鹿児島県大崎町出身の天竺鼠・川原克己が、「大崎町ふるさとPR大使」に任命されました。昨年、ロケで大崎町役場を訪問した際は、東靖弘町長から「PR大使の候補としてみなすことを検討しつつある」と微妙な言い回しでかわされていた川原でしたが、その後、町の公式YouTube のコーナー「大崎ゆうちゅ~部」などでの活躍が認められ、晴れて、満場一致で任命が決定したとのことです。11月12日(金)に、出身校である町立大崎小学校で盛大に(?)就任式が行われました。
リサイクル日本一の町をPRしたい
就任式当日、式典会場で役場の職員らに出迎えられた川原ですが、集まった多くの報道陣を見て「正装の“なすび”をかぶる」と、なすび姿に着替えます。そして、いよいよ東町長から「大崎町ふるさと大使第1号を任命します」と委嘱状を渡されると、川原は一言、「お断りします」。のっけから思わぬ展開に、会場は笑いで包まれました。
「恩返しのつもりで頑張りたい。大崎町はSDGsにも力を入れている町で、12年連続で、資源リサイクル率日本一になっています。新しいPRの仕方も考えていきたい」
ふるさとPR大使としての意気込みを、こう語る川原。そのリサイクルの象徴でもあるペットボトルから作られたポロシャツが贈呈されるなど、町の特色がよく表れた就任式となりました。
その後の囲み取材で改めて感想を求められると、「ふるさとPR 大使になったということで、今後のギャラがどうなるか知りたいです」と笑いを誘い、「夢は、大崎に僕の美術館を作って、県外からも多くの人に来てもらうことです。ただ、その際のギャラがどうなるか知りたいです」と川原流のジョークで喜びを語りました。
“変な町”に興味を持ってほしい
就任式を終えた直後の川原に、ふるさとPR大使になった心境や今後の展望を聞いてみました。
――「大崎町ふるさとPR大使」の話を聞いたとき、どう思いましたか?
町長は正気かなと思いましたよ。大丈夫かなって。でも、さすが僕を育ててくれた町やな~とも思いました。まあ、びっくりしたし、心配しましたし、ワクワクもしましたし、すべての感情がありましたね。嬉しいし、もちろん責任もあるし、怒りもありましたね……! なんか腹立ってきたなぁ……! すべての感情が爆発して、新しい感情が生まれました。でも、それは一言では言えない感じですよね。いい意味ですけど……腹立ってきたなぁ……。
――大崎町公式YouTube「大崎ゆうちゅ~部」でグルメロケなどをしていますが、芸人になって仕事で地元を巡ったのは初めてでは?
鹿児島のテレビは何年か前にレギュラーがありましたけど、がっつり実家のある大崎町っていうのは初めてです。ほんと、実家の目と鼻の先で、ロケをしているすぐ向こうでは両親が横になっていると思ったら、なんかね、不思議な……腹も立ってきますね。うれしはずかし……腹も立ってくるなぁ……!
――大崎町をPRすることで、改めて知った町の魅力はありますか?
住んでいたとは思えないくらい、知らないところが多くて。今回、「大崎ゆうちゅ~部」で、こんなに面白い人や、ユニークな商品づくりにこだわっている人がいるんだと知って、いい意味での“バカ”がいる町だと思いました。マンゴーづくり一筋の善種さんとか、海亀守人の下野さんとか、本当に不思議な人たちに出会えました。
――「おおさきゆうちゅ~部」での善種さんと川原さんの絡みも面白かったですね。
本当に妖精のようで、不思議な人たちですね。さっきは、ふるさとPR大使になって大崎町に美術館をつくりたいと話しましたけど、最初にやるのは、もしかしたら海亀守人の下野さんとマンゴーの善種さんの2人だけのトークショーかもしれないですね。
――そこに川原さんは出ないんですか?
僕は裏でこっそりですね。大崎町には、特産物やおいしいものもいっぱいあるんですよ。そういうものをたくさんの人に知ってもらうのはもちろん、僕をPR大使にしてくれたんでね、いい意味で変な町だな、ちょっと行ってみようかなと思われることができたらなと思います。あと、10年後、20年後の町長もしてくださいって、東町長に言われたんですよ。まあ、お断りしましたけど。
大崎町はユニークなアートとか、SDGs(持続可能な開発目標)にも取り組んでいます。僕は「Poten Hit」っていうブランドで服やグッズを作っているんですが、SDGsのなかに「作りすぎない」っていう項目があるんですね(SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」)。それで僕も受注販売にしようかとか、自分ができることをやっているので、大崎町のSDGsにも興味があります。さっき、ペットボトルで作ったシャツを着させてもらったんですが、そういうのをグッズにしたり、いろいろ考えていきたいと思います。
――今回、川原さんが「大崎町ふるさとPR大使」に就任したことについて、相方の瀬下豊さんは何か言っていましたか?
いや~、彼は脳みその大きさがグミくらいしかないので、何も考えてないと思いますね。でも、うらやましいとは言っていました。彼は鹿屋市という隣の市の出身ですが、そこはサンシャイン池崎がPR大使をしているんです。まあ、鹿屋市と大崎町で変な奴らがPR大使をしているので、そこはちょっとうらやましそうでしたね(笑)。
――ファンにも川原さんのルーツを探る旅で遊びに来てほしいですね。
知り合いのおじさんに聞いたんですけど、海に行ったら、ずっと1人で座っている女の子がいたらしいんですよ。それで、心配になって声をかけたら、福岡の子で「天竺鼠の川原さんのファンで、YouTubeを見て来てみました」って。そんな感じで大崎に来てくれる人もいるので、あとはもうちょっと「こんなところがあるんだよ」とスポットを教えてあげたいですね。
大崎町役場の公式YouTubeはこちらから。