桂文枝が配信対談番組で四代目中村鴈治郎と映画「国宝」トーク!! 「落語は究極の1人芝居やと思います。いっぺんやってみたいなぁ」

落語家・桂文枝による音声配信プラットフォームstand.fmの対談番組『桂文枝の来し方行く末』に、歌舞伎役者の四代目中村鴈治郎がゲスト出演した回が、前編9月1日(月)・後編9月8日(月)に配信されます。鴈治郎といえば話題の大ヒット映画「国宝」の功労者の1人。収録で文枝は、鴈治郎から気になる「国宝」の話だけでなく、歌舞伎界のウラ話までたっぷりと聞きました。その様子を、収録後のインタビューと合わせてお届けします!

出典: FANY マガジン
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文枝「まったく眠くなりませんでした」

『桂文枝の来し方行く末』はstand.fmで今年3月にスタートした番組。人生の“来し方”と“行く末”をテーマに、旬の話題も織り交ぜながら、文枝が巧みな話術でゲストの本音を引き出します。

収録開始時間になり、文枝がいつもの口上で「今回のゲスト」を紹介すると、鴈治郎が登場。大阪に住んで長い鴈治郎と、ひとしきり地元の話題で盛り上がったあとに、歌舞伎の話題へ。鴈治郎の初舞台や稽古のこと、師匠との出会い、家族との関係性に迫ります。

鴈治郎は「初舞台は8歳と遅め、祖父はもっと早く孫と同じ舞台に立ちたかったのでは」「最初のうちは(文枝)師匠が思うほど、私は歌舞伎が好きではありませんでした」と、文枝に導かれて「来し方」を振り返ります。そして思い出話に花を咲かせながら、当時の素直な思いも明かしました。

出典: FANY マガジン
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鴈治郎は大ヒット中の映画『国宝』に出演しているだけでなく、劇中の歌舞伎指導を担ったほか、原作小説の著者・吉田修一氏の取材を3年間受けたことでも有名。今作を実際に鑑賞した文枝は、こう語ります。

「出番待ちの舞台袖とかね、いつもなら暗いところにいたらすぐに寝てしまうんですけど、(映画館で鑑賞中の)3時間、まったく眠くなりませんでした」

この作品に深く携わった鴈治郎に、文枝はリスナーも気になる質問を次々と投げかけます。原作者である吉田氏との出会いから映画化までの経緯、ダブル主演の吉沢亮と横浜流星の印象……作品が完成するまでの舞台裏のエピソードが明らかになっていきます。

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鴈治郎「大阪公演が増えたらええのに」

収録の後半も『国宝』の話題が続きます。SNSや口コミで話題を呼び、いまや社会現象にもなっている状況について、鴈治郎は「ありがたいこと」「(映画をきっかけに)歌舞伎に関心を持つ方が増えたことも嬉しい」「音楽で推しのライブに出掛けるように、ぜひ劇場に足を運んで観てほしい」と語ります。

文枝は思わず「落語界も、もっと盛り上げたい」と本音がぽろり。そして「歌舞伎も落語も、その日によって間も違えば、台詞まわしも変わるもの。やっぱり生で見るのが最高」と、伝統芸能の世界に生きる者同士、意気投合する場面もありました。

その後は、「仕事ではどんな役をやってみたいか」「プライベートはどう過ごしたいか」など「行く末」について文枝が尋ねます。鴈治郎は「やってみたい役はその時々で変わるね」「大阪で過ごす時間を増やしたいので、大阪公演が増えたらええのに」と本音を明かしました。

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鴈治郎「こっちから発信しないといけません」

収録直後の2人に、対談の感想について直撃しました!

文枝 おっしょさん(鴈治郎さん)はとても頭の良い方で話が次から次へと展開して、プロの噺家でないかぎり、なかなかああはいかない。楽しい時間をありがとうございました!

鴈治郎 「おっしょさん(お師匠さん)」なんて呼ぶのやめてください〜(笑)。(文枝とは)それこそ10年、20年前は飲食店でよくお会いしたものですが、最近はなくなり、今日は久しぶりにお会いできるということでとても楽しみにしておりました。

また歌舞伎にしても、落語にしても、演る(やる)場所が少ないということを広くお伝えしたかったので、いい機会を作っていただき、ありがとうございました。

文枝 おっしょさんは、いつも新しいことにチャレンジしておられて、なおかつ古いこともちゃんと守っておられて、両輪で活動されている。私も同じく伝統芸能に携わっている身として、つくづく感心します。

鴈治郎 SNSや配信が盛んな時代、歌舞伎の魅力を伝えていくには、こっちから発信しないといけません。待ってたらダメ、及び腰ではダメです。

出典: FANY マガジン
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文枝 そやかて、歌舞伎の良さを伝えるって難しいでしょう。舞台も広いし、見どころも多いし。その点、落語は1人で喋るだけで地味ですからねぇ。

鴈治郎 いやいや! 落語は究極の1人芝居やと思います。いっぺんやってみたいなぁ、と思うけど、絶対無理やろなって(笑)。

文枝 ホンマですか! おっしょさんやったら、できますよ。芝居と落語で、1人で何かやれたらいいですね。

鴈治郎 いいですね〜、ぜひぜひ! 江戸では芝居がからんだ落語は多いですけど、上方では少ないでしょ。『らくだ』ぐらいかな。いっそ歌舞伎とは関係ない落語のほうがおもしろいかもしれん。

文枝 型にこだわらんのがいいね。

鴈治郎 (会場は)狭いとこがいいですわ。

文枝 プロレスみたいに四隅、囲っとこか。

鴈治郎 ぜひぜひ!

文枝 (ネタは)「蛸芝居」とかええね(笑)。

出典: FANY マガジン
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「桂文枝の来し方行く末」(stand.fm):https://stand.fm/channels/679c2fd20f71bf7aab05f98f