最近、芸人界隈で話題のYouTubeチャンネルがあります。ネクストブレイク芸人として注目される3人組、イノシカチョウ(関本、純吉、ムギ)の「イノシカチョウ公式ch」――毎週2回の動画公開と生配信でじわじわと人気を広げています。そんな彼らが6月9日(日)、満を持して大阪・よしもと漫才劇場で単独ライブ「13歳」を開催することになりました! そこで今回は3人に、YouTubeの手応えやライブへの思いを聞いてきました。
自分たちの意思とは無関係に“お祝いグッズ”が…
――2年前の「オールザッツ漫才2022」の名物ネタバトル「FootCutバトル」で優勝しました。その後、どんな変化がありましたか?
純吉 劇場の出番が増えたのと、営業が若干増えたことですかね(笑)。
関本 それまでは、たまに2~3組の営業の中に入れてもらうくらいだったのが、僕らだけで45分とかあって、なかなかでしたね。
ムギ うん、あれは緊張しましたね。もう忘れられない営業。
関本 純吉に体を張ってもらって、プラスチックのバットで学生さんたちに叩いてもらうというのを取り入れて……(笑)
純吉 でもそれくらいで、学祭とかは全然入ってなかったです。今年はぜひお願いします。あとは……そうだ! お祝いでグッズを作ってもらいました。
ムギ グッズ、何にするか悩んだね。
関本 社員さんからここから選んでくださいって、グッズの見本帳みたいなのを渡されたんです。でも悩んでいたら結局、社員さんから「ガマ口はどうですか?」って。
純吉 いや、ガマ口にしたらって言うたの、スナフキンズの松永(ボディ)さんだと思うんだけど。
関本 そうだっけ? ま、そんなふうに僕らの意思はそんなになく、ガマ口に決まったって感じです(笑)。
純吉 一応、ガマ口は完売したのでホッとしました。
関本 あとは、初めてロケに行かせてもらいました。
ムギ ご一緒したのは石田靖さんでしたけど、全部さばいてくれて、さすがだなと思いました。
関本 石田さんの自宅に集合して、石田さんの自宅で解散という(笑)。
純吉 いい家に住んでらっしゃったなぁ。
「マジで取り組まなくては」と始めたYouTube
――YouTubeチャンネル「イノシカチョウ!YouTube」がハネていますね。
関本 ハネてますかぁ?(笑) まだまだですよ。チャンネルを始めたのは1年ちょっと前でした。まわりの芸人さんたちが、YouTubeをやっててもアップするのはネタだけというのが多かったので、同じことをしてもなぁということで、マネージャーに相談したら、デジタル担当の方を紹介されたんです。いまは一応、ボスと呼んでいるんですけど。
で、その方が「よかったら本気で一緒にやりませんか?」と言ってくださって、そこからでしたね。(制作陣に)けっこう、しっかりした大人の方がそろったので、これはマジで取り組まなければと思いました。ディレクターが劇団「ヨーロッパ企画」などの映像も担当されている方で、その方と自分たち、そしてボスも含めた5人で作っています。
――それぞれの役割はあるんですか?
関本 一応、僕がネタ出しをしてます。基本、純吉とムギが目立ってくれたらいいなぁと思ってます。あと、むかしから「ガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)とか「ゲームセンターCX」(フジテレビCS放送)が好きで、スタッフさんが前に出てくるのも楽しいなと思ってたんで、このチャンネルでも出てもらってますね。
ムギ 僕らは、関本のピエロという役割です(笑)。
純吉 そうやな(笑)。
BANを恐れて削除した幻の動画とは?
――本数もかなりアップされていますが、もっとハネてくれたらいいなと思う回はありますか?
関本 「よく見ている」と言われるのは、マンゲキ芸人のSPとして“警護”する回ですね。再生数も多いのかな。僕も好きです。ドラマの「SP 警視庁警備部警護課第四係」(フジテレビ系)が好きということもあって始めたんですけど。
ムギ いろんなゲストの方が登場する回は、当然、面白くなるんですけれど、僕は、3人だけでやっている回が伸びてくれたら嬉しいですね。好きなのは、シンプルにクイズをしてるもの。単純なんですが好きで、これも再生回数が伸びてほしいです。
純吉 自分は、好きだったけどBANを恐れて消した回が2本ほどあります(笑)。いまでも見られるものの中では、ムギが芸人さんにディベートを挑む「ムギ論破王」が好きですね。ずっと茶番やってるだけなんですけど(笑)。見てほしいと切に思ってるのは「ランボー」ネタですね。本当に伸びないんですよ(笑)。自分たちは面白いと思ってやってるんで、3回分ほどあるんですけど、そのうち、アキナの山名(文和)さんを迎えた回はマジで伸びない(笑)。
ムギ アキナさんで無理だったら……(笑)。
――そもそも、見ている世代が「ランボー」というキャラクターを知らないのかもしれませんね。
純吉 あ、そうなのかも。見ている人たち、10~20代が多いし。さすがにやめようか……。
関本 確かに(笑) 僕は「屁が出るまで帰れません」が個人的に好きですね。おっさんたちが屁をこくのを待ってるだけという動画なんですけど、出てほしいときには出ないんだとかわかって、面白かったです。
――そのなかでボスがいい活躍をされますが、ボスが推している回はありますか?
担当社員 社内的な事情があって削除したんですが、3人のなかで、誰がピンクローターを仕込んでるかを当てるゲームの回ですね。
純吉 それね(笑)。ぶち込まれたのは僕なんですけど。さっき言ったBANを恐れて消した2本のうちの1本(笑)。
関本 結果、そういう幻になる回もあるんで、こまめにチャンネルをチェックしてほしいですね。週に2本アップしてますし。
「13歳はスケベになってきたりするころ」
――ところで、6月9日(日)に単独ライブ「13歳」を開催しますが、このタイトルはどんな意味があるんでしょうか?
関本 いまイノシカチョウは結成12年なんです。それで最初は“12歳”にしようかなと思ったんですけど、なんかしっくりこなくて。13歳ならちょうど中学に入る歳だし、そのころっていろいろ考え方が変わるし、スケベになってきたりする。それでこのタイトル案を出しました。
――タイトル案ですか? タイトルは実際には、どのように決めているんですか?
純吉 バラバラで決めてますね。それぞれ案を出して、どれがいいか合議制で決めるみたいな感じです。
ムギ 僕は、ネタも関本が考えてるので、タイトルも込みでいいんじゃないかなと思ってるんですけど。
関本 今回、ムギが「ロサンゼルスなんとか」って案を出してくれて、正直、それがいいなと思ったんですけど、結果的に「13歳」になりました。でもまぁ、13歳にちなんだ何かを表現できたらなと。
――内容はもう決まっているんですか?
関本 前回もそうだったんですけど、オープニングとエンディングを合わせて7本のネタをやれたらなと思ってます。現時点では3本できてるんですけど。僕的には、終わってからもお客さんに楽しんでほしくて、劇場を出たらロビーに袖パネルの一部がすでに捨てられているとか、そういう試みはやりたいなとは思っています。
ムギ 毎回、台本を渡されるのが1週間くらい前なんです。それで「あぁ、また産みの苦しみの時間がくるんだ」と思うと大変なんですけど、本番へ向かってワクワクする時間でもありますね。
関本 ネタは書いてるんですが、未完成な部分がやっぱりあるので、それをブラッシュアップしています。2人とも、“自分がこう動いたら面白くなる”みたいな表現力や、僕の足りないところを補ってくれる力がスゴいので頼りになりますね。
純吉 やっぱり「キング・オブ・コント」みたいな賞レースがちらついちゃうので、それに向かっていいものができたらと思いますが、まずは来てくれるお客さんが満足して帰ってくれる内容にしたいなと思っています。
取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
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公演概要
イノシカチョウ単独ライブ「13歳」
日時:6月9日(日)開場20:45/開演21:00
場所:よしもと漫才劇場
チケット:前売 1,300円/配信 1,200円
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