45歳で早逝した故・笑福亭智六の追善落語会にゆかりの噺家が集結「もうちょっと生きててほしかった」

持病の悪化によって45歳で逝去した落語家の笑福亭智六を偲んで、7月5日(金)に大阪・天満天神繁昌亭で「笑福亭智六追善落語会~智六と愉快な仲間たち~」が行われました。師匠の笑福亭仁智を筆頭に、仁智一門と親交のあった落語家たちが集結。笑いを交えながら、誰からも愛されるキャラクターだった智六との思い出を振り返りました。

出典: FANY マガジン
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酒好きで「粗相の話しかない」!?

5月29日(水)に亡くなった笑福亭智六は、2007年に笑福亭仁智に入門。天満天神繁盛亭をはじめ関西を中心に活躍していました。陽気で明るい口調が特徴で、「動物園」「相撲場風景」を十八番として、独特な世界観のある創作落語も人気。一門の垣根を越えて、多くの噺家とも交流を深めました。

追善落語会が行われたこの日、天満天神繁昌亭の入り口には智六の遺影が飾られた祭壇が設けられ、生前に智六が愛用した帯や羽織紐などが並べられていました。

落語会は弟弟子の笑福亭大智の高座から始まりました。大智は「いろいろお世話になりました」と、同年代だった智六との思い出を振り返り、「お兄さんがよくされていた噺を」と、智六が得意とした「動物園」を口演。「(話の中に)お兄さんみたいな人が出てくるんです」と、生前の智六をイメージさせるように明るく朗らかに演じました。

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続いて笑福亭智丸が登場。智六が住んでいた家に幽霊が出るというエピソードで盛り上げます。また、智丸が仁智一門に入門して1週間後には、智六とともに天満天神繁昌亭近くの公園でよく飲んでいたというエピソードを披露。智六の面倒見のよさも垣間見えました。

ネタは「色事根問」。こちらは智六が地方公演で披露し、桂梅團治に「いちばん会場を盛り上げた」とほめられたネタとのことでした。

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兄弟子の笑福亭智之介は「今日の会は、もともと智六が仁智門弟会として予定していたものです。智六最後のプロデュース公演です」とあいさつ。酒好きだった智六について、「粗相の話しかない」と、会場から驚きの声があがるほどのエピソードを明かします。

そして、智六の十八番だった「相撲場風景」を口演。ネタ中、「あの人知ってるか、噺家で笑福亭智六いいまんねん」と愛のあるアドリブで沸かせました。

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笑いながらも涙をふくファンも

中入り後は、仁智、智之介、智丸、大智の仁智一門と、桂ちきん、笑福亭飛梅、桂福枝の通称「智六友の会」の3人が登場し、トークで智六を偲びました。

弟子や「友の会」の3人の話では、智六の気さくで豪快な人柄が見えてくるのですが、「まるで別人の話を聞いているよう」と仁智。師匠の前ではきっちりしていたようで、まったくその片鱗を見せなかったそうです。

ベースを弾いていたこと、絵がうまかったことなど、落語以外の才能にも恵まれていた智六。次々と飛び出す生前のエピソードに、笑いながらも涙をふくファンの姿も多く見られました。

出典: FANY マガジン
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最後は仁智の落語です。マクラでは「トークでいろいろ聞いて、智六は個性的だし、友だちも多かったみたいで、初めて知る一面もありました。もうちょっと生きててほしかったです」と早すぎる弟子の死を悼みました。

ここで、仁智も智六とのエピソードを披露。SE(サウンドエフェクト)を多用する「多事争論」という自身の創作落語では、智六が絶妙なタイミングでSEを流し、「弟子の中では、いちばんうまかった」と話しました。

出典: FANY マガジン
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そして創作落語の「源太と兄貴」を熱演。この日のトークで飛び出した智六のエピソードをアドリブで取り入れ、大きな笑いを誘いました。

幕が閉まる前には、仁智一門が高座に並び、深々と頭を下げ、生前の智六を愛してくれたファンに感謝の気持ちを伝えました。