吉本興業の「少女歌劇団プロジェクト」から生まれた『少女歌劇団ミモザーヌ』の冬公演「Winter Story 〜 きくたまこと卒団公演 〜」が、12月28日(火)に大阪・堺市立東文化会館、1月9日(日)に東京・草月ホールで上演されます。この公演はタイトル通り、10月に20歳を迎えた1期生、きくたまことの卒団公演。そこで卒団を控えたきくたに、最年長としてグループを率いてきた今までのことや、残るメンバーに託すこと、そして最終公演に込める思いについて、同期のもうりさくら(17)、2期生のしものあやめ(13)も交えて聞きました。
『サクラ大戦シリーズ』などで知られるマルチクリエーター・広井王子が総合演出を務める少女歌劇団ミモザーヌ。「和」の文化をバックボーンに、歌、ダンス、アクロバットなどで見るものを魅了する彼女たちは、12 歳から19 歳の少女たちで構成され、20 歳で退団となることが決まっています。
最年長、きくたの卒団
――まずは卒団公演を控えた率直な気持ちを教えてください。
きくた すっごい寂しいですね。ほんまの姉妹みたいで、妹がいっぱいいたという感じなので、みんなと会えなくなるわけではないですけど、頻繁に会うことは少なくなってしまうので寂しいです。
――きくたさんは1期生として2019年5月に入団しました。そこから最年長としてグループを率いてきましたが、みんなをまとめる上で難しかったことはありますか?
きくた 私は、いままでリーダーという役職についたことがありませんでした。小さいころにミュージカルに出たときも、年上の方がいることが当たり前だったので、最初は「どうしたらいいんやろう」と思っていました。でも、みんなが慕ってくれたことで、自然と私らしいリーダー像が形成されたと思っています。私が何かをしたわけではなく、みんなが作ってくれたリーダーという感じです。
――なにか心がけていたことはありますか。
きくた ミモザーヌは年齢差があるので、周囲に目を配ることには気をつけていました。たとえば、演出の広井さんが喋っていても、私はわかるけれど小さい子はわからないかもしれない。そういうのを後で「わかった?」って聞いてあげたり、まわりを見ることは気を使ったかもしれません。
――もうりさんとしものさんにとって、きくたさんはどういう存在でしたか?
もうり 私が先生に指摘をされて悩んでいたとき、まこっちゃんが「こうやったらいいよ」って声をかけてくれたり、まわりを見ているのが伝わるし、同期なんですけど本当に尊敬しかないです。
しもの 私にとっては、まこちゃんはお母さんみたいな存在です。さっきもご飯をこぼしちゃったんですよ(笑)。どうしようと思っていたら、パッとウェットティッシュをくれて。本物のお母さんみたい。練習でも、何も言ってないのに「しんどい?」って聞いてくれたりして、みんなをまとめてくれる存在です。
きくたが感じるグループの成長
――きくたさんが2年半以上ミモザーヌで過ごしてきて、グループとして成長を感じるところはありますか?
きくた 技術面はもちろんですけど、メンバーの距離が縮まったなと思います。それはただ仲がいいということではなく、パフォーマーとしての距離感がよくなりました。年下から年上にも意見が言えたり、おとなしかった子も本心を言うようになったり。そういう環境が作れているのが成長できたところだと思います。
もうり 確かに、以前はただレッスンをしているだけという感じがあって、先生方から「意識が低い」と怒られることもあったんですけど、いまは自分たちで声を掛け合っていて、チームとしてまとまってきたと思います。
――なにかチームがまとまるきっかけはあったのですか?
きくた 少しずつまとまってはいたんですけど、ガっとまとまったきっかけは、今年の夏公演です。稽古中に全員が100%の力を出せていないときがあって、先生方が「1回、練習を中断します」と言って、部屋から出ていってしまったんです。そのときにみんなで話し合うことになったんですけど、「何か意見がある人いる?」と私が聞いても数人しか意見が出なくて。そこで「ほんまにないの? そんな思いでやってるの?」と強く言ったら、みんなが涙をボロボロ流しながら自分の意見を話してくれて。
――そのときにみんなが初めて本音を喋って、距離が縮まった?
もうり はい、うわーってまともに喋れないくらい泣いたんですけど、そこでみんなが本音を出せて、チームとして引き締まった気がします。
限られた時間のなかで情熱を
――チームがまとまり緊急事態宣言も明けて、これから、という時に卒業するのは、きくたさんも未練があるのではないですか?
きくた うーん。本音を言えば、もうちょっとやりたいです(笑)。でも20歳で卒業するグループってなかなかないと思うんですよ。少女歌劇団ミモザーヌは、10代の限られた時間のなかで情熱をかけているからこそ魅力があると思っているので、そこは区切りをつけてさっと身を引こうと思ってます。
――限られた少ない時間だからこそ、ミモザーヌはほかのグループにはない魅力がある?
もうり まこっちゃんがだいぶ前に「大人にはなれるけど、少女には戻れない」て言ってて、めっちゃ刺さったんです。ほんとにその通りで、いまの私たちにしかできないことがあるから、20歳で卒団というルールがあるんだと思います。限られた時間のなかで表現できる初々しさだったり、歌も生歌でやっているので息遣いまで聞こえたりするのがミモザーヌの魅力だと思います。
――きくたさんは、卒団後の活動予定は決まっていますか。
きくた 具体的なことは決まっていないですけど、吉本興業で芸能活動は続けようと思っています。私は女優になりたいので、自分の実力を磨きながら、認めてもらえるように頑張りたいと思っています。
「卒団公演はまこちゃんへの愛を伝えたい」
――卒団公演は、どういうところを見てほしいですか?
きくた この間までのショーケースは、1曲ごとに個性の違う曲だったんですけど、今回はミュージカルみたいにストーリー構成になっていて、一つひとつの楽曲が繋がっているんです。お芝居とセットで楽しめるので、そういう意味で違う一面を見せることができると思います。
もうり まこっちゃんがストーリーテラーでソロのパートもあるので、まこっちゃんの上手な歌を聞いていただきたいなと思います。
――きくたさんと一緒にできる最後の公演になりますが、もうりさんとしものさんの意気込みも聞かせてください。
もうり 今回の公演のテーマが「愛」なんですけど、まこっちゃんを大好きという気持ちは本当にみんなが持っているものなので、愛がお客さんに伝わる公演になると思います。本当の気持ちをそのまま伝えることを大切にしたいのと、卒業していくまこっちゃんが不安にならないように、頑張りたいと思います。
しもの まこちゃんの卒団公演なので、悔いがないように心配させないように、このミモザーヌはまこちゃんがいなくてもちゃんとできるよっていうのを、しっかり見せられるように頑張りたいと思います。
――きくたさんは貴重な10代の最後の約3年間を過ごしてきて、思い出に残っていることはありますか?
きくた 一度、(総合演出の)広井さんが真ん中にいらっしゃって、メンバーが輪になって団歌の『ミモザのように』を歌ったことがあったんです。そしたら広井さんが涙を流していて。広井さんは感情を表に出さずにこらえるイメージがあったので、「泣くんや」と思って、すごい嬉しくって。やっぱり泣いてくれるってことは、自分たちの想いがひとつになって伝わっているということやから、それは凄い思い出に残っています。
――きくたさんにとって、ミモザーヌを一言で表すとどういう存在ですか。
きくた ファミリー。家族ですね。コロナで活動ができなくて辛いときもありましたけど、やっぱり最後に卒団を間近にして、やってきてよかったなって思います。楽しかったという思い出しかないので、メンバーもマネージャーもまわりの方も含めて、ファミリーです。入団してよかったです。
――最後に、メンバーに託したいメッセージを教えてください。
きくた 私自身がいろいろな方に「感謝の気持ちを忘れずに行動しなさい」ということを教わってきました。やっぱり人と人との繋がりなので。どんな人にも絶対に良いところはあるから、良いところを見つけて感謝の気持ちをもって接するように、みんなには頑張ってほしいなと思います。
『少女歌劇団ミモザーヌ』の4期生の募集が始まります。募集期間は、12月18日(土)~2022年1月22日(土)。応募資格は、2021年3月31日(木)時点で満11歳〜満17歳の女性。経験不問。詳細は今後、公式サイトでお知らせします。
公式サイトはこちらから。
公演概要
冬公演『Winter Story〜きくたまこと卒団公演〜』
【大阪公演】
日時:12月28日(火)
開場11:30 開演12:30 終演14:30
開場15:30 開演16:30 終演18:30
会場:堺市立東文化会館
出演:少女歌劇団ミモザーヌ、コロコロチキチキペッパーズ、エルフ
FANYチケットはこちらから。
【東京公演】
日時:2022年1月9日(日)
開場11:30 開演12:30 終演14:30
開場15:30 開演16:30 終演18:30
出演:少女歌劇団ミモザーヌ、レイザーラモン、尼神インター
チケット:前売4,000円 当日4,500円
FANYチケットはこちらから。