ヤジマリー。「ワンチュッ」沼津での誕生秘話! スカチャンはMADE IN NUMAZU【ぬまんづの沼津からの手紙 vol.18】

ぬまんづの沼津からの手紙~こちらは楽しくやってます~

静岡県の沼津駅の南口からから徒歩1分。
目の前に見えるラクーンビル4Fにある「沼津ラクーンよしもと劇場」の
日常や舞台裏を静岡県住みます芸人のぬまんづがお届けします!

静岡県の沼津駅の南口からから徒歩1分。
目の前に見えるラクーンビル4Fにある「沼津ラク...

神回は突然訪れるものだ、沼津の劇場で10年間公演を行なっていて何度もその奇跡を目の当たりにしてきた。
通常寄席のエンディング、よく分からないトークライブ、普通のゲームコーナー。
そんな何の変哲もないライブの中でその時は突然やってくる。
2025年の神回が起きたのも、そんな普通のライブだった。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

5月5日(祝・月)こどもの日。
2回の寄席公演を終え、3公演目は企画公演だった。

17:00開演「太鼓判チャレンジ!」

出演者は同期のラフ次元とななまがり。
MCは我々、ぬまんづ。

3組とも特にプレッシャーに感じることもなく「え?これは何をするの?」くらいの感じで開演の準備をしていた。

公演内容としては同期の二組が、沼津ラクーンよしもと劇場のアイドルはどっちだ!?という趣旨で対決していくライブ。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

その公演の最後のコーナーで事件は起きた。

「メンタルをアピール!大声で夢を叫ぶ対決〜!」

誰が一番大きな声で自分の夢を叫べるかというシンプルなコーナーだ。

ここで、我々ぬまんづから提案をさせてもらった。

「過去にも『沼津サイコー!対決』のように大声企画をやったことがあるんですが、劇場から出ても結構声聞こえるので、もし良かったら出ちゃってください!」

その提案を承諾してくれた二組は、まずトップバッターのラフ次元の空さんが劇場の扉を出て、劇場の扉の前から大声で夢を叫んだ。

「ザ・セカンド優勝〜!」

ドアの外からでもはっきりと聞こえる声に会場内からは笑いと驚きの声が。

次はななまがりの森下さん。

劇場の袖から出て、楽屋の奥の奥まで行った。

「……を………ぞー!」

何かを叫んでいるのは聞こえたが、何と言っているかはわからず、戻ってきたら森下さんから答えを聞くと、

「富士彦を越えるぞーって言いました」

「なんじゃい!!!」という初瀬さんのツッコミで会場はまた笑いに包まれます。

最後を飾るのは大声コンテストで優勝経験のあるななまがり初瀬さん。

初瀬さんの大声はヘリコプターと同じデシベルだそうで、期待が膨らみます。

どのくらい離れたらいいかを相談していると

「上の階からとか無理かなー?」という提案が!

10年やって来ましたが、上の階に行くというのはまだ誰もやったことがありません。

「上(5階)はゲームセンターなので、下はどうでしょう?下は倉庫になってるので、大声出しても大丈夫だと思います。」

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ぬまんづの提案を受け、ラクーンさんにも許可を取った上で初瀬さんは下の3階へ出発しました。

「まぁたぶん聞こえないだろう笑」

「聞こえなかった時どうします?笑 めっちゃ盛り下がるんじゃないですか笑」 など、みんな、まぁ難しいだろうと思っていました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

3階に到着した初瀬さんとスマホで通話しながら、通話を切った10秒後に大声で夢を叫んでもらうことに。

「みんな床に耳つけてみようや!笑 お客さんも良かったら!」

「いややろ!床に耳つけるなんて!笑」

そういいながら芸人たちは床に耳をつけます。

めちゃくちゃ変な光景です。

「じゃあ初瀬〜、電話切ったら10秒後に叫んでなー!切るで!」

電話を切り、劇場内には沈黙の空気が流れます。

時間が経ち「これ、もう言ったのか?」「やっぱり聞こえないか…」とみんなが不安になって来た次の瞬間……

「……っ。……〜!」

「「「 聞こえた!!! 」」」

会場が怪談話でも聞いたかのようにどよめきます。

何を言ってるかは分かりませんが、確実に初瀬さんの大声がかすかに聴こえました。

ここから会場の熱気は一気に上がります。

初瀬さんに電話をかけ

「初瀬!もう一回!聴こえた!聴こえたんだよ!もう一回叫んでくれ!」

気づけばお客さんたちも全員床に耳をつけていました。

電話を切って10秒後……

「……◯◯◯◯◯っ……◯◯◯〜!!!」

やっぱり聴こえた!!!!

会場は大歓声と共に大いに沸き立ちます!!

3階から戻ってくる初瀬さんを待ちながら、今度はなんて言っていたか推理タイムが始まります。

「なんか、2つの文章じゃなかった!?」

「なんとかかんとか、んーんー!みたいな!」

「なんとかかんとか……優勝〜!じゃない!?」

「もしかして、『キングオブコント、優勝〜!』?」

「「「「「 それだ!!! 」」」」」

舞台上、客席の気持ちがひとつになりました。

まるで24時間テレビのエンディングでチャリティーマラソンのランナーが帰ってくるかのように全員が目をキラキラさせながら初瀬さんの帰りを待ちます。

そして、戻って来た初瀬さん、自分の声が上の階まで届いたという喜びと興奮で、初瀬さんも目をキラキラとさせていました。

「初瀬!何も言うな!!!今からみんなで聴こえた夢を答えるから正解かどうが教えて!」

お客さんは決して多くない

演者も2組とMC1組

でもこの瞬間、みんなで一つのチームになった。

笑いと感動が生まれ、それをこの空間で共有できた。

それを作ってくれたのは間違いなく初瀬さんだ。

ありがとうという気持ちを込めて、演者とお客さんが一体となって答えを叫んだ。

「せーの……」

「「「「「 キングオブコント、優勝〜!!! 」」」」」

会場が感動のフィナーレに向けて静寂に包まれる。

そして、初瀬さんが口を開いた。

「………ちがう。」

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ちがった。

全員が全員、正解だと疑わず、大歓声と拍手喝采の中、エンディングを迎えると思われていた希望は一瞬で崩れ去った。

そして、あとには2025年最大級の爆笑が残った。

たぶん大袈裟じゃなく、そこから全員5分以上笑い続けたと思う。
どうやって終わったかも覚えてない。

気づいたら楽屋にいて、楽屋から帰るまで、ずっとライブの話で持ちきりだった。

その時の空気感、前のコーナーまでの流れなど色々な要因があるが、あれは2025年吉本の全劇場の中でもTOP3に入るほどの神回だったと私は思っている。

あの場にいられたことを本当に幸せだと思う。

沼津ではたまにそれほどの神回が起きる。
それがいつ起きるのか、誰が起こすのか、それは全くわからない。

でもその神回を引いた時の爆笑は宝くじに当たったくらいの幸せを感じることができる。

なので、沼津の劇場にたくさんいろんな公演を見に来て欲しいと思うのです。

ちなみにこのライブの最後のコーナーに関しては、ななまがり・初瀬さんのXに動画が載っているのでそちらもチェックしていただきたい。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

後半はインタビュアーうえたけのコーナー!

ぬまんづ・うえたけインタビュー ゲスト:スカチャン

今回は沼津とも縁が深い「スカチャン」さんにインタビューしてきましたよー!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

うえたけ(以下、う):ということで今回はスカチャンさんにインタビューさせていただきたいと思います! さっそくですが、沼津劇場の印象はどうでしょうか?

ヤジマリー。(以下、ヤ):沼津の劇場はスカチャン、ヤジマリー。を作り出してくれた場所ですね。

う:と言いますと?

宮本(以下、宮)2016年に毎週土曜日に東京から沼津に鈍行で1ヶ月通う「沼津通います芸人」というシステムがあって、1ヶ月間僕たちスカチャンが担当させてもらいました。お客さん、演者さん、スタッフさん、社員さんも温かく迎え入れてくださり、ネタ終わりのエンディングではMCの富士彦さんが毎回ボケを振ってくれて普段関わらない先輩芸人さん達にスカチャンを知っていただくキッカケとなりました。

ヤ:その時に出させてもらった寄席のライブのエンディングで、先輩方がボケまくってて、MCの富士彦さんが「おい!ヤジマリー。なんかコイツらに言うてやってや!」と振ってくださって、テンパって出てきた言葉が『ワンチュッ』でした。ワンチュッが生まれたあの日のライブは忘れられません。

宮:スカチャンはMADE IN NUMAZUです。

う:スカチャンさん、特に沼津の皆さんに愛されてますもんね!

宮:僕が結婚した時も沼津の芸人、社員さん、スタッフさんが盛大にお祝いをしてくださり感動しましたし、「通います芸人」システムが終わっても、その後もスカチャンを起用し続けていただき感謝しかありません。

う:なんか真面目だなー笑

宮:沼津出番の時はお客さんが凄く盛り上げてくれるので、同期の相席スタートのケイちゃんから「スカチャンは『沼津だけはスターだね』」と言ってくれてます。

う:全然”沼津だけ”じゃないですよ笑! ちゃんと全国のスターです!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

う:沼津での印象に残ってるライブはありますか?

宮:プレミアムフライデーSP 住みます芸人とスカチャンとボーリング大会です! 住みます芸人の3組と僕らが沼津のファンの方々とボーリングで戦う仕事でした。ファンの方もスターと一緒にボーリングできているという演出をしてくれたので、ただただ気持ち良くなり帰りの新幹線でお酒を飲んで酔っ払った思い出があります。

う:まさに沼津サイコー!ですね笑

う:劇場以外での沼津のオススメのスポットはありますか?

宮:僕は『とりう』さんです! ケータリングで唐揚げ弁当を食べた時の美味さの衝撃が忘れられないです。唐揚げ弁当派が多いですが僕は天丼弁当派です。店内で食べる天丼も格別です。あんなに柔らかくジューシーで美味しい鳥天はとりうさんだけですね! とりうの女将さんも優しくて新宿のルミネtheよしもとでやっていた僕の特技のホクロ占いブースにも遊びに来てくださいました!

う:とりうさん良いですよね! ただ、宮本さん答えが真面目すぎますって!笑

ヤ:劇場の裏手にある『めん坊』! とてもデリシャシューーーーー!

う:ヤジマリー。さんはもっと真面目にやってください。

う:最後に読者に一言お願いします。

宮:沼津は芸人のパワースポット、沼津サイキョー!!!!!!!!!!!!!!!

う:沼津サイコーみたいに!笑

ヤ:沼津の劇場に観に来ないと……ワンチュッしてウェンチュッしてとどめにウォンチュッしちゃうぞ!

う:ウォンチュッされちゃうんで、ぜひ皆さん沼津にまた遊びに来てくださーい!

スカチャンさんありがとうございました!!