フースーヤが悲願の賞レース初優勝「2人でやってきたことが報われた」 NHK上方漫才コンテストで激戦制す

今年で第54回となる『NHK上方漫才コンテスト』を制したのは、賞レース初優勝となるフースーヤ(田中ショータイム、谷口理)でした。5月24日(金)に大阪・NHK大阪放送局で開かれた本選は、実力派8組がそろう激戦に。優勝が決まったあとの会見では「2人でやってきたことが報われた」と喜びを語りました。

出典: FANY マガジン
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NHK上方漫才コンテストは、関西演芸界における若手の登竜門として、古くはオール阪神・巨人、近年ではフットボールアワーやかまいたち、アインシュタインといった錚々たる面々が受賞してきた歴史ある賞です。出場資格は結成10年未満で、今年は105組がエントリー。本戦にはフースーヤのほか、ラビットラ(渡邊瞬、松本直也)、たくろう(赤木裕、きむらバンド)、くわがた心、マーメイド(田村境祐、テクニック。)、THIS IS パン(岡下雅典、吉田結衣)、シモリュウ(シモタ、前田龍二)、清川雄司の8組が出場しました。

谷口、なぜかショータイムのハグを拒否!?

生放送終了後、囲み会見に登壇したフースーヤは、止まらぬギャグをしばし封印して優勝の心境を語ります。

「賞レースは難しい、どうやって勝ったらいいんやろと悩んでいた。まわりから“賞レースにこだわらんでもいいんちゃう?”と言われ、自分たちが楽しければいいかと思ったこともあった」

こう語って葛藤を明かしたのは田中。それでも、「やっぱり獲りたいという気持ちはあった」と言い、「NHKさんで僕らが獲るというのはすごい大きな意味がある。型破りな、好き嫌いがはっきり分かれるような漫才で『上方漫才コンテスト』を獲るというのは、かなり説得力が出るんちゃうかな」と喜びます。

一方、興奮冷めやらぬ表情の谷口は、「まだ信じられない」とひと言。

「夢みたいですけど、本当にショータイムとやってきてよかった。2人でやってきたことが報われたかなと思います」

ちなみに優勝の瞬間、田中からのハグをやんわり拒否したように見えた谷口でしたが、実は前々から夢に描いていたボケだったそう。「チャンスと思ってやったら、楽屋でショータイムから“ほんまにショックやった”と言われた」と暴露して笑いを誘っていました。

出典: FANY マガジン
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1回戦圧勝のフースーヤと、激戦を制したたくろうが決勝へ!

この日の司会進行は、千原兄弟(千原ジュニア、千原せいじ)と日向坂46・佐々木久美が担当。そしてトミーズ・雅、ハイヒール・リンゴ、内藤剛志、ますだおかだ・増田英彦、ギャロップ ・林健、DJ KOO、漫画家の東村アキコさんが審査員を務めます。

1回戦では4組ずつ2つのブロックに分かれて戦い、それぞれ1位のコンビが決勝へ。ネタ時間はいずれも4分以内というルールです。

Aブロックでは、くわがた、清川、ラビットラ、フースーヤが激突。文化祭をテーマにキャッチーなギャグ満載の漫才で沸かせたフースーヤが、5票を獲得して1位通過! DJ KOOは「つかみからトップスピード。その後の緩急がたまらなくおもしろくて、ワードチョイスも最高」と手放しで称賛しました。

たくろう、THIS IS パン、マーメイド、シモリュウが顔を合わせたBブロックでは、ニュース番組を題材に奇想天外な展開を見せるネタで、たくろうが勝ち抜け。こちらは1回目の投票で3組に2票ずつ入る大混戦となったため、決戦投票が行われました。

東村さんは「追い詰められている時の赤木さんの顔や噛んでいる様子が演技に見えない。すごい演技力」と脱帽。雅は「2回目を見たい。何するんやろと興味がわいてきた」と期待をふくらませました。

決勝はわずか1票差の名勝負! 

決勝では、またまたハイテンションなギャグ連発&予測不能なネタで魅せたフースーヤに対し、競馬の実況を2人で分担するというひねりの効いた漫才を繰り出したたくろう。審査員を大いに悩ませる名勝負となりましたが、結果はフースーヤが4票、たくろうが3票となり、わずか1票差でフースーヤが悲願の賞レース初優勝を決めました。

田中は「やったー!」、谷口は「よっしゃ!」と揃って笑顔。コメントを求められるとしっかりギャグで返し、どこまでも“フースーヤイズム”を貫きます。

「2本目のほうがおもしろかった。腕を上げた」と雅。リンゴも「永遠に見ていられる、そんな漫才」と、その個性と奮闘ぶりたたえていました。

出典: FANY マガジン
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ショータイムが明かす焦り「しんどい日々だった」

高校からの同級生コンビで、大学時代は毎日のように一緒に過ごし、その中で生まれたノリが笑いのルーツになっているという2人。

優勝後の会見で「賞レースに勝つために、この1年意識してきたことは?」と質問されると、「変わらないっていうのは、けっこうある。成長はもちろんしているが、意外とやってることややり方みたいなのは変わらない」とキッパリ。

とはいえ、なかなか勝てないことへの焦りはもちろんあったようで、田中は「(同期の)天才ピアニストが賞レースを獲るたびに家で深酒。しんどい日々でした」とも。一方の谷口は,ほっとした表情でこう語りました。

「個人的には、そんなに焦りはなかった。2人でこういう漫才がおもしろいと思ってずっとやってて、絶対に勝ち切れるところはくるやろうなと思っていた。だから今日は安心しました」

今後の目標を聞かれた田中は、「僕ららしさ全開で、これからお笑い界を突き上げていきたい」と力強く宣言。谷口は「NHKさんの大河ドラマや朝ドラが大好き。“通行人Z”でもいいので出たい」と猛烈アピール!?

田中によると、以前、ドラマに通行人役で出演した際、ひと言だけのセリフにもかかわらずテイク8までNGを重ねてしまった“前科”があるそうですが、「頑張ります」と意欲を燃やしていました。

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