学生を対象とした吉本興業の3DAYインターンシップ「よしもと冒険」が、2月6日(木)~8日(土)に開催されました。今回、学生たちが体験したのは、吉本のビジネスの原点である劇場運営事業です。今年から関西でもインターンシップが実施され、関東と関西のそれぞれ個性の異なる劇場の舞台裏を学生たちが体験! 吉本の社員だけでなく、金属バット(小林圭輔、友保隼平)やヘンダーソン(子安裕樹、中村フー)、カゲヤマ(益田康平、タバやん。)といった人気芸人と交流しながら、 “笑い”を“仕事”にする現場を学ぶ3日間を過ごしました。

“Z世代”のお笑いファンをどう獲得するか?
今回、関東のインターンシップに参加したのは、多数の応募者のなかから狭き門をくぐり抜けた11人(男性7人、女性4人)です。
1日目は、メイン会場となる東京・渋谷にあるヨシモト∞ホールで、お笑いライブ『シブゴゴ!』『ワラムゲ』を観覧したほか、公演の準備やリハーサルの様子を見学し、星座庸子支配人から劇場事業についての説明を受けました。

2日目は、ヨシモト∞ホールで劇場スタッフを交えた座談会を実施。プロデューサー陣が学生からのバラエティに富んだ質問に答えたあと、最終日のワークショップの内容が説明されます。
そのテーマは「渋谷に若者を呼び戻せっ! ヨシモト∞ホールZ世代ファン拡大施策」です。渋谷の街もヨシモト∞ホールも若者が減っていると言われているなか、再び最先端の“お笑いカルチャー発信地”として若者で溢れる劇場にするための施策を考えます。

するとここで、カゲヤマの2人がサプライズ登場! 参加した学生からは「賞レースで結果を出すと劇場集客やお客さんの反応に影響はありますか?」「お客さんの雰囲気を見てネタを変えますか?」といった質問が飛び、カゲヤマにワークショップのテーマを考えるうえでのヒントを求めました。
2日目の締めは『ワラムゲ』を観覧。学生たちは、この日の疲れを感じさせないくらい、大きな声で笑っていました。

そして、迎えた最終日のワークショップ。初日に3つのチーム(「SKY’s」「維管束’s(いかんそっくす)」「椎S(しいえす)」)に分かれたインターン生たちがアイデアを出し合い、企画内容を詰めていきます。
社員たちもインターン生たちをサポート。質問に答えたり、アドバイスをしながら、ワークショップが円滑に進むようチームをアシストします。学生たちは黙々とPCに向かって作業していたかと思うと、次の瞬間には活発に議論を交わし、ときには笑いが起こったりと終始、和やかに進みました。
3チームが集客アイデアをプレゼン
いよいよプレゼンテーションがスタート! トップバッターは「SKY’s」です。
プロジェクト名は「クリスマスマーケットSHIBUYA∞」。「M-1グランプリ」決勝の時期に近い秋冬はライト層を取り込みやすいと考え、長期的なクリスマスイベントを開催します。ふだんはお笑いを観に行かない層に生でネタを見てもらい、劇場に訪れる敷居を低くすることが狙いです。
「SHIBUYA TSUTAYA」のイベントスペースなどでチケット制のクリスマスマーケットを開催し、“映える”コラボフードやドリンクを提供。そのチケットで∞ホールの入場料や∞ドームのカフェを割引することで、劇場に行ってもらえるように工夫します。また、若者に人気のある芸人とのSNS連動企画などを実施して、Z世代にとっても魅力的なマーケットにするという企画です。

続いてプレゼンテーションを行ったのは「維管束’s」。友だちを紹介することで劇場入場料が割引される「紹介∞プロジェクト」を発表しました。LINEギフトなどで友だち紹介サービスを共有し、誘う側、誘われる側双方の割引を実現し、お笑いは好きだけど劇場に足を運んだことのないライト層を劇場に呼び込むという試みです。
また、ライブでは記念撮影コーナーや芸人オススメの渋谷スポット紹介コーナーを設置。店舗と提携し、SNSで公演について拡散をしてくれた人に割引特典を付与するなど、初めて来たお客さんがリピーターになってくれそうな楽しい体験や、SNS戦略についてのアイデアも盛り込んでいました。
放送作家やプロデューサーが学生にアドバイス
最後のチーム「椎S」は、「笑育(しょういく)〜笑って育む、笑いを育む〜」と名付けられたプロジェクトを発表。SNSなどを利用してZ世代の顧客を獲得しても、それは「ブーム」であって「カルチャー」ではないと考え、「カルチャー」は短期間に築けないため、これから若者になる子どもたちに「教育×お笑い」を提供するというものです。
具体的には、お笑いが大好きな小中高生が芸人とユニットコントを体験し、低年齢の子どもでも楽しめる「α世代向けのお笑い養成所」を設置。また、学生の悩みを芸人と協力してコントの中で笑って解決するという「芸人版キッザニア」といったユニークな企画が次々と発表されました。

そして審査の結果、見事1位に選ばれたチームは「SKY’s」。星座支配人は「審査員全員バラバラの意見だったので、最後の1票だった私の選んだチームが1位になりました」と4人の意見が割れていたことを明かしたうえで、「みなさん、渋谷という街を巻き込んでくれてありがたいです。私たちにとっても勉強になりましたし、感謝しかないです」と笑顔で語りかけました。
審査に携わった放送作家やプロデューサーも、それぞれの企画の弱みや強化するべき点などについて、学生たちに有意義なアドバイスをしていました。

「もしあなたが劇場のプロデューサーだったら?」
一方、初の開催となる関西のインターンシップ参加者は8人(男性6人、女性2人)でした。
1日目は、メイン会場となる京都・よしもと祇園花月で、実際に呼び込みスタッフや場内案内スタッフを体験したあと、本公演を観覧。その後、公演終了後の客出しや清掃を体験してから講習会を行い、その日の感想などを話し合います。
祇園花月の橋本修支配人から、吉本が運営している劇場それぞれの特徴について説明がありました。祇園花月は、いわゆる“師匠”方から露出がまだ少ない若手まで分け隔てなく出演でき、思い切ったキャスティングも可能であることなどが説明され、「もしあなたが劇場のプロデューサーだったらどうする?」という今回のワークショップのテーマが発表されました。

2日目は本公演観劇とスタッフ体験のあと、劇場販売促進や、新喜劇の制作についての講習会を実施。前日に支配人から伝えられた「観劇しながら出演芸人のキャッチコピーを考えてほしい」というテーマに沿って発表会も行われ、支配人が「若者ならではの着眼点」と唸るシーンもありました。
祇園花月では、祇園の街並みを背景に出番終わりの芸人の写真をSNSにアップしています。今回は金属バットとヘンダーソンの撮影で、学生がチャレンジ! ここでも支配人が驚く出来栄えの写真があり、実際のSNS投稿で3,000を超える「いいね」を集めました。この写真は今後、ポスターに使用することが決まったそうです。

最終日には、「もしあなたが劇場のプロデューサーだったらどうする?」をテーマに、①新しい新喜劇の演出方法について②新喜劇ファンの拡大のために何をする?③劇場の販売促進案④自分でプロデュースする劇場イベント企画について考え、発表会が行われました。
8人それぞれが個性的な施策を発表!
関西では1人ずつプレゼンを実施。①については、「照明や幕間の音楽などを活用する」「幕間にハイライトを映し出す」「セットを映えるようなものにする」といった2日間の観覧から気づいたアイデアが出ました。
②は「子ども座員の育成」や「大学での講義で座長が語る」といた企画に加え、劇場YouTubeチャンネルの改善提案がありました。③は「紹介システム」など、すでに劇場でも実施はしている施策をさらに強化するアイデアが続出。
そして④は、学生たちがそれぞれの好きな芸人や好きなことを取り入れ、個性豊かな企画を提案しました。

橋本支配人は「参考にさせてもらいたい案がたくさんあった」と講評すると、プレゼンの巧みさ、インターン生のコミュニケーション能力の高さについても評価しました。一方、参加した学生たちは3日間の体験について、口々にこう語りました。
「お笑いが好きな人たちとずっと過ごすことって、こんなに楽しいんだって思いました」
「劇場は人と人とがつながる場所、出会う場所なんだなって実感しました」
「みなさんほど深くお笑いファンではなかったし、ライブを見たのも初めてで、すべてが新鮮で、よりお笑いに興味を持った貴重な3日間でした。お笑いがないと生きていけない体になってしまいました」
「『社員さんって何やってるんだろう』って思ってたことが、ぜんぶ解決してよかったです。将来、こういう仕事をやりたいなって思いました」
関東・関西いずれも、インターンシップに参加した学生たちだけでなく、吉本の社員も多くの刺激を受けた3日間になりました。

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