“盟友”野性爆弾＆シャンプーハットが“芸歴30周年”ライブツアー! 「隠居したら同じアパートで…」

今年4月にそろって芸歴30周年を迎えたシャンプーハット（恋さん、てつじ）と野性爆弾（くっきー！、ロッシー）。この記念すべき節目を祝うべく、東京・福岡・大阪の3都市で、初となるツーマンライブ『〜芸歴30周年記念〜野性爆弾×シャンプーハットツアー』の開催が決定しました。デビュー以来、公私ともに変わらず“仲よし”な4人が、いったいどんな舞台を見せてくれるのか――思い出話が盛り上がりすぎた7月12日（金）の取材会の模様をレポートします！

「1個のジュースを4人で吸うとか」「めちゃくちゃええやん！」

これまで東京では野性爆弾、大阪ではシャンプーハットがそれぞれ単独イベントを行い、お互いをゲストとして招き合ってきた2組。

今回のツーマンツアーはくっきー！が言い出しっぺで、「何となくそんな話はしてたけど、そのまま流れていくんかと思ったら、早めに（会社に）言うてくれた」と恋さん。くっきー！は「1組でやるのは恥ずいなと思って、同期というか、いちばんのツレ（友だち）とできたらいいなと声をかけさせてもらった」と経緯を明かします。

ツアーでは、9月の東京公演（ルミネtheよしもと）は野性爆弾、12月の大阪公演（なんばグランド花月）はシャンプーハット、そして11月の福岡公演（よしもと福岡大和証券劇場）は2組共同で企画を担当し、3公演ともまったく違う内容のライブになる予定です。

詳しい内容はまだ決まっていませんが、恋さんはこう言います。

「東京は野爆がメインで担当するので、何をやるか我々も楽しみ。大阪で我々が毎年やっている『シャンプーハットの漫才祭り』では10年以上、野性爆弾に同じ漫才をしてもらってるんですけど、今回はもしかしたらコントをリクエストできるかなとも考えています」

『漫才祭り』ではロッシー考案のゲームコーナーが恒例となっているため、その“30周年バージョン”が爆誕する可能性も！？

そのロッシーは30周年でやりたいこととして、「1個のジュースを4人で吸うとか、やったことないことをやってみたい」とほっこり企画を提案し、恋さんが「めちゃくちゃええやん！」とノリノリで返すひと幕もありました。

幻のユニットコントも復活！？

過去には4人でユニットコントをやったこともあるそうで、その復活にも期待が高まります。

恋さんは、もし今回やるとしたら「俺、ツッコみたいわ〜」と志願！　吉本新喜劇で「いや、何してんねん！」とツッコミが入り、暗転するシーンに憧れているそうで、「あれやりたかってん」とリクエストすると、ロッシーは「恋ちゃん、やろうよ！　楽しみにしてください！」とさっそくアピールしていました。

さらに、くっきー！からは「4人でロケに行って、それを延々流すだけ」というまさかの案も。てつじから「それもう配信や（笑）」と却下されましたが、「なんなと面白いことを考えたい」と、まだまだアイデアは尽きない様子のくっきー！でした。

くっきー！が恥ずかしがる“てつじとのいい話”

付き合いが長いだけあって、思い出話もたっぷり。歯科系専門学校の同級生で、一般オーディションから吉本入りしたシャンプーハットは、右も左もわからなかったとき、野性爆弾から声をかけられて友だちに。そこから多くのNSC大阪の同期を紹介され、劇場の雰囲気になじむことができたそうです。

当時のくっきー！は、「サスペンダーしてドクターマーチンのブーツ履いて、“音楽しにきてるんですか？”みたいな」（てつじ）ルックス。一方、恋さんも「夏でもくるぶしまである豚革のコートを着て、髪の毛もロング」（ロッシー）といういでたちで、なかなかの個性派同士だった様子。特にそろって背が高くオシャレだった野性爆弾は、ショップスタッフや音楽関係のファンも多かったそうです。

そのくっきー！は、芸歴10年目ぐらいで一度、「やめようかな」と思ったことがあったとか。それを全力で止めたのがてつじで、「芸人っていう肩書きなんか関係なく、別の道に行っても一緒に面白いことをしたい」と熱く語りかけたといいますが、「このエピソード、どこでもしゃべってくれないんですよ……」とチクリ。

くっきー！は「すいません。やっぱええ話って、ちょっと照れくさいじゃないですか」と恥ずかしそうに話していました。

互いの成功を喜び合う関係

お互いのいいところを聞かれると、「ロッシーもくー（くっきー！）も実は真面目。くーは僕が結婚したときも、結婚式とは別に、僕の奥さんとくーの彼女……いまの奥さんと4人でお祝いしたいからって、いろいろ特別なことをやってくれた」とてつじ。

恋さんは、若き日のロッシーがカツアゲされた事件を暴露し、犯人をつきとめようとくっきー！らとともに張り込みをした青春エピソードを紹介。しかし、ロッシーはなぜかそこから違う話に着地させてしまい、おなじみの天然ぶりに一同大爆笑となっていました。

くっきー！は、シャンプーハットを評して「お笑いに誠実」とひとこと。シャンプーハットが同期のなかでいち早く劇場トップメンバーになったときは、「ふつう、嫉妬するじゃないですか。でも、シャンプーにはなかったなあ。上に行ったんだってうれしかった」としみじみ振り返ります。

ロッシーは「シャンプーは、ずっと応援してくれてました。僕らはやっぱちょっとインディーなイメージやったけど、野爆はおもろいから頑張れ、頑張れと」。これを聞いたてつじは、「だから、東京で（野性爆弾が）ブレークしたときは、それ見たことか！　言うてたやん！　って思いました」とうれしそうに話しました。

「俺はこの30周年にかけてるんで」

くっきー！と恋さんは、アーティストや漫画家としての活躍もめざましく、今回のポスタービジュアルも2人の手掛けた似顔絵が使われています。恋さんの手で見事にデフォルメされたくっきー！は「人の気持ち考えてんのかなと思います」とポツリ。かたやロッシーは「ちょっと何かやってよ。加工ゼロやん」と別方向からのクレームを投げかけます。

とはいえ、恋さんが「20代から描いてるけど、うまなったなあ。プロのイラストレーターみたい」とくっきー！を絶賛すれば、くっきー！も「恋ちゃんって、めっちゃ似さすよな」と褒めるなど、アートの世界でもよき仲間、よきライバルのようでした。