M-1ファイナリスト・ダイタクが語る“伝家の宝刀”の悩み…過去最大規模ライブ開催で「自己紹介しなくていい漫才師になりたい」

『M-1グランプリ2024』でラストイヤーにして初のファイナリストとなった双子の漫才師・ダイタク(吉本大、吉本拓)。そんな2人の過去最大規模となる主催ライブ『ダイタクの伝家の宝刀』が、2月20日(木)に東京・有楽町よみうりホールで開催されます。初のM-1決勝を経てどんなライブになるのか――今後、全国でライブ開催していきたいという2人に意気込みを聞きました。

出典: FANY マガジン
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初のM-1決勝「結果は妥当かな」

結成15年、ラストイヤーにしてとうとう『M-1グランプリ2024』の決勝進出を果たしたダイタク。2人は「2025年は全国いろいろなところでライブをやっていく」と話していて、そのスタートとなるのが今回の『ダイタクの伝家の宝刀』です。まずは、終わったばかりのM-1の感触から聞きました。

――初のM-1決勝の舞台では、どんな気持ちでしたか?

吉本大(以下、大) 出番前は何のネタをやるかずっと悩んでいて、本番中も、あっちのネタのほうがよかったかなぁとかいろいろと思いながらやってました(笑)。終わったあとは、あと1回でいいから決勝でネタやりたかったなぁと思いましたね。

吉本拓(以下、拓) 僕も、出番前はどのネタにしようかずっと考えて、出順が何番だったら、誰のあとだったら、ということで頭がいっぱいでしたね。本番中は、別のネタをしたらどうだったかなぁと思ってやっていました。出番後は、あぁ終わったなぁ、まぁ出れてよかったなぁ、と。直後すぎて、悔しいとかはなかったですね。

――結果(ファーストラウンド820点で第7位)については?

 まあ、こんなもんだろうなと。あっという間に終わってしまったと同時に、これでM-1に縛られない自由なネタができるようになるなと、いろんな感情が生まれてきました。

 結果は妥当かな。あのネタも、このネタもやってみたかったなぁ。

出典: FANY マガジン
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──M-1を経て、当面の次の照準は過去最大規模の主催ライブ『ダイタクの伝家の宝刀』になると思いますが、そもそもどんな経緯で開催することになったのでしょうか?

 M-1決勝に初めて行かせてもらえることになったときに、マネージャーから「よみうりホールをとりました」という連絡が来て、「じゃあ、とりあえずダンビラムーチョだけおさえてくれ」と伝えました。なので現時点で出演者は、われわれとダンビラムーチョしかまだ決まってないです。

 いままでこんな大きなホールでやることはなかったのでね。まだ何も決まっておりませんが。

 すごく楽しいライブになるというふうに想定しております、はい。メンバーもまだ練っているわけじゃないんですが、ワラバランス、キンボシあたりが中心メンバーになるんじゃないかと思っております。

 出すな、名前を!

──大さんは「2025年は全国でライブをやっていこうと思っています」とコメントしていましたね。

 今年初めてルミネtheよしもと以外の祇園(よしもと祇園花月)と福岡(よしもと福岡 大和証券劇場)で単独ライブをやらせてもらったんですけど、そのときにいろんな方に喜んでいただいたので。いつか全国で単独ライブや主催ライブをやって、その土地のおいしいものとおいしいお酒を前乗り後泊でできたらな、なんていう夢ができまして。せっかくM-1決勝に行く機会があったので、多少知名度を持って臨めるのであれば、全国回りたいな、その足がかりになればな、というライブですね。

 まだ詳細は言えないんですけど、このライブで発表できたらな、という気持ちではあります。

出典: FANY マガジン
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「これっぽちのボケ」が「伝家の宝刀」に

──ライブタイトルを『伝家の宝刀』にした理由は?

 一度、ユルいタイトルを送ったら、ライブ制作の方に「ちゃんとつけろ」と怒られたので、僕らの漫才のつかみでよく言っている言葉にしました。

 僕らの最近のパワーワードをタイトルにした感じですね。

 そうですね、このつかみが本当の“伝家の宝刀”になればいいんですけども。

 できたのは2、3年くらい前だっけ。

 3年くらい前。ライブの平場でよく「僕が年齢今年39歳、お前は?」「一緒だよ」とか、「僕、熊本出身なんです、お前は?」「一緒だよ」とかやってたんですよ。で、あるとき僕が刀を抜くポーズをしたんですよね。そこで「いや、これっぽっちのボケを伝家の宝刀みたいに言うなよ」みたいなのがウケたので、漫才のつかみで入れてみようと。そしたら若手の劇場ではぼちぼちウケて、ルミネでやると「何やってんだこいつら」みたいに見られて、という感じなんですけど。

 知ってる人の前だけウケる。

 M-1の予選でもウケて、この2、3年は僕らのつかみといえばこれ、という感じになってるんです。

周囲が喜んでくれるのが本当に嬉しかった

──ラストイヤーを迎えて、改めておふたりにとってM-1はどんな存在でしたか。

 TVerで『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日)の囲碁将棋さんがM-1についてコメントを寄せている回を見たんですけど、僕らも囲碁将棋さんに近い感覚で。5、6年目から、いろんな方に「絶対このまま続ければ決勝行けるよ」とずっと言われてたんですよ。でもなかなか行けず、後輩が次々行って、だんだん焦りも強くなってきて、この2、3年は準決勝でウケたのに行けない経験もして、「もう縁がないのかな」と諦めかけていたんです。M-1にそこまで思いを寄せていると、ほかのことができなくなってしまうから、考えてないフリをしていたというのが正直な気持ちです。

出典: FANY マガジン
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 今回、決勝が決まってめっちゃ嬉しかったんですけど、自分の喜びより、行けると期待したり、応援したりしてくれてる人が喜んでるのが本当に嬉しかったですね。だから恩返しの場所だなと思います。M-1が始まる前から芸人になりたいと思っていましたけど、M-1ができてしまった以上、目指さざるを得ない。でも、M-1の決勝に行っていなくても劇場でめちゃくちゃ笑いをとってる人はいっぱいいるんですよ。だからM-1だけがすべてじゃない。でも、その人たちも「M-1出たかった」と言っているので、(決勝に)出られてよかったなと思います。

──決勝が決まってからの反響はどうでしたか?

 みんな心配してくれてたんだなと思いますね。「ダイタクなら決勝に行かなくてもなんとか食っていけるか、でも行けるに越したことはないんだけどな」という空気を、劇場の方も先輩後輩も持っていたみたいで。だから、みんな「おめでとう」以上に「よかったね」と言ってくれました。

 若手の劇場とかだと、露骨にウケるようになりました(笑)。無限大ホールのお客さん、僕らのライブに来てくれるお客さんは、きっと僕らと同じくらい不安だったんですよ。特に僕らのファンでなくても、劇場に来てくれている人はみんな「ダイタク、ラストイヤーだけど行けるのかな」と思ってくれてたんだと思います。祇園花月の一見さんの前ではスベったりもしますけど、「いやいや、ファイナリストだから」と思ってます(笑)。

「伝家の宝刀」が必要のない漫才師になりたい

──「伝家の宝刀」はこれからも使い続けますか?

 裏側の話になっちゃいますけど、僕らって漫才の冒頭で自己紹介をしなきゃいけないんですよ。あんまりないじゃないですか、自分たちの名前と関係性を言ってからネタを始めるって。だから、紹介のあとにひとボケ入れて、拍手もらって漫才がスタートできれば、という気持ちで。

 ふつうのコンビは、いきなりボケから始まることもできるんですよ。でも僕らは1回、自己紹介してからやらないと自分たちも気持ち悪いし、お客さんが見ていて「え、双子なんだよね?」となるのがイヤなんでやるんです。この時点で5秒使ってるし。

出典: FANY マガジン
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 僕らも恥ずかしいんですよ。だから紹介しなくても、こっちが大でこっちが拓と認知してもらえたら最高ですね。やれることの幅も広がるし、自己紹介をしないことでできる漫才もありそうだし。

 うん。自己紹介しなくていいぐらいの漫才師になりたいですね。

――最後に、M-1を終えて今後の展望をどう考えていますか?

 今後は『THE SECOND』もあるし、毎年やっている単独ライブ、即興漫才のライブを、全国をまわりながらやりたいな。

 そうですね、単独ライブや即興漫才を今回で知ってもらった人に来てもらえるようになりたいですね。あと知名度をもっと上げられるように、テレビにもどんどん出ていきたい!


オフィシャルサイト 『ダイタクの家』はこちらから。
公式YouTubeチャンネル「ダイタクTV」はこちらから。

公演概要

『ダイタクの伝家の宝刀』
日時:2025年2月20日(木)開場18:00/開演19:00/終演20:30
会場:有楽町よみうりホール(有楽町1₋11-1 読売会館 7階)
出演:ダイタク、ダンビラムーチョ 他
料金:前売 4,000円/当日 4,500円
【一般発売】
発売日時:12月30日(月)10:00
チケット販売:FANYチケット

FANYチケットはこちらから。

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