「上方落語若手噺家グランプリ」の通称は“ハナグリ”に!? 審査員長に就任した桂文珍「審査員同士がモメるんも面白いかな」

入門4年目から18年未満の若い落語家の登竜門「第11回上方落語若手噺家グランプリ2025決勝戦」が、6月18日(水)に大阪・天満天神繁昌亭で開催されます。2015年に始まったこの大会は当初、全10回で終了予定でしたが、好評につき、11回目となる今回以降も開催されることが決定しました。6月5日(木)には記者会見が行われ、決勝に進出した若手落語家に加え、新たに大会の審査員長に就任した桂文珍らが出席して見どころなどを語りました。

出典: FANY マガジン
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出番順は当日のくじ引きで決定!

まずは上方落語協会会長の笑福亭仁智が挨拶し、文珍が新たに審査員長に就任した経緯を説明。そして、文珍のアイデアがたくさん詰まった今回は「文珍イズム、文珍企画」で「期待どおり」であると語り、「(決勝進出者は)実力も経験もあり、新米とは言えないが古古米でもない。ブランド米に育っていってほしい」とエールを送りました。

続いて、上方落語協会の若手育成特別顧問でもある文珍が挨拶に立ち、舞台上に並んだ決勝進出者に向けて「(大会出場を機に)ますます注目が集まって芸にも磨きをかけて成長していただきたい」とハッパをかけます。そして「この場に弟子が残っていないのは嘆かわしいが、弟子によると『師匠が審査員長になったら、みんなが気を使うから手を抜いた』と言い訳していた」と話して笑いを誘いました。

出典: FANY マガジン
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今回の大会からの大きなルール変更点が「出番順」です。これまでは事前に順番を決めていましたが、文珍の発案で「出番は当日、お客さんの前でくじ引きで決める」ことになりました。文珍は「イベント性が高まることに加え、演者には臨機応変さが求められる。その場に適したアドリブ、空気や流れを読む感覚も審査基準になるだろう」と説明します。

また、審査員の顔ぶれがガラリと変わる点について、文珍は「上方落語に精通したメンバーを人選した。いい結果が出るだろう」と期待しました。

さらに若手育成委員長を務める笑福亭竹林が、大会の新たな略称を発表します。

「(文珍)兄さんのアイデアで若手噺家グランプリのことは“ハナグリ”と略すことに決定。Little Glee Monsterをリトグリ、マクドナルドをマクドみたいなものですよね、兄さん?」

そう問いかける竹林に対して当の文珍は「ちょっと違うかな」と切り返し、登壇者も大笑いでした。

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大会後に若手と文珍の落語会も開催

決勝に進出したのは、林家染吉、桂団治郎、林家染八、桂慶治朗、桂三実、月亭遊真、月亭希遊、桂雪鹿の8人です。司会の竹林は、所要で欠席の染吉を除く7人に「長すぎないように、そして面白いことを言うように」とリクエスト。

これを受けてそれぞれが「ハナグリ初出場ですが、頑張ります」(団治郎)、「ええ落語をして大会を盛り上げたい」(慶治郎)、「優勝賞金を見越して先月引越したので、優勝しないと来月から路頭に迷う」(希遊)、「引退した師匠にいい報告ができるように頑張りたい」(雪鹿)と意気込みました。

文珍は「若手のええところを引き出せるような審査をしたい」「審査員同士も、『あんたなんでそんな点数つけるんや』言うてモメるんも面白いかなと思ってます」と話しました。

出典: FANY マガジン
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会見の最後には、新たな落語会「桂文珍とハナグリの会」開催((8月27日、9月3日))を発表。決勝戦を終えた8人の若手噺家が4人ずつに分かれて、天満天神繁昌亭で2夜にわたって文珍との落語会を開催します。出番はハナグリ同様に当日、舞台上でくじ引きで決めるため、文珍が前座になる可能性も……!?

文珍と同じ土俵に立ち、落語を披露できる大チャンスに若手たちは「畏れ多い」「緊張する」「ある意味、グランプリ以上」「食い気味で挑みたい」と反応はさまざま。“ハナグリ”だけでなく、「振り返りの会」も熱い内容になりそうです。

出典: FANY マガジン
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開催概要

「第11回 上方落語若手噺家グランプリ2025決勝戦」
日時:6月18日(水)18:00開場/18:30開演
会場:天満天神繁昌亭(大阪市北区天神橋2-1-34)
チケット:前売3,000円/当日3,500円 全席指定

公式サイトはこちらから。