『R-1グランプリ2025』のファイナリストであるチャンス大城と田津原理音が、3月28日(金)に「よしもとアカデミー」東京校で特別授業の講師を務めました。2人はこれまでの芸人としての歩みや、ピン芸人としての心得について講義。“人情派”のチャンスと“理論派”の田津原という絶妙なコンビネーションで、現役アカデミー生に熱血指導しました。

田津原「好きになることが続けるコツ」
エンタメを学びながら高校卒業資格が得られる「吉本興業高等学院」の制服姿で登場したチャンス。その理由を「スーツを家に忘れたから」と説明します。MCを務めたピン芸人・タケトが「学生の前で学生の制服を着てる」とツッコむと、さっそく教室に笑いが起きました。
まず2人は、NSC(吉本総合芸能学院)時代や売れるまでの苦労を振り返ります。2023年に29歳で『R-1グランプリ』優勝を果たした田津原は、芽が出なかった時期の苦悩を回想。
同期のゆりやんレトリィバァらが売れていくなかで、悔しい思いをしたことを明かしつつ、「辞めようと思ったことは一度もない。結局、本当にお笑いが好きなんです。好きになることが、辞めずに続けるコツだと思います」とアドバイスしました。

一方のチャンスは、NSC大阪の8期生で、千原兄弟やFUJIWARAと同期。しかし1回退学し、その後、13期生として再入学した変わり種です。チャンスは当時のNSCを振り返りながら、「8期生時代はまわり(のレベル)がすごかったですね。13期に入り直して『今度こそ』と思ったんですけど(ブラックマヨネーズの)吉田(敬)君とか、みんな怪物でした」と振り返りました。
長い下積みを過ごしたチャンスは、アカデミー生にこう語りかけます。
「ほかの職業に向いている人もいると思うし、それは素敵なこと。でも、ギリギリまであきらめないでほしいんです。本当に孤独よ? 同期がどんどん売れて『あちゃー』言うて、家で真夜中に酒を飲んで『あー!』ってなる日が絶対に来るから。でも、それを楽しんでほしい。それが“味”になる。失敗も、ぜんぶ味になるから」

チャンス「ちょっとカッコつけました」
チャンスと田津原はアカデミー生からの質問にも答えました。「ピン芸が漫才やコントよりも優れている点は?」という質問に田津原は、「(ピン芸は)想像させる芸」と理論的に解説。「漫才は2人の世界に限定されるけど、ピンなら登場人物が1000人いるコントもつくれる」と語りました。
一方、チャンスは「(ピン芸は)自分で振って自分で落とす。誰のせいにもできない。ぜんぶ自分でつくり上げなきゃいけないところが超カッコいい」と魅力を語ります。さらに『R-1グランプリ2025』の決勝で「大事なことに気づいた」と、こう語りかけました。
「決勝でネタをやってるときに『あ、俺はひとりじゃなかったんや』と(思った)。ここまで千原兄弟さんやまわりの芸人さんに助けてもらって、マネージャーさんにも売り出してもらって、『あ、俺はみんなに支えられてんねや』って。だから決勝のネタの後半なんて『俺は1人じゃねーぜ!!』っていうテンションでやってました。ピン芸人って、実は1人じゃないんですよ」
話し終えたチャンスは「ちょっとカッコつけました、すみませんね」と照れ笑い。田津原は「熱いなあ」とつぶやき、タケトも「うわー、いい言葉」と共感していました。

こうして特別授業は終了。田津原は「チャンスさんが“生きざま系”、僕が“分析系”。担任と副担任みたいでしたね」と振り返ります。これにはチャンスも「いいバランスでしたよね」と笑顔を見せ、「田津原くんとタケトくんと、このまま大阪のNSCに行きたいくらいです」と笑わせました。
よしもとアカデミーは、国内最大規模のお笑い養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」、即戦力のエンタメスタッフを育てる「YCA(よしもとクリエイティブアカデミー)」、俳優・パフォーマー・歌手などを目指すタレント養成所「YPA(よしもとパフォーミングアカデミー)」、エンタメ×デジタルを学べる「YDA(よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー)」、そしてこの4校のカリキュラムを学びながら高校卒業資格が得られる「吉本興業高等学院」という、5校からなる総合教育機関です。
よしもとアカデミーでは、2025年度生の募集を4月末まで延長して実施しています。
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