世界的ジュエリーブランド「ブルガリ」が、いま最も輝く女性たちを選出する『ブルガリ アウローラ アワード 2021』。その授賞式が12月15日(水)に千葉・舞浜アンフィシアターで開催され、ハイヒール・リンゴがお笑い芸人として初めて同アワードを受賞しました。推薦者である映画監督の河瀨直美とともに登壇したリンゴは、笑いあり、感動ありのスピーチを披露しました。
“リンゴ”カラーの真っ赤なドレスで女優スマイル
和田アキ子(歌手)、鈴木京香(女優)、大島優子(女優)、東村 アキコ(漫画家)、片岡 真実(森美術館館長)といった、そうそうたる面々と一緒に名を連ねたリンゴ。自身の名にふさわしい鮮やかな赤のドレスに身を包み、河瀨監督とともに会場入口のゴールデンカーペットに登場します。
胸元にはブルガリのゴージャスなジュエリーがキラキラと輝き、いつものバラエティ番組などで見せる表情とは少し違った、まるで女優のようなエレガントな笑顔でフォトコールに応えました。
その後、多くの観客が待つ会場へ。授賞式では、推薦者から受賞者へトロフィーが贈られ、推薦の理由や授賞の喜びをスピーチしました。
河瀨監督とリンゴは、20年来の付き合いとのこと。リンゴを尊敬してやまないという河瀨監督は、推薦理由を次のように語りました。
「ハイヒール・リンゴさんは長年、漫才師として人の心にすごく元気を与えている人です。彼女が司会をする番組にゲストで出演させていただく時には、即興で面白いことがなかなか言えないのですが、とても上手にエスコートしてくださいます。そして、そこにいるゲストの人たちを誰もこぼさないというか、すばらしい話術ですべての人たちに光を当ててくれます」
また、河瀬監督がメガホンをとった映画『朝が来る』をリンゴが応援してくれたことにも感謝しているといいます。映画は不妊治療ののちに特別養子縁組という道を選んだ夫婦を描いたもの。リンゴ自身も不妊治療などの経験があり、河瀬監督は家族との生活を大切にする彼女の姿にも感銘を受けたと語ります。
「こんなに頭がよく、人々を支える立場にある人は、日本中を拠点にする才能もおありですし、世界中の人たちを暖かく包み込む方だと思っています。しかし、関西を離れない。そして漫才師であるという誇りをもってここに立たれている。そういった理由で推薦させていただきました」
大絶賛されたリンゴは、「監督にご紹介を預かりました、長年、漫才をやっております、ハイヒールのリンゴでございます」と自己紹介。さらに、「受賞者にいままでお笑いの人が1人もいなかったと。初めて漫才師の私にこの賞をくださいましたブルガリの勇気に感謝いたします」と続け、会場を和ませました。
いまは後輩育成に一生懸命
リンゴは、推薦してくれた河瀨監督へ感謝の言葉を述べつつ、いまの気持ちや今後の展望を語ります。
「ダウンタウンと同期でございますから、(長く)漫才をやっておりまして、いまは後輩を育てるということを一生懸命やっております。お笑いの世界はここ30年で大きく変わりました。男性芸人は“面白い”がモテる要素になり、女優やアナウンサーと結婚する人がどんどん出てきました。もちろん、不祥事で休んでいる者もおりますし、浮気がバレて離婚した者もおられます(笑)」
しっかり笑いを取りながら、女性芸人の“地位向上”を強く訴えました。
「しかし、女性芸人はこの30年で、ほとんどポジションが変わっていないんですよ。そこを底上げしたいと思っております。ですから、先輩の私がこういう賞をいただけたことで、ひとつのことを一生懸命やっていたら、見てくれている人がいるんだ、こんなすばらしい賞をいただけるんだということを後輩に見せることができました。本当に今日はありがとうございました!」
こうして盛大な拍手のなか、スピーチを締めくくった“リンゴ姉さん”。お笑い界を長きにわたってリードしてきた功績が、華々しく評価された一夜となりました。