芸歴5年目で『M-1グランプリ2024』で初の準決勝進出を果たした注目のコンビ、例えば炎(タキノルイ、田上)が、3月16日(日)に大阪・よしもと漫才劇場で初単独ライブを開催しました。題して「~エレガンス×傀儡兄弟×例えば炎 スリーマンライブ~『ワレワレハタトエバホノオダ』」。改名前の過去のコンビ名も冠した今回のライブは、漫才、コント、幕間VTR、ピアノ演奏(?)とこれまでの歩みの集大成!? 濃密すぎる60分の様子と、直後のインタビューをお届けします。

伝説のネタに仕込んだ“アッと驚く仕掛け”とは!?
チケットは完売し、立ち見席も出るほどの大盛況となったこの日。劇場のロビーは“祝・初単独”のフラワースタンドで埋め尽くされていました。
例えば炎は、NSC(吉本総合芸能学院)時代から2回、コンビ名を変更しています。授業料が払えずにNSCに再入学するなど、苦労した自分たちの過去も大切にしたいという思いから、舞台袖のパネルに過去のコンビ名を掲示。そんなセットからも、初単独にかける2人の意気込みが伝わります。
開演前のオリジナルナレーションを経て、宇宙をイメージしたセットの緞帳が開くと、ポーズを決めた2人が登場! オープニングのカッコよさは必見です。

タキノが「よろぴくー!」とつかむと大きな拍手が送られ、「最高の1日にしましょう!」と、トークもそこそこに突入したのは、なんと『M-1グランプリ2024』の敗者復活戦で話題となった「張り込み」ネタ。設定の説明から笑いが起こります。
粗削りながらも“爪あと”を残したネタは自由度が増していて、敗者復活戦でミスしてしまった部分をタキノが絶叫で取り返すくだりでは、拍手とともに大爆笑が起こりました。
ここから続くVTR、コントには「新ネタライブのはずなのに……!?」というお客さんの戸惑いを解決するアっと驚くしかけが。奇抜な田上のキャラクターや、タキノの暴走がカオスな笑いを生み続けます。

田上がひたすらピアノを披露する幕間VTRは、独特の世界観に観客をひきこむシュールな時間に。最後のコントでは、田上の隠れた演技の才能が開花し、客席からは悲鳴にも似た笑いが起こりました。
お客さんも芸人も裏切る展開を考えた
終演後、2人に初単独ライブの手応えを聞きました。
——すごく見応えのある60分でした。初単独ライブを終えていかがですか?
タキノ コントにも挑戦したので、本番を迎えるまで不安だったんですけど、いざ始まったら楽しかったです。スベったところもありましたが(笑)。“何でも笑うわけじゃない”いいお客さんだったので、こっちも「ウケなあかん!」ってギアが上がりました。アっという間でしたね。ほんまに1時間やったんかな。「僕らのお客さんって、こんなんが好きなんや」とわかる部分が何回もあって、楽しかったです。
田上 やりたいことを全部できたのでよかったです。「張り込み」のネタは、よく見られているネタなので、新ネタライブと思って来ている人が「ええ!?」みたいな顔をしているのがチラチラ見えました(笑)。VTRが始まったら「そういうことか」という気づきがあったと思います。あと、ふだんコントをあまりやらないので、準備が大変でしたね。たくさんの裏方の人が助けてくれました。誰一人、欠けていたらできなかったですね。ワンチームでやりました。

——練られた構成でしたが、前からこのかたちを考えていたのですか?
タキノ 僕らは、主にコント漫才をしているので、それを生かした構成にしました。ふだんの僕らの感じで、あえてギミックのある単独ライブをするのは、小賢しくておもしろいかなと。それ自体がボケという感じです。お客さんも芸人(仲間)も裏切りたくて。今回のギミックはずっと前から考えていました。
——コント中の田上さんのキャラクターにかなりインパクトがありました(笑)。
タキノ 田上が“おじいちゃん”と“ピエロ”の役が得意だとは……。おじいちゃんとピエロが出てくるコントをつくったら最強かもしれません。これからはコントもやっていきたいと思っているので、それがわかったのは収穫ですね。
田上 怖さとおもしろさが共存している感じはあったかも(笑)。


「カロリーを使って、いまできる限りのことをやった」
——最後に、このライブの見どころを教えてください。
タキノ ふだんの僕らからは予想できない小賢しいギミック、熱量のある荒いネタを観てください。カロリーを使って、いまできる限りのことを全部やりました。ぜひバカ笑いしてほしいです。僕らのことを気になっている人も、好きな人も、知らない人も、みんなに楽しんでもらえるライブだと思います。
田上 14年間やってきたピアノを披露できて、発表会みたいな気分を味わえたのがよかったです。笑いは起きていませんでしたが(笑)。演奏に着目してくれたのかな? あのVTRを撮影しているとき、ソデに20人くらいの芸人がいたので、めっちゃ緊張しながら弾いているんです。フースーヤの谷口(理)さんが「なんやこれ!」とか言ってる声を聴きながら弾いています。
タキノ あのVTRはかなりスベっているので、(見逃し配信では)そこは飛ばしてもらえたら(笑)。漫才、コントを中心に楽しんでください!
田上 いまできることをすべてやりました! ピアノの実力含め!

このライブの模様は3月23日(日)23:59までオンラインで見逃し視聴ができます(チケット販売は同日正午まで)。その期間の好きなタイミングでFANYIDメンバーは24時間/プレミアムメンバーは72時間、見逃し視聴をお楽しみいただけます。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。