どうもこんばんは、芸人ライターの翠星チークダンス・木佐です。
今年で30周年を迎えたテンダラー(白川悟実、浜本広晃)の記念ツアーが、6月から始まりました。「テンダラー結成30周年記念公演 漫才会in大阪」と銘打った初日の大阪公演は、6月28日(金)になんばグランド花月(NGK)で開催され、チケットは即日完売、もちろん満員御礼の盛況ぶり! オープニングから圧巻の80分間ノンストップ漫才は、1分間に何度も笑いと拍手が起こり、終始、観客を爆笑の渦に巻き込み続けました。
そんな漫才の達人であるテンダラーですが、じつはネタの途中で思わず続けられなくなってしまう、まさかのハプニングもあって――!?
アイドルさながらの大歓声
テンダラーのコンビ結成は1994年6月。関西では誰もが知る大阪を代表する漫才師で、2011年にフジテレビ「THE MANZAI」で決勝進出し、大会顧問のビートたけしから太鼓判を押されたことで一躍、全国区に。2015年には第50回上方漫才大賞を受賞し、いまや確固たる地位を築き、押しも押されもせぬ人気漫才コンビとなりました。
2023年には、その年に始まったベテラン芸人たちによる賞レース「THE SECOND」のグランプリファイナルに進出し、大活躍したことも記憶に新しいところです。
そんな実力派の2人の「30周年記念公演」ですから、観る前から期待値が上がります。
開演時間になって、鳥肌が立つと同時に笑ってしまいそうになるぐらいのカッコよすぎるオープニング演出から始まり、2人が登場すると、満席の客席からアイドルさながらの大歓声が!
ネタの話題を切り出せないほど度重なる女性ファンからの「カッコいいー!」というラブコールに、「もう漫才やらんでもいいかな」と笑わせました。
「80分」ノンストップの神業漫才
いよいよネタが始まると、大定番の「お客さんの顔を見れば、どんなネタをやればいいのかわかる」というツカミにファンは待ってましたと拍手喝采で、そこから80分のノンストップ漫才を披露しました。
テンダラーの漫才の最大の特徴は、なんといってもテンポのいい掛け合い。達人級の掛け合いで、さまざまなボケのラッシュを観る者に浴びせていました。
ふつうの漫才師なら、1つのテーマでなるべく長くネタをやろうとするものですが、テンダラーはコロコロと話題や場面を変えて、あえて膨らましたりしません。1テーマで続けるほうが、笑いを積み上げて持続させられるので、本来、やりやすいのですが、それをしないのが、テンダラーの技術が可能にさせる凄みでもあります。
贅沢に美味しい部分だけを味わえる極上の漫才に、観客は舌鼓を打ちました。80分の漫才でしたが、密度は440分ぐらいあったように感じさせられました。
ノンストップで80分間も漫才をすると、どれだけネタが面白かったとしても、お客さんは疲れてしまいそうなものですが、そこは流石の実力で客席を湧かせ続けていました。
“攻めたネタ”にシークレットゲストのやすともが困惑!?
2人とも50歳を超えているということもあって、ネタの中で走って追いかけるシーンでは、体力が追いつかず息切れする場面も。ここで珍しいハプニングが起きました。
60分を超えたあたりで、苦しそうな顔で「もうしんどいかも……」と漏らした白川を見て、浜本が思わず笑ってしまってネタを続行できなくなってしまったのです。見かねた浜本が「一服するか?」と言葉をかけて、笑いに変えていました。
今回、披露したネタは漫才2本(そのうち1本が怒涛の80分!)とコント1本。この30周年記念のイベントを締めくくるラストの漫才は、テンダラーの代名詞ともいえるあの“伝説のネタ”でした。浜本の冒頭のセリフから、すべてを察した往年のファンたちからは拍手と歓声が。すべてのボケがドカン、ドカンと客席を揺らしていました。
また、ふだんは見ることのできないテンダラーのコントでは、ネタの途中にシークレットゲストとして海原やすよ ともこが登場し、客席からどよめきが起こりました。そこから、やすともの2人がアンバサダーを務める「大阪市プレミアム付商品券」や、過去に出演した“恥ずかしCM”などのイジリを盛り込んだネタで大盛り上がり。やすともの2人が困惑する様子に、観客たちも大喜びでした。
エンディングでは、1分間の鳴り止まない拍手に「5年後の35周年もできるように頑張らないと」と応えた2人。ツアーは今後、広島、名古屋、東京とまわり、12月25日の千穐楽で再びNGKに戻ってきます。9月には、「20周年」以来の10年ぶりとなる米ロサンゼルス公演も開催します。
「圧巻」という言葉がここまで似合う漫才師はテンダラーぐらいじゃないでしょうか。あなたも日本トップクラスの圧巻の漫才を、ぜひとも生でご覧ください!
公演概要
『テンダラー結成30周年記念公演』
■「テンダラー漫才会in広島」
日程:8/24(土) 開場13:00/開演14:00
会場:中国新聞ホール
チケット:前売4000円、当日4500円
■「テンダラー漫才会inロサンゼルス」
日程:9/19(木) 開場18:30/開演19:00
会場:James Armstrong Theatre
チケット:前売30ドル 当日40ドル
■「テンダラー漫才会in名古屋」
日程:10/12(土) 開場17:00/開演17:30
会場:中電ホール
チケット:前売4000円、当日4500円
■「テンダラー漫才会in東京」
日程:12/13(金) 開場18:30/開演19:00
会場:浅草公会堂
チケット:前売4000円、当日4500円
■「THE FINAL」
日程:12/25(水) 開場18:30/開演19:00
会場:なんばグランド花月
チケット:前売5000円、当日5500円
FANYチケットはこちらから。