京都・よしもと祇園花月のオープン14周年を記念して、7月13日(日)に恒例の周年イベント『祇園お笑い祭り!14th ANNIVERSARY「大(だい)本公演」~FINAL~』が開催されました。漫才・コント・ピン芸、そして吉本新喜劇が楽しめる、ふだんの「本公演」の超特大バージョンを午前と午後の2回開催! 8月18日(月)の閉館を目前に、今年は例年以上に熱気に満ちた公演となりました。

令和ロマン・ケムリが感謝の言葉
祇園花月の館内には赤い提灯がともり、「大本公演 FINAL」とタイトルが映し出されたステージのスクリーンには花火の映像が。さらに壁には「大」の文字と、会場は夏祭りのような高揚感に包まれています。
いよいよ、1回目の公演がスタート! MCを務める令和ロマン・松井ケムリが登場すると、「ネタはふだんの倍以上、しかも特別演出もあります! 豪華な1日になります」と通常公演との違いをアピール。そして、「令和ロマンは、東京からの芸人のなかではトップぐらい、よしもと祇園花月に出させてもらいました」と劇場への感謝の言葉を口にしました。


豪華メンバーが盛り上げる最後のアニバーサリー
ネタを披露するのは、テンダラー(白川悟実、浜本広晃)、シャンプーハット(恋さん、てつじ)、ギャロップ(林健、毛利大亮)、スーパーマラドーナ(田中一彦、武智)、ダイアン(ユースケ、津田篤宏)、モンスターエンジン(西森洋一、大林健二)、水田信二、ヘンダーソン(子安裕樹、中村フー)、オズワルド(畠中悠、伊藤俊介)、滝音(秋定遼太郎、さすけ)、ミキ(昴生、亜生)、EXIT(りんたろー。、兼近大樹)、エルフ(荒川、はる)、天才ピアニスト(竹内知咲、ますみ)。豪華メンバーで最後のアニバーサリーを盛り上げます。
まずはエルフから。荒川はステージに登場するなり観客にウェーブを促し、早くもぶち上げます。続く滝音は、登場前のスクリーンに映ったシルエットでひとボケ。複数人の影になっていたさすけは、「たくさんの方に(登場を)見送ってもらった」。オズワルドは、ちょうど会場に到着した観客が座席に座るまでをレポート。会場に一体感が生まれます。


ヘンダーソンは、子安が登場するなり笑顔で手拍子を強要! 中村を肩車しながら漫才をする一幕もありました。水田信二はコントで、世直しの使命感にかられるクレーマーを解像度高く演じました。
スーパーマラドーナは、冒頭から観客を巻き込んで大盛り上がり。刑事ドラマを題材にした漫才では、終盤で田中が客席に降りるというファンサービスも。


そして前半のトリ、ダイアンの登場にひときわ歓声が上がります。ユースケは漫才が始まっても気がそぞろ。津田が理由を聞くと「(舞台上の)白い幕が珍しすぎて……」と一言。

「大晦日に思い出すのは今日という日!」
後半は、天才ピアニストからスタート。家政婦の漫才では、貫禄ある家政婦に扮したますみと雇い主の竹内が、ジェネレーションギャップで笑わせました。EXITは、登場時のシルエットでチャラいポーズのりんたろー。に対し、仁王立ちの兼近。りんたろー。は登場するなり、「合わせようよ!」と訴えました。


ミキも登場で足並みがそろわず。ですが、ネタでは息ぴったりの掛け合いで沸かせました。モンスターエンジンは「親子でやってます~」というボケから、「白髪染め」をキーワードに話題を膨らませる西森に、大ナタを振るうような大林のツッコミが炸裂しました。
ギャロップは「お餅」の漫才を。毛利の呼びかけをきっかけに、お餅について“立て板に水”の勢いで持論を語る林。観客は思わず聞き入ります。シャンプーハットは、「おしゃれな演出で」と恋さん。てつじは「ファイナルだから来てくれたんですか? もうちょっと早く来てくれてたら」と笑顔で観客を詰めていました。




そしてネタコーナーのトリはテンダラーです! 「今年いちばんの盛り上がりではないでしょうか。今年の大みそかに思い出すなら今日でしょう!」と浜本。白川を強引に巻き込んで、浜本ワールドを駆け抜けました。

シルエットでボケまくる滝音
午後の2回目公演も満員御礼。テンダラー、シャンプーハット、ザ・プラン9・浅越ゴエ、ギャロップ、ダイアン、スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)、水田信二、ヘンダーソン、オズワルド、滝音、ミキ、EXIT、エルフ、天才ピアニストがネタを披露。引き続き令和ロマン・松井が司会を務め、ギャロップとのツーマンライブなど祇園花月の思い出を語りました。
前半のトップバッターはオズワルドです。客席をしげしげと眺めながら、「人間たちがいっぱい」と畠中。エルフは、荒川が、シルエットを映す白い幕からひょこっと顔を見せると、はるとともに元気よくご挨拶。京都のバスガイドのネタを披露しました。


1回目に続いてシルエットでボケたのは滝音。さすけは野球、秋定は千手観音でした。そして「漫才コール」で会場を盛り上げたヘンダーソンは、かみ合わないネタで大爆笑。水田信二は、いちいちからんでくる客のコントで笑わせました。


罰ゲームのかかったクイズネタを見せたスマイルは、クイズごとにウーウェイよしたかが、瀬戸の“いいところ”を叫びながら舞台上を走り抜けました。結婚の挨拶のネタを披露したダイアンは、終始、ユースケが津田を追い込みました。

大トリ・テンダラーの熱演に大盛り上がり
後半は天才ピアニストからスタート。ママ友ネタの漫才で笑いを起こします。EXITはサッカー好きのりんたろー。と野球好きの兼近が互いにけん制し合うネタを披露。ミキは、家系図を整理するネタで盛り上げました。



続くギャロップは、病院を題材にした漫才。病院への文句が止まらない林と、”病院側”に立つ毛利の両方にイライラ! ピンで登場したザ・プラン9の浅越ゴエは「しっくりこないニュース」をアナウンサー並みの滑舌のよさで次々と読み上げます。


シャンプーハットは、カッコよくなるためのノウハウを恋さんがてつじに伝授するネタで絶好調。そして、トリをつとめたのはテンダラー。独身男性・白川の夢をかなえようと浜本が何役にもなりきって熱演し、会場をわかせました。

新喜劇の上演も!
1回目、2回目とも、ネタのあとには吉本新喜劇が上演されました。「花月うどん」で発生した脅迫事件をめぐるドタバタ劇です。辻本茂雄の厳しいツッコミやアドリブ、川畑泰史の「カーッ!」、吉田裕の乳首ドリル……次々と繰り出される座員たちのギャグや持ちネタに大盛り上がりです。辻本と川畑という技巧者の大先輩2人に詰められて吉田がタジタジになる場面も大爆笑でした。

こうして幕を閉じた、祇園花月で最後の大本公演。劇場閉館の大団円まで残りわずかです!