発表

<チケット情報>
チケット料金:前売4,500円(税込)/当日5,000円(税込)
チケット販売スケジュール:静岡・北海道・鹿児島・東京①・新潟・大阪①の6公演が販売中
※香川公演以降の販売スケジュールは追って発表されます。
チケット販売:FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット

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