京都・よしもと祇園花月では現在、8月18日(月)の閉館に向けて、14年間の感謝を込めて人気公演を開催中です。7月19日(土)には、数え切れないほど祇園花月の舞台に立ってきたスーパーマラドーナ(田中一彦、武智)による単独ライブ「祇園花月 ありがとうございました」が開催! トークコーナーではお互い心に残る劇場の思い出を語り合い、閉館を惜しみました。

圧巻の漫才を7本披露!
オープニングは、もちろん漫才! まずは武智が、祇園花月の閉館を受けて「単独ライブを打とう」と今回の開催を決めたことを熱く明かす一方、田中は「ベルト2本してました~」のギャグで一気に観客の心をつかみます。
その後、トークコーナーを挟みつつ、7本の漫才を披露。怪談をモチーフにしたものから、子育てにまつわるネタ、ゴルフを題材にした漫才まで、どのネタも田中のボケと武智のツッコミが冴えわたり、拍手笑いが起きるほど大笑いの連続でした。

14年の歴史を持つ祇園花月での2人の思い出
トークコーナーは、武智と田中の「祇園思い出トーク」。祇園花月の14年の歴史を振り返りながら、とくに印象に残っているエピソードを3つずつ披露するというものです。
まず武智が挙げたのは「チャーリー浜師匠」。「祇園花月といえば浜師匠」というほど、2人の心に焼きついているのが、2021年4月に亡くなった吉本新喜劇のレジェンド、チャーリー浜との思い出だとのこと。
祇園花月の楽屋事情などを織り交ぜつつ、「楽屋の出入り口に靴が散乱しているのがめちゃ嫌いやった」というチャーリー浜の爆笑エピソードが語られます。ここから田中がさらに、竜じいの愛称で親しまれた井上竜夫や桑原和男といった新喜劇のレジェンドたちとのエピソードを語りました。

新喜劇のセットをバックに漫才を披露
一方の田中は、武智が祇園花月の出番を大遅刻したときの思い出を語ります。武智がどう考えても出番に間に合わないという“緊急事態”に陥ったスーパーマラドーナは、新喜劇が終わったあとの出番なら間に合う! ということで、新喜劇のセットを背景に漫才をしたとのこと。
また、祇園花月の近くを流れる鴨川で、かつて、よく愛妻弁当を食べていたという田中は、ある日、散歩中の犬が弁当に興味を示して思わぬ事態に……!? 空を舞うトンビにも弁当を狙われた思い出も振り返りました。

ミルクボーイ風に「祇園花月あるある」を紹介
7本の漫才で終わりかと思いきや、最後に「おまけ漫才」として祇園花月への感謝を送る特別編を披露。
近ごろ物忘れがひどくなったという田中が、「あの劇場のことを忘れてしまった」「劇場の近くを舞妓さんがウロウロしていて……」と切り出すと、武智はすぐさま「祇園花月や、どう考えても祇園花月! 祇園花月で決まり!」と、ミルクボーイをオマージュしたやりとり! 次々と祇園花月のあるあるを羅列していき、お客さんは大笑いです。
そして、「14年前のこけら落とし公演のトップバッターをやらせてもらった」とのくだりでは、客席から「おぉ~!」と拍手が巻き起こる場面も。最後は改めて「祇園花月さん、本当にありがとうございました」と深々と頭を下げました。

「祇園花月のおかげで食いつなぐことができた」
エンディングでは、「終わってしまうのが悲しい」と田中。武智も「祇園花月をよく観に来てくれたお客さんもいっぱいいたと思うので、悲しいです」。
さらに「最後にこの劇場で単独ライブができて、よかったね」としみじみ。2人とも、声をそろえて「いちばんお世話になった劇場」と心を寄せます。
武智は「僕ら、2013年から2015年あたり、いちばん何にも仕事がない時期も、祇園花月だけが出番をくれていました。おかげで食いつなぐことができた」と改めて感謝の気持ちを伝えました。
