世界初のアニソンDJ芸人として活動するBANBANBAN(鮫島一六三、山本正剛)が、3月29日(土)に東京・歌舞伎町シネシティ広場でアニソンクラブイベント『アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~』を開催します。3月14日(金)、15(土)には、なんとアニソンDJとしての北米進出も決定! 波に乗る2人に、イベントにかける意気込みや、『ドラゴンボール』のフリーザのモノマネでお馴染みの山本がうつ病を克服した秘話など、たっぷり話を聞きました。

新宿で『シティーハンター』をかけたい
――『アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~』の目的は「アニクラ」(アニソンクラブイベント)という文化を広めること。当日はおふたりが率いるアニソンDJエンタメ集団「アニソンディスコクルー」に加え、多くのゲストアニソンDJたちが集結するんですよね。そもそも、2人が広めようとしている「アニクラ」とは何なのかについて教えてください。
鮫島 アニメソングがかかるクラブイベントで「アニクラ」です。ダンスミュージックの祭典であるEDMフェスティバルのアニメソング版をイメージしてもらえたらと思います。
僕らは当たり前に「アニクラ」と言っていますけど、まだこの言葉は世に広まっていないと感じています。歌舞伎町のイベント当日は「#アニクラ」をSNSのトレンドワードに入れてやろうという気持ちでいます。
──『アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~』では、2人がそれぞれDJをするんですか?
鮫島 山本はやらないです。僕がDJを回して、フリーザが前に出てお客さんを盛り上げます。
──コンビ芸なんですね!
鮫島 そうですね。2人でやっている強みと言いますか。僕が必死に選曲している間も、山本が前で盛り上げて間を持たせてくれるんで、すごくいいですね。
山本 フリーザでどんどんモノボケをしていきます。
鮫島 これがウケるんですよ(笑)。

──今回、会場に歌舞伎町シネシティ広場を選んだ理由を教えてください。
鮫島 実は2013年に、ここでアニソンの野外フェスに出させていただいたんです。そのときの盛り上がりや楽しさを覚えていたので、またやりたいと思いました。
山本 僕はアニメが本当に好きなんですけど、新宿といったら『シティーハンター』じゃないですか。その街でやれるのが嬉しいです。新宿で『シティーハンター』の曲をかけたら、めちゃめちゃテンション上がると思います。
鮫島 絶対かけるしかないですね。
山本 まあ、僕はそのときもフリーザの格好ですけど。
一同 (笑)
──イベントの魅力は?
鮫島 都市型というのは特徴ですし、フラッと入ってもこられるのが、いちばんの魅力だと思います。「アニクラ」に触れたことがない人にも、面白さをわかってもらえると思います。
最近だとアニソンはJ-POPとの境目がなくなってきていて、AdoさんやMAN WITH A MISSIONさんが歌っていたりしています。アニメオタクでない人でも、「意外と知っている曲が多かった」となると思いますね。
──イベントの資金はクラウドファンディングで集めるそうですが、目標金額はあるのでしょうか?
鮫島 目標金額は300万円です。開始10日で75万円が集まって、スタートはいいペースなのですが、ここからどうやって盛り上げていくかが勝負です。
──おすすめのリターンはありますか?
鮫島 おすすめは「BANBANBANを呼べる権」です。僕らが自らリターン購入者さんのところに出向いて、漫才やDJを披露します。お祭りやイベントでもいいですし、「飲み会に呼びたい」というのでもぜんぜんオッケー(笑)。
さらに、アニソンディスコクルーのメンバーから「おはようボイス」を届けるリターンも用意しています。フリーザからは「○○さん、起きないと殺しますよ!」と起こしてもらえます(笑)。

うつ病のときもフリーザとドラゴンボールが助けてくれた
──おふたりが世界初のアニソンDJ芸人になったきっかけも教えてください。
鮫島 僕らは2003年に結成したんですけど、2006年ごろにアニメ好きの山本が、フリーザのモノマネに目覚めたんですよ。いっぽう僕は、もともとロックが好きだったのでロックDJをやっていました。
それであるとき、先輩のダイノジ(大地洋輔、大谷ノブ彦)さんから「お前ら2人でアニソンDJをやったらどうだ?」と声をかけてもらって、始めたのが最初です。
――2人でできることを探して、アニソンDJにたどり着いたんですね。
鮫島 それで、2010年にアニソンディスコを初開催することになりました。当日は山本がDJをやって、僕はその前で踊る予定だったんです。ところが、山本がうつ病になって、急にイベントの2週間前から連絡がつかなくなったんですよ。
山本 頭がパカーンってなりまして……。
鮫島 戦闘力は高いんですけど、メンタルは低いんです。
一同 (笑)

──どうしてうつ病になってしまったのですか?
山本 もともと「素顔で売れたい」気持ちがあったのに、フリーザの芸をやりだしたら「殺しますよ」とか「部下にしてやろう」というセリフしか求められなくなったんです。フリーザのセリフしかウケなくて、さらに、それ以上のものを求められたときに、もうワケがわかんなくなって頭がパーンとなりました。
当時、居酒屋でバイトしていたんですけど、急に動けなくなって、その後のラジオの生放送にも行けなくて……。そこから周囲との連絡も取りたくなくなりました。
鮫島 連絡がつかなくなり、イベントは結局、僕が1人でDJをすることになりました。当時、アニソンはまったく詳しくなかったんですけど、オタクの知り合いに教えてもらって。そのときに「アニソンってこんなにクオリティが高いんだ」と思いましたね。

──結局、山本さんはイベントに来られなかったのですか?
鮫島 いや、それがオールナイトのイベントだったんですけど、夜中の2時ぐらいに会場に来たんですよ。
山本 「行かなきゃいけない」というのがあったんでしょうね。行きと帰りのタクシーしか覚えていなくて、現場では何をやったのか覚えてないですけど。
鮫島 現場に来たら、目もうつろで「あわわわ」みたいな。まともに会話ができない状態でした。こっちはこっちで、「お前中心でやるはずだったのに」って怒っていたんですけど、勝手に(フリーザの衣装に)着替え始めて。それで僕のDJの出番がきて、『ドラゴンボール』の曲をかけたら(山本が)ステージに出てきたんです。
──どうなったんですか?
鮫島 お客さんも(山本が)いなくなったのを知っていましたから、とつぜん現れたら大盛り上がりになりました。それで、1時間くらいDJパフォーマンスをして、終わったらまた忽然と消えたんですよ。
山本 そうですね(笑)。
鮫島 僕は、その1回目のアニソンディスコがすごい楽しくて。イントロの1音目でドカンとフロアが沸いたり、『キャプテン翼』の曲をかけたときに、オタクたちが曲に合わせてPK合戦を始めたり、いままでのロックDJでは味わったことのない感覚がありました。すごく楽しかったし、アニソンディスコを続ければ、山本も戻ってくるんじゃないかと。

──その後、山本さんはどうやってうつ病を克服したんですか?
山本 (鮫島が)1人の仕事のときもずっとBANBANBANの名前で出てくれてたんですよ。なんとか居酒屋のバイトは続けてたんですけど、そこに先輩が飲みに来て、「鮫ちゃんが待ってるよ」とか「大丈夫だよ」って声をかけてくれて、「これは戻らないといけない」と思えました。そこから少しずつ、3年ぐらいかけて治っていきました。
──いまでももちろんフリーザのモノマネを求められると思うんですけど、大丈夫なんですか?
山本 なんかフリーザをやり続けたら、「もうこれしかねえんだ」と吹っ切れるというか。いまでは、ぜんぜん何とも思わないです。逆に素顔のほうが恥ずかしいくらいになってきました。これでコンビニにもふつうに行けるんですよ(笑)。
一同 (笑)
──フリーザがきっかけでうつ病になったけど、フリーザをやり続けて治った、と。
山本 フリーザと『ドラゴンボール』が助けてくれました。やってやり続けたら、自然とそうなりましたね。うつ病のときも、アニメや『ドラゴンボール』を嫌いになることはまったくなかったです。
中国人からの「許せねえぞ、フリーザ!」に喜び
──最後に海外進出についても教えてください。歌舞伎町のイベントを前にした3月14日(金)、15日(土)に、米カンザス州で開催されるイベントに招待されているそうですね。およそ1万人の観客を前に、アニソンDJを披露するとか。
鮫島 『NAKA-KON 2025』という、カンザス州でいちばんのジャパンカルチャーフェスに呼んでいただきました。
──いままで海外でアニソンDJの経験はあるんですか?
鮫島 2019年と2020年に上海に行かせていただいて、去年は香港に行かせていただきました。
──海外の人たちの反応はどうですか?
鮫島 めっちゃウケましたね。現地の人もアニメで日本語を勉強しているみたいで、こっちが日本語の曲をかけたら日本語で大合唱してくれてビックリしました。
山本 交流を深めたくて客席に降りたら、中国の方も日本語がペラペラなんです。「何で覚えたんですか?」って聞いたら「『ドラゴンボール』で覚えた」って。「いまのは許せねえぞ、フリーザ!」って、急に中国人から言われて嬉しかったですね(笑)。

──今回はアジア圏を飛び出して北米進出となりますが、自信はありますか?
山本 吉本興業でいま、『コメディーナイト(Yoshimoto Comedy Night OWARAI)』というインバウンド向けのイベントをやっているんですよ。そこでDJをしたら、僕らの英語力でもすごく盛り上がった。その部分で不安要素はなくなっていますね。
『コメディーナイト』の終演後にはお客さんとの写真撮影があるんですけど、海外の方から「かめはめ波!」と言われたりするんで、『ドラゴンボール』は本当にすごいと感じます。
鮫島 ドラゴンボールは本当に偉大すぎて、やっていてよかったという感謝しかないです。『NAKA-KON』はお客さんも1万人ぐらい入るらしいんですけど。
山本 それはちょっとビビってますけど(笑)。
鮫島 「2人で1万人相手に体力が持つかな」って(笑)。すごくスタミナは使いそうですが、まあ頑張ってきます。
──『NAKA-KON』で成功したら、本当に世界進出もあり得そうですね。
鮫島 成功させたいですね。上海と香港での成功があるから、また呼んでもらえたと思うので、1コ1コ積み重ねて、今年の後半か来年に、また海外に行けたらいいなと思っています。

──3月29日の『アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~』は、海外凱旋公演ということになりそうですね。
鮫島 そうですね! 海外凱旋。
山本 ぜんぜん気づかなかったけど、そうですね!
鮫島 すごいですね。ちゃんとクラウドファンディングも成功させて、上手くいくように頑張ります。こういうときに足もとをすくわれるので、1コ1コ丁寧にやらせていただきます。
──それでは最後に読者にもう一度、『アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~』のアピールをお願いします!
鮫島 これまでアニソンクラブイベント、アニソンDJというものに触れてこなかった人にも、アニソン大好きな人にも来てほしいと思っています。入場無料なのでフラっと立ち寄ってもらえたら嬉しいです。
当日は「#アニクラ」でつぶやいて、アニクラをトレンドワードに入れましょう! あとクラウドファンディングをやっていますので、よかったらご支援のほどよろしくお願いします!
山本 (フリーザの声で)リターンを購入しないと、木っ端みじんにしますよ!

公演概要
■踊れる!アニソンDJイベントアニソンディスコ 15周年特別企画
アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~
日時:3月29日(土)開場13:30/開演14:00/終演17:45
会場:歌舞伎町シネシティ広場(新宿区歌舞伎町1丁目20)
出演者:BANBANBAN 鮫島、BANBANBAN 山本、バードフミヤ、バーバリアン谷川、ふくゐちゃん、新巻鮭ノボル、小林ヒロユキ、ばったもん河合 他
ゲストアーティスト:サブレ、spacetime、竹田ネロ、DJ SAAYA、安月名莉子
入場料:無料
■『NAKA-KON 2025』
日程 3月14日(金)~3月16日(日)
※BANBANBANの出演は14日と15日
場所:カンザスシティ・コンベンションセンター
ゲスト出演:BANBANBAN、関根ささら ほか
公式サイトはこちらから。
クラウドファンディング概要
「アニソンディスコ in 歌舞伎町~THE アニクラ~ を応援したい!」
クラウドファンディングプラットフォーム:FANY Crowdfunding
リターン一例:
【歌舞伎町でやるなら応援し隊!】
BANBANBANよりお礼のメッセージをお送りします。
【BANBANBANをイベントに呼べる権】
あなたの街の学園祭、お誕生日会などにBANBANBANを呼ぶことができます。
【アニソンディスコ THE・アニクラTシャツ 当日会場受け取り】
アニクラを応援するTシャツをご用意しました。当日会場にてお渡しいたします!
FANY Crowdfunding はこちらから。