ジャングルポケットの太田博久が9月14日(日)、愛知県警豊田警察署の一日警察署長に就任しました。豊田市出身の太田は警察官志望者のための職場見学会や、柔道の稽古に参加。“地元愛”とともに、警察官の仕事の大切さをアピールしました。

学生と一緒に警察の職場体験に参加
この日の見学会は、警察官募集の一環として、近隣警察署や科学捜査研究所(科捜研)などと連携して企画されたもの。警察官や警察職員を目指す学生ら約40人が参加して、鑑識作業やパトカー乗車、遺失物拾得業務など、警察への理解を深めるさまざまな業務を体験しました。
豊田警察署の木村紀夫署長から一日署長の委嘱状を受け取った太田は「芸歴19年目にして、ようやくお声がけいただきました。とても光栄な仕事なので全力で頑張ります」と神妙な面持ちで挨拶します。

その後、太田は参加者と一緒に見学会へ。科捜研ブースの視察では職員の説明を受けたあと、太田が声紋鑑定を体験します。録音した自分の声とサンプルの声を聴き比べながら、解説に熱心に耳を傾けました。
続く鑑識ブースで太田は、静電気で犯人の足跡を採取する実演に立ち会ったあと、特殊な紙に手の平を押し当てて自分の指紋採取を体験。指紋が鮮明に浮かび上がると、太田は思わず「ハッ!? こんなにハッキリ見えるんですね。まるで犯罪者になった気分です」と身を乗り出しました。

次は、場所を体育館に移して柔道の稽古。太田の母校である愛知産業大学三河高校の柔道部員やその他の学生、警察官と一緒に汗を流しました。
柔道歴33年の太田は、高校時代に愛知県大会での優勝経験があります。ウオーミングアップしたあと、太田は3人と組み手に挑戦。高校の柔道部員2人には背負い投げなどで惜しくも敗れましたが――。
続いて、五輪金メダリストであるウルフ・アロン選手の大学時代の後輩で、全国大会での優勝経験もあるという巡査長と対戦。対戦前に「相手にできるわけないだろ」と叫びながら挑み、見事に大外刈りで一本をとる一幕もありました。

自分を育ててくれた豊田市に恩返しを
この日は、太田の両親が息子の晴れ姿を一目見ようと同席していました。父親の啓治さんは「芸人になりたいと打ち明けられたときには親子げんかしたが、いまはいちばんの応援団」とコメント。母親の利江さんも「頑張ってここまで来たのだから、これからもファンの方から愛される息の長い芸人になってほしい」と激励します。
最後に太田本人に直撃しました!
――大役を終えた手ごたえはどうですか?
太田 40歳を過ぎたころから、これまで自分を育ててくれた豊田市に恩返しできる仕事ができればいいなとずっと思っていました。ところが、豊田市がらみの案件はなぜか豊田消防署で働いていた後輩芸人の(かけおち・)青木マッチョが根こそぎ持っていって、なかなかぼくに回ってこなくて。それだけに、雪辱を果たした感じです(笑)。

――柔道の稽古は、熱い戦いになりましたね。
太田 巡査長と対戦したとき、なぜか、これまでの中でいちばんツラかった高校時代の日々がよみがえりました。考えてみると、柔道はぼくの人生の支柱になっています。高校の部活は本当に厳しかった。一度入ったら抜けられない、タイガーマスクの「虎の穴」同然です。でも、それに耐えられたから、いまがある。最近は体を張る過酷な仕事が多いんですが、ツラいと思ったことはありません。
――職場見学はどうでしたか?
太田 一日警察署長というとなんとなく、交通安全に寄せたイメージがあったのですが、体験会ではドラマのウラ話のような、ふだん、なかなか触れることのできない世界を垣間見たように思います。これからはニュースで鑑識の様子を見ても、その意味がわかるから、本(ネタの台本)を書くときのチョッとしたヒントになるかもしれませんね。
