ハイキングウォーキングの約10年ぶり単独ライブは“漫才”で勝負!「久々にしっかりと笑いに向き合うということで気合が入っています」

お笑いコンビのハイキングウォーキング(鈴木Q太郎、松田洋昌)が、6月22日(日)に約10年ぶりとなる単独ライブ『ハイキング漫才ウォーキング』を埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場で開催します! ハイキングウォーキングといえば、コーラを一気飲みしてゲップをせずに山手線の全駅を言うネタの印象が強いですが、今回はスーツ姿で“漫才ライブ”に挑戦。現在、劇場での出番に力を入れているという2人に、ライブに向けた意気込みや、この10年でコンビに起きた変化、いま注目している漫才コンビなど、たっぷりと話を聞きました。

出典: FANY マガジン
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「スーツ一丁で大宮に行きます」

――まずは約10年ぶりとなる単独ライブが決まったときの気持ちを聞かせてください。

松田 10年近く前に、すごく真剣に取り組んだ単独ライブ(2016年 ハイキングウォーキング結成15周年単独ライブ『BAKAKA』)があって、それからも何回かライブはあったんですけど、そんなに真剣に取り組んでいなかった……というと語弊がありますが(笑)、ちゃんと向き合ってこなかったんですよね。それで今回、久々にしっかりと笑いに向き合うということで、気合が入っています。

Q太郎 この約10年の間でコンビの関係性や、やっている内容がちょっとずつ変わってきたんですが、ついにオレも肩をぶん回すときがきたなと、急に気合いが入りました。

――真剣に笑いに向き合うスイッチが入るきっかけがあったのでしょうか。

松田 約10年前に、お笑いを離れて大道芸の道へ進んだんですけど、その大道芸を生かしたネタがいったん完成しきったので、次のステップとして、もう一度、お笑いに立ち戻って漫才をやっていこうと思ったんです。

――今回のライブのリリースには、「スーツ一丁で大宮に行きます」というQ太郎さんのコメントがあります。今回は、おふたりの代表的な小道具である“コーラ”や“段ボール”は封印ですか?

Q太郎 そうです! 使わないつもりではいます! けど……舞台袖には一応、準備しています。30年近く芸歴を重ねてきて、保険をかけるという術を学びました。だから、袖には準備しておくかもしれませんけど、気持ち的にはスーツ一丁で頑張るつもりです!

出典: FANY マガジン
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Q太郎の良さを表現できるのが“漫才”

――“漫才一本で”という思いは、どういうところから生まれたのでしょうか

Q太郎 「スーパーイリュージョン」は、基本的に道具を使って何かにチャレンジしたりするんですけど、そこには僕と松田さんのケンカ風のやりとりなんかも笑いにして織り交ぜているので、そこだけを切り取るとやっぱり漫才なのかなと。先ほど松田さんが言っていたとおり、僕らはまだまだお笑いをやりたいですし、またやれるのかという感じで……。すみません、しゃべりながら迷子になっちゃったんですけど(笑)。

――従来のコントという選択肢はなかったんですか?

松田 もともとコント師だったんですけど、うーん……向いていなかったかもしれないですね。僕がつくった設定の中で、(Q太郎に)こうしろ、ああしろって言うと、この人の“良さ”を殺してしまうから、自由にさせたほうがいいんですよ。いまもしゃべっている間にどんどん迷子になっていったでしょう? あれが、いちばん面白いところなんです。そういうのを表現するには、漫才しかないっていう結論でした。

それと、現在の2人の状態や、生活面なんかも含めてネタにしやすいというか、“50歳で育児やって大変だな”とか、いま生きているなかで得られる感覚も、しゃべったほうがネタになるなという考えもありましたね。

Q太郎 そうですね。題材は身近なところからかもしれないです。

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Q太郎「賞レースに向けて鼻息は荒いです」

――リリースには、「THE SECOND」を目指してネタを磨いているという文言もありました。やはり賞レースは意識していますか?

松田 ここは“リーダー”に。

Q太郎 自己紹介が遅れました。リーダーです(笑)。『M-1グランプリ』を卒業してから、僕らは大道芸のほうにいったんです。『キングオブコント』はまだ出られたんですけど、すっかり大道芸風のスーパーイリュージョンネタに力を注いでいたので、しばらくご無沙汰になってしまいました。

『M-1』からも隠居みたいになりましたけど、毎年、3回戦くらいになると松田さんと「あの若手面白いですね」とか、「家族チャーハン(大石、江頭)、面白いですよね」とか、そういう会話になっちゃって、やっぱり好きなんですよね。

僕らを世に出してくれたのは、『爆笑レッドカーペット』や『エンタの神様』なんですけど、そこでは賞レースみたいな戦い方はしていなかったんです。だけど、いまは賞レースで若い子たちが切磋琢磨しながら世に出てくる時代になったし、『THE SECOND』では僕らと同世代の人たちが戦っている。

「自分たちもここで!」という気持ちになりました。これから『ダブルインパクト』(漫才とコント、両方で競う賞レース)も始まりますし、鼻息は荒いです。

松田 リーダーがこう言っているので、ついていきます。僕は、賞レースで戦えるネタがあるんだったら出たいですけど、リーダーはなくても出たいって言うので……。去年も『THE SECOND』に出たんですけど、「ネタどうするの?」って聞いたら、「いや、あるだろ、あのスーパーイリュージョンのネタが」って。「それを漫才でやるの? 道具使うじゃん」っていったら、「いいんだよ、それが漫才だから」って言うので出たんですけど、落ちましたね。ウケはしましたけど。

ところが、今年も『THE SECOND』に出ると言い出したので、そこでしっかりと「ネタがない」ということを説明しました。そうしたら納得してくれて、まずは単独ライブを久々にやって、ネタをつくっていこうと。だから、勝負は来年以降になると思います。

Q太郎 ヒリヒリした感覚を味わいたいというのがお互いあるんですよね。

松田 いや、僕はないですよ(笑)。漫才はやりたいですけど、賞レースに出たいということは……。

――すると、単独ライブはリーダーのQ太郎さんから松田さんに提案して決まったんですか?

松田 いや、これは僕とマネージャーとで話し合って決めました。リーダーはやりたいことに突っ走っちゃうので、それを叶えてあげるにはどうすればいいかを僕とマネージャーが話し合って、まずは単独ライブでちゃんとネタをつくって、そのネタで勝負できるかをマネージャーと判断して、それから(Q太郎に)どうですか? と。

Q太郎 リーダー的にはちょっと納得いっていないですね(笑)。

出典: FANY マガジン
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松田「僕らの新しい一面を見てもらえる」

――おふたりは単独ライブというものをどう捉えてますか?

松田 自分たちが面白いと思ったことや、日々の劇場出番などで培ってきたテクニックをすべて披露する場なので、やっぱり特別なステ―ジですし、大事にしている場所ですね。

Q太郎 ふだん出ている寄席は持ち時間が10分くらいですけど、1時間~2時間をまるまる自分たちが責任をもって笑わせ続けるというのは、だいぶ気合が入りますね。大変な部分もありますけど、僕らを求めて来てくれるお客さまなので、満足してほしいという気持ちで頑張っています。

――今回の単独ライブでは、何本くらいのネタを披露する予定ですか?

松田 6本の予定です。もう上がってはいて、あとは合わせながら直していこうと思っています。

Q太郎 まだ、相当変わっていくと思います。

――6本すべて漫才ですか?

松田・Q太郎 そうですね。

――これまでの「スーパーイリュージョン」を見たいというファンもいると思います。

松田 70分の公演の中で40分は漫才の新ネタで、僕らの新しい一面を見てもらえると思います。残りの20~30分くらいは、ちょっとサービスのような感じで、過去のネタもやろうかなと考えています。

Q太郎 若いころだったら、オール新ネタで「最新のオレたちを見て!」という公演を打っていたと思うんですけど、長いことやっていると求められてしまうこともあって、「コーラ、なんでやらないの?」とか、ガッカリされたこともあるんですよ。

もし、自分が好きなアーティストのライブを見に行ったときに代表曲をやってくれなかったら、やっぱり寂しいですもんね。だから、そこは若いときと違って、攻めるわけじゃなく、お客さんの“やってほしい”という声にも応えたいという感じですね。

松田 そうですね。いま話しているうちに、やっぱり入れたほうがいい気がしてきました(笑)。

――いままで見せていない新しい一面というのは、具体的には?

Q太郎 漫才って、各々に型があって、僕らにも型があるんですよね。

松田 ちょっとコントベースの漫才をやっていたんですよ。

Q太郎 そのかたちでM-1も戦っていたんですけど、コントに入らない、しゃべりだけの漫才にもチャレンジしてみようかなと。

松田 そうですね。トークベースの漫才っていうのを考えています。

出典: FANY マガジン
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ネタづくりは10対0から5対5に

――コンビの関係性が変わっていったという話もありましたが、具体的にはどのように変わったのでしょう?

Q太郎 10年前はネタづくりを10対0で松田さんがしていました。僕はプレイヤーのみで、そっちのほうが効率がいいし、当時のハイキングウォーキングに合っていたスタイルだったんですよ。でも、そうなるもっと前は僕も多少なりともネタを書いていました。それが僕の怠慢で書かなくなって、結局10対0になっていって……。

だけど、この10年でお互いに年齢を重ねて考え方がやわらかくなったり、いろいろ変化があって、僕も最近は小さいライブでネタを書いたりするようになりました。“だったらもう”という感じで、いまは5対5です。

――2人でネタを作ると意見が衝突しませんか。

Q太郎 昔はあったかもしれないですけど、さすがにこの年齢になるとお互いに面白いことがわかっているので、「いいんじゃないですか?」って。納得していなさそうなときも、その感じがわかるんですよ。すべてがわかるから、ケンカはなくなりました。でも、逆に怖いですね。2人が“面白い”と思ってやったことが全然ウケないっていう可能性もあるので、それは怖いです。

――コンビとしての関係は、いまがいちばんいいですか?

Q太郎 いちばんいいかって言われると……。10年前は10年前でよかったと思うんですよね。松田さんがリーダーとして引っ張っていくスタイルは上を目指すうえではよかったので、いまは逆にそのあたりが弱まってきちゃったかな。“面白いことができればいいか”みたいになっているので、それはちょっとよくないのかも。

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「とにかく楽しい70分間を過ごしましょう」

――しっかりと漫才に向き合うと決めてから、ネタについて相談したり、刺激を受けた漫才コンビはいますか?

Q太郎 面白いなと思う芸人はいっぱいいるんですけど、自分たちでやりたいことを始めているので、誰かに刺激を受けたり、相談することはとくになかったですね。だけど、面白い漫才師、好きな漫才師はいっぱいいます。

松田 よく話に出るのはエバース(佐々木隆史、町田和樹)ですかね。「M-1」の決勝に出る前から「エバースのネタ、ヤバいな」って話したり、あとは「からし蓮根(伊織、杉本青空)の今年のネタは行くかな」とか。

Q太郎 毎年、ゆにばーす(はら、川瀬名人)は応援しています。大好きなんで。川瀬の姿勢も好きです。

――今後のハイキングウォーキングの方向性は?

松田 ファミリー向けのステージでは大道芸やスーパーイリュージョン、劇場では漫才と、舞台によって使い分けていく感じですね。

――最後にライブを楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

Q太郎 長い芸歴を積んでしまったのですが、積んだなりの僕らだからできる、2人が“面白い”と自信をもってお届けできるおしゃべりを、ぜひ聞きに来てください!

松田 とにかく楽しい70分間を一緒に過ごしましょう!

出典: FANY マガジン
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公演概要

ハイキングウォーキング単独ライブ「ハイキング漫才ウォーキング」
日時:6月22日(日)開18:15/開18:30
会場:大宮ラクーンよしもと劇場
チケット:前売2,500円/当日3,000円/配信1,500円

FANYチケット(会場)はこちらから。
FANY Online Ticket(配信)はこちらから。

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