若者たちに選挙の大切さを伝える総務省主催のイベント『若者フォーラム2024 選挙行きたくなる-1グランプリ』が、2月28日(金)に東京・草月ホールで開催されました。この日はジョイマン(高木晋哉、池谷和志)や滝音(さすけ、秋定遼太郎)、そいつどいつ(市川刺身、松本竹馬)、エルフ(荒川、はる)がオリジナルの“選挙ネタ”を披露。さらにスペシャルゲストとしてグローバルボーイズグループ・INIの後藤威尊が登場し、選挙や投票の大切さについて伝えました。

“選挙”をテーマにしたネタを披露!
このイベントは若い世代の「選挙の投票率の低さ」や「政治への関心の低さ」を解消しようと総務省が主催し、吉本興業が企画したもの。
この日のMCを務めた陣内智則は、登場して会場を見渡すと「若い方が多いですね。おそらく……ジョイマンを観に来たんでしょうね」と話して笑いを誘います。続いてINI 後藤が「すみません、ジョイマンさんじゃなくて」と言いながら登場。後藤は選挙について「どうしても難しいイメージがある」と話します。

ここから4組のネタがスタート。最初に登場したそいつどいつは、市長選の選挙演説をしている候補者の刺身に、松本演じるおじいさんが食ってかかるというネタです。候補者が乗っていた選挙カーがおじいさんの家の塀に突っ込んだとか。最初は常識知らずに見えた候補者ですが、演説を聞くうちに翻弄されていくおじいさんの姿が笑いを誘います。
続いては滝音が漫才を披露。「成人するまでは選挙に興味なかった」(さすけ)、「候補者がいっぱいいて、毎回、誰に入れたらいいか迷うし、わかりにくい」(秋定)といった自らの考えも交えつつ、「選挙公報はわかりやすい」「ネットリテラシーが大事」など、選挙に関する大切な知識も織り込んで笑いをとりました。


3組目のエルフは、はるが選挙カー風に改造した台車に乗って登場して爆笑をさらいます。そんなはるにギャル語で話しかける荒川が、急に「物価高は?」「対米貿易赤字は?」などと詰め寄り、そのギャップで大ウケ。そして最後は2人で一緒にパラパラを踊るというシュールな展開で終始、爆笑が起きました。
トリで登場したのは、各地の営業に引っ張りだこで「営業-1グランプリ」でも優勝したジョイマン。おなじみのダンスとラップ調の歌を選挙用にアレンジして笑わせるだけでなく、「いま政治家さんはSNSで発信してるんだよ」といった若者に向けたメッセージも発して会場を沸かせます。


ネタ終了後は来場者による投票へ。今回は“候補者”の芸人に対して、“有権者”である観客が実際の選挙で使用されている投票用紙と同じ素材で作られた紙に記入し、ステージに置かれた投票箱に1票を投じます。
「103万円の壁」問題でわかりやすく解説
投票の結果が出るまでの間は、立命館宇治中学校・高等学校教諭で、総務省の“主権者教育アドバイザー”を務める杉浦真理氏が選挙について講演。杉浦氏は、政治を身近に感じるために、話題になっている「103万円の壁」問題をとりあげます。
「アルバイトや非正規で仕事をすることが多い若者にとって、103万円の壁の問題はとても身近な問題ですよね。壁がなくなって、税金を払わずに済む人が多くなるのは、払わなくていい人にとってはいいことですが、そのぶんの財源が地方に入ってこなくなるということでもあるんです。それをどうするか、いろんな案を各政党が出しています」

杉浦氏は「最初は選挙公報や、SNSで3分程度の短い切り取り動画などが上がっているので、それを見るのもいいと思います」とアドバイス。一方で「“切り取り動画”には問題な点もあり、偏った情報だけを見てしまうこともあるから、ネットリテラシーがとても大事。あえて反対の意見の動画を見るなど、工夫も必要です」と注意喚起しました。
INI 後藤「若者の1票の重さを感じました」
そして、いよいよ投票結果の発表です! まずは4位のジョイマンがわずか9票だったと発表され、会場は笑いに包まれます。ジョイマンの2人は、「え〜っ、笑ってたじゃん!」(高木)、「今年いちばんウケましたよ?」(池谷)と信じられない様子です。
投票前に「賞レースでは『トップバッターは不利』って言われてるんで……」とお客さんにアピールしていたそいつどいつは残念ながら3位に。
そして1位104票、2位91票という僅差でエルフが優勝! 荒川は、この日のネタについて「自分がホンマはわかってないのにわかってるフリをするのはイヤやったんで、最後はリアルにわからない自分を出してネタを作ってよかったです」と語りました。

一方、はるは「むかしからよく、いろんな議員さんに似てるって言われてきたんですけど、ここでそれが生かせてよかったです」と話して笑いを誘います。
優勝したエルフが選挙に当選した議員のようにだるまに目を入れるなか、なぜかINI 後藤がジョイマンと一緒にネタをする流れに……。後藤が「ナナナナ〜、ナナナナ〜」と踊ったかと思うと、高木が「ありがとう〜、後藤」と韻を踏んで大盛り上がりになりました。
最後に後藤は「改めて選挙に行く大切さを理解しましたし、若者の1票の重さも感じました。これからも責任を持って選挙に行きたいなと思いましたし、メンバーやファンのみなさんに『選挙行った?』って声がけもしていきたいなと思いました」と話し、会場から大きな拍手が起きました。

イベント終了後も、荒川は「アゲ〜! 投票率もアゲ〜! 1位とかあんまりないんで、ホントに嬉しかったです」とゴキゲンな様子。一方、最下位のジョイマン・高木は「9票っていうのがホントに……」とショックから立ち直れない様子でしたが、「でも、だんだん入れてくれた人に感謝の気持ちが湧いてきて……。だから、選挙で負けた人ってこんな気持ちだったのかな」と振り返りました。
このイベントの模様は、YouTube「総務省動画チャンネル」で配信予定です。