こんばんは、芸人ライターの翠星チークダンス・木佐です。私も出演した「イオンモール×よしもと SDGsどない?トーク」が、10月14日(月・祝)に京都市のイオンモールKYOTOで開催されました。このイベントは、2030年までに「SDGs」の目標達成をするために、少し難しいテーマである「SDGs」のことを吉本芸人が楽しく面白くトークし、お客さんと一緒に考えよう、というもの。「SDGs」という言葉は知っているけれどよくわからないという方にとって、親しみやすい内容となりました。
スーマラ・田中「僕、SDGs反対派なんですよ!」
この日は2回公演で、1回目はスーパーマラドーナ(武智、田中一彦)と翠星チークダンス(木佐、ちろる)が、2回目はロザン(宇治原史規、菅広文)と翠星チークダンスが登場しました(MCはいずれも木尾モデル)。イオンモールKYOTOでは「イオン食品ロス削減月間」を実施中で、今回のイベントでもフードロスや食育を中心にディスカッションが行われました。
1回目のオープニングでは、出演芸人たちが日ごろから「SDGs」のためやっていることを聞かれ、いきなり田中が「僕、SDGs反対派なんですよ!」と豪語! 「テッテレ〜!」というお馴染みの掛け声とともに、ジャケットの下に2本巻かれたベルトを見せて、「不必要な資源を使ってる」とさっそく会場を盛り上げます。
テーマは「日本でゴミ食材を食べるか」!?
メインイベントの「世界のSDGsってどない?ディベート」では、海外の「SDGs」の取り組みを日本でも取り入れるべきかどうかを、芸人たちが賛成派と反対派に分かれて討論します。
最初のお題は「ゴミを食材とするレストラン」。デンマークの首都コペンハーゲンにあるレストランでは、かたちが悪くて売れない農作物や、スーパーなどで賞味期限切れになった商品などの寄付を材料にして、1年半で約3.5トンもの「ゴミ」を生き返らせることに成功しているそうで、この取組みを日本でもやるべきかどうかを、賛成派(田中、木佐)、反対派(武智、ちろる)でディベートしました。
まず賛成派の意見を聞かれると、田中は「木佐、言ったれ!」とあくまで他力本願。わたくし木佐が「実際に成果が出ているから取り入れるべき」と論陣を張ると、反対派の武智が「お腹を壊したらどうするんだ」とすかさず反論します。
そこで「腐ったものを使うわけではないので、お腹を壊すリスクは一緒」と返すと、ちろるが「そもそもゴミを食べたくない」と根底から否定するなど白熱した議論になりました。
これに田中が「そんなこと言ったら、もったいないオバケが出るよ」と舞台上をオバケになって徘徊しだしたところで、「この時間がもったいないわ!」と木尾からツッコミが入ってディベートは終了。観客からの拍手の量で賛成派の勝利となりました。
そのほか、アメリカの学校給食で採用されている「シェアテーブル」という取り組みについても熱い議論が。生徒が食べられないものをテーブルに置くと、ほかの生徒がそれを食べて無駄がなくなるという仕組みで、難しいテーマながらも、ギャグや過去の苦労話も相まって、笑い声に包まれながら1回目が終了しました。
ロザン・宇治原vs菅も白熱
2回目のオープニングでは、ロザン・菅がいきなり「日ごろからSDGsのすべてをやっている」と切り出すと、「それに引き換え、相方の宇治原はSDGsが何かもわかっていない」と批判します。すると宇治原が「持続可能な開発目標、Sustainable Development Goalsや!」と正式名称をサラリと言ってのけ、客席から大きな拍手が起こりました。
この回のディベートのテーマは、まずは「食品シェアアプリ」についてから。イギリスの食品シェアアプリ「OLIO(オリオ)」は、ユーザーが食品の写真を撮り、説明を書いてアプリにアップロードすると、その食品がほしい近隣住民とマッチングして、食品を受け渡すことができるサービスです。
賛成派(宇治原、木佐)、反対派(菅、ちろる)に分かれて並びを見た瞬間、「参りました」と頭を下げる菅ですが、いざ討論が始まると、客席を見渡して「恐らく今日いる人たちはアプリの操作ができません」と普及の難易度を指摘しながら笑いを誘う、堂々とした演説ぶり。
「買ったもののどうしても食べきれなかった経験ないですか?」という宇治原の問いかけにも、「ご近所付き合いイヤですよね?」と菅が会場をあおると、客席からなぜか大きな拍手が起こり、反対派が勝利をもぎ取りました。
スティーブ・ジョブズばりの菅!?
続くお題は「24時間利用可能!困った人のための冷蔵庫」。インド南部にあるレストランでは、店の前に24時間、誰でも自由に開けて料理を持ち出せる「冷蔵庫」が設置されていて、どうしても食事に困った人は、この冷蔵庫から料理を取り出して食べることができます。
当初は、お店で余った料理を入れていましたが、いまでは近隣の飲食店から提供があったり、地域の人々が差し入れをしたりするようになったそうです。
このテーマの賛成派は(宇治原、ちろる)、一方の反対派は(菅、木佐)です。宇治原が「日本の飲食店で実施するなら、店側が責任を持って管理するから安心」と意見すると、菅はスティーブ・ジョブズばりに舞台を広く歩き回って、こうまくしたてます。
「何もしなくてもゴハンが食べられるようになっても、皆さんは働きますか? 顔を見ればわかります。皆さんは働きません! 今日も無料だから、このイベントを見に来てるだけ!」
これが観客の心をつかみ、またしても菅率いる反対派が勝利!
まさかのディベート全敗となった宇治原が「次はSDGsクイズにしてください」と悔しさを露わにしながら、笑いの絶えないトークディスカッションは幕を閉じました。