月亭八方に“おねだり”されて中川家・礼二が古典落語を初披露! 得意の形態模写で会場から感嘆の声

月亭八方がゲストに演目をリクエストする公演『月亭八方のおねだり演芸会』が、1月23日(木)に大阪・天満天神繁昌亭で開催されました。急遽、決まったというこの日の寄席には八方のほか、里見まさと(ザ・ぼんち)、礼二(中川家)、月亭希遊が出演。まさとは講談をたっぷりと聞かせ、礼二は八方の要望を受けて落語を初披露しました。

出典: FANY マガジン
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ザ・ぼんちの里見まさとは講談を披露

まずは八方、まさと、礼二のトークからスタート。八方によると、この公演は急遽開催が決定し、まさとと礼二に声をかけたそうです。八方は礼二について前々から「落語をやったら……」と思っていたとのことで、今回それが実現したことに自然と表情がほころびます。

オファーを受けた際、礼二は二つ返事だったとか。八方はまず礼二の相方で兄の剛に話し、礼二によれば、剛は気軽に「行ってこい」と送り出したそうです。

トークはあらゆる方向へと枝葉を伸ばし、メディアでは語られない貴重なエピソードがいくつも飛び出します。また、会場に来ていた二丁拳銃・小堀裕之が舞台に引っ張り上げられる一幕もありました。

小堀は自身が創作した落語「ハンカチ」が2009年の「第2回上方落語台本大賞」で優秀賞を受賞した経歴の持ち主。今後の「おねだり演芸会」出演者としても有望視されています。

開口一番をつとめたのは八方の孫弟子の希遊。ネタは「(八方)師匠にほめてもらった」という自らの創作落語『幼稚演児』です。お遊戯会で『桃太郎』を演じることになった園児たちが大人の顔負けのプロ意識で芝居に挑む姿をにぎやかに描いた一席で盛り上げました。

続いて、6年ぶりに天満天神繁昌亭で講談をするというまさとは、登場するなり舞台の端から端へ移動。「めったに見られない着物姿を見てもらおうと思って」と話して笑いを誘います。

出典: FANY マガジン
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まさとはまず、大きな声でリズミカルに読む講談の基礎演目『修羅場(ひらば)読み』で調子をチェック。この日のネタは和歌山が舞台の『紀州』です。徳川御三家の説明なども挟み込み、「ちょっと勉強になりましたね~。すぐ忘れてください!」と繰り返すまさと。軽妙なトークも織り交ぜながら、たっぷりと聞かせました。

八方「礼二に弟子入りしようかな」?

後半は礼二からスタート、鉄道好きの礼二らしく、出囃子は「線路は続くよどこまでも」です。八方から借りたという着物姿で口演したのは古典落語の一席『親子酒』。マクラでは「大阪でヘンなおっさんを見るのが好き」と話し、約20年前に遭遇したヘンなおっさんのエピソードで爆笑を起こします。

そこから、すっと落語の世界へ。初めて披露するとは思えぬ演出に、会場から感嘆の声が漏れます。酔っ払いの父親と息子がそれぞれくだを巻く場面では、割れんばかりの大声で好き放題言う礼二に観客は抱腹絶倒。一方で、女性を演じる際ははんなりとした色気も漂わせます。形態模写を得意とする礼二だけに、その実力を遺憾なく発揮して“初舞台”を終えました。

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トリは八方です。高座に上がるなり八方は「(礼二の落語を)袖で見て笑いました。上手やな~」と感心し、「中川家六二(ろくじ)の名前で弟子入りしようかな」と冗談も漏れました。

八方は、昨年、人間国宝に認定された浪曲師・京山幸枝若に浪曲を習っているそうで、この日は浪曲のネタを落語にした『紀文の船出』を披露。和歌の浦で廻船問屋を営む紀伊國屋文左衛門が、荒れ狂う時化のなか、船を出して江戸までミカンを届ける物語で、なぜか昭和歌謡を歌う一幕もありました。

途中、八方は「ここでひとつ浪曲をやろうと思いましたが……」と言い出しますが、しばらく黙ったあとに「……忘れました」とニヤリ。すぐに「思い出しました!」と言い、会場から拍手が起きます。

船が出航する場面では、体を使って荒れる海に立ち向かう漁師の姿を表現。また、嵐のなかでミカンが運ばれる様子を阪神タイガースにたとえて描くなど、最後まで沸かせました。

出典: FANY マガジン
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公演の最後に八方は「私も礼二くんを見習って頑張っていきます」と宣言。そして早くも、次の公演で誰にどんな“おねだり”をしようか構想を練っていました。舞台に顔を見せたまさとと礼二はほっとした表情を見せ、初の試みとなった「おねだり演芸会」は幕を下ろしました。

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