国内外の映画祭で数々の賞を受賞した鬼才・上西雄大が監督と主演を務める2部作映画『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円―死闘篇』(2022年全国順次公開)の特別先行一挙上映記念イベントが、上映初日の11月9日(火)に東京・よしもと有楽町シアターで開催されました。ステージには上西のほか、豪華キャスト陣が勢ぞろい。監督への思いをつづった手紙も朗読され、涙・涙のイベントとなりました。
映画は、所持金0円の無敵の男が、現代社会に巣食う闇の世界や人間の情の力を根底に、家族のために大金を稼ごうと必死に抗う物語。登場人物たちの所持金や貯蓄額といったおカネの流れを通じてリアルな人間模様を映し出す“マネー・クライム・エンテイメント”となっています。
“どんな監督だ、コノヤロー”
自身が作り上げた主人公のキャラクター、“ゴロー”こと土師晤郎と一生を共にするつもりで演じたという上西。監督として、役者として、共演メンバーについて感慨深げにこう語ります。
「自分が尊敬して憧れる方々と(共演)でき本当に夢のようです。皆さまとお芝居でぶつかったことは、死んでもいいくらいの喜びでした」
この日のイベントには、津田寛治、山崎真実、徳竹未夏、古川藍、木下ほうか、加藤雅也、松原智恵子、奥田瑛二ら豪華キャストがズラリ。
上西作品常連の津田は、ゴローの元同僚で政府の工作員・日向誠人役を好演。はじめは敵か味方かわからない心持ちで演じていたものの、次第に上西への思いが募っていったとのことで、「やっぱりお芝居は生き物。どんどん上西さんへの気持ちが役に出てきてしまって……。仲良くなっちゃうんですよね」と振り返ります。
上西のおかげで悩まずに楽しく演じられたというのは、フィクサー・莫炉脩吉役の奥田。「監督から強烈なエネルギーがこもったオファーを受けたので、“どんな監督だ、コノヤロー”と思っていました」と笑わせつつ、上西について「(スタッフやキャストに)自分の思いを的確に伝える決断力は素晴らしかった」と語ります。
一方、上西が主宰する映像劇団「テンアンツ」のメンバーでもある徳竹と古川は、制作の段階から関わってきたこともあって、イベント中は感動しきり。奥田や津田のコメントを聞いて徳竹が思わず涙すると、古川も「夢を叶える方(上西)がすぐそばにいて、本当に自分は幸せ者なんだと思いました」と語りました。
サプライズに涙「僕みたいなものがこんな言葉をいただき…」
『死闘篇』に登場する、ゴローのライバルでコミカルな一面を持つゴルゴダを演じる加藤は、新境地となる役に挑めたと大満足。「いままでやったことないキャラをやるのが、自分のなかのテーマでした。今回、おもろいキャラだったんで『ぜひ』と」と、参加に前のめりだったことを明かします。
防衛大臣・林博美役を熱演したのは、俳優歴60年の松原。東海地方出身のため関西弁に苦労したそうで、上西からレクチャーを受けて「必死でお勉強しました」と言います。そんな松原の演技を上西は「(役柄としても)相当なインパクトだと思うんです。松原さんを観ていただくだけで入場料が取れる」と語りました。
イベントでは監督へのサプライズも! まずは松原が上西に手紙を読み始めます。
「今回の『西成ゴロー』で女代議士の役で出させていただきました。少し乱暴な関西弁も、つきっきりでご指導いただきありがとうございました。ちゃんと関西弁になっていましたか? 皆さんが楽しんで観ていただける作品になったと思います」
続いて津田が感謝のメッセージを送ります。
「上西さんとお芝居をさせていただいているときが、いちばん楽しいです。芝居をしている上西さんの目には、相手へのとてつもない愛情が見えます。自分がどんな芝居をするかより、相手がどんな芝居をしてくるのかを見守る優しさを感じます」
こうした言葉の数々に上西は涙。コメントを求められると、時折言葉を詰まらせながら、こう語りました。
「僕みたいなものがこんな言葉をいただきまして……。ここまで僕と旅してくれた仲間や、お力添えいただいた皆さんに感謝申し上げます。この手紙は死んだら棺桶に入れてください。ありがとうございました!」
このイベントの模様はYoutubeチャンネル『映画「西成ゴローの四億円」』で視聴できます。映画『西成ゴローの四億円』は11月9日からTOHOシネマズ シャンテで特別先行一挙公開中。2022年に全国ロードショーの予定です。
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