無類のロック好きとして知られるフットボールアワー・岩尾望がプロデュースする音楽イベント『IWA ROCK presented by e-Broad』が、10月10日(金) に大阪・なんばHatchで開催されました。岩尾が自ら、長年親交のあるバンド、Dragon Ash、ACIDMAN、ROTTENGRAFFTYに声をかけ、50歳の節目に念願の主宰イベントが実現。ベースやボーカルでの参加など、岩尾も大活躍した3時間をレポートします!

史上もっともおとなしいフェスの主催者!?
開場・転換中のSEや完売となったグッズ、Tシャツのデザインまで、細部まで岩尾のこだわりがつめこまれたイベントはロックファンからも注目度が高く、会場は開演前から熱気ムンムン。ライブ前には、3組それぞれがイベントへの思いや岩尾とのエピソードを語るVTRがモニターに映し出されました。
客席側の特設ステージに登場した岩尾は、構想2年の思いを込め、「今日ここでしか見られないライブが見られます!この3組が揃うだけでスゴいんです!」とアピール! ふだんはどんな激しいライブでも2階でジっとみているそうで、「フェスの主宰者史上、僕がいちばん“おとなしい人間”だと思いますが……」と笑わせます。

「それぞれのペースで楽しんでください」と呼びかけ、「IWA ROCKトップバッターはこのバンドしかいないですよね!? 1組目は……ROTTENGRAFFTYだーー!」と勢いよく呼び込むと大きな歓声が上がりました。
岩尾が人生初ダイブ「受け止めてくれてありがとう!」
京都を拠点に活動するROTTENGRAFFTYは、ロックを基軸にエレクトロ、ヒップホップ、メタル、レゲエなど多彩なジャンルを融合したミクスチャーバンド。NOBUYAとN∀OKIのツインボーカルによる圧倒的なパフォーマンスは、ライブシーンで存在感を放っています。

ライブがスタートすると、前方はダイバーが入り乱れ、「飛びたいやつ、全員こっちに飛んでこい!」とNOBUYAが煽るとさらなる熱狂の渦に。
後半は岩尾がステージに現れ、バレンシアガ(『ざっくりYouTube』から誕生した千原ジュニア、小籔千豊、フットボールアワーの4人組バンド)でも担当するベースを1曲(「切り札」)披露。ラストソングの「暁アイデンティティ」では、ベースを置いて人生初のダイブに挑戦すると、フロアがもみくちゃになる盛り上がりとなりました。

ライブ後のトークでは、NOBUYAとN∀OKIに「曲目も曲順もリハと全然違う!(笑)」とツッコむ岩尾。2人は「のんちゃんのダイブバージンは、オレらが奪いたかったから」とサプライズを仕掛けたとのこと。
岩尾は「怖かった~! でも、受け止めてくれたみなさんありがとう」と興奮冷めやらぬ様子で、ベースでの参加についても「どうなることかと思ったけど、本番楽しかった!」と笑顔。2人から「IWA ROCK続けてくださいよ!」と激励を受けていました。
岩尾、ACIDMANにレア曲をリクエスト
2組目のACIDMANは、哲学的な歌詞とスケール感のあるサウンドが特徴のスリーピースバンド。岩尾は「激しいバンド2組に挟まれて、どんなライブになるのか楽しみ!」と紹介します。

1曲目は昨年、映画『ゴールデンカムイ』の主題歌として書き下ろされた『輝けるもの』を演奏し、静かに熱を帯びていくような演奏で観客を惹きつけました。
MCで大木伸夫(Vo&Gt)は、「IWA ROCK初開催、おめでとうございます! のんちゃんとは20年来の友人。ジャンルの垣根を超えて、仲良くさせてもらっています」と挨拶。ベースを弾いてほしいとお願いしたけど、「(岩尾のモノマネで)弾かへんよぉー」と断られて残念、と明かしました。岩尾の特徴をとらえたモノマネにファンは大喜びです。

代わりに岩尾のリクエスト曲に応えたいということで、ライブではめったに演奏されないレア曲「Stay on land」が披露され、お客さんが聴き入る場面も。
ライブ後は大木と岩尾がトーク。まるで居酒屋で話しているようなリラックスムードで、ネタ作りと曲作りのこだわりについて語り合いました。岩尾は「短い時間にACIDMANの魅力がつまっていました」とイチファンとしてライブを楽しんだようす。
フットボールアワーがサプライズ漫才!
次はトリのDragon Ashかと思いきや、Dragon Ashのインタビューがモニターに映し出されます。Kj(降谷建志/Vo&Gt)が「バンドマンも漫才師も板の上に立っているのがカッコイイ。漫才してほしい!」とリクエストすると、フットボールアワーの出囃子が流れ、ステージにはサンパチマイクが!

思わぬサプライズに大歓声が巻き起こるなか、岩尾と後藤輝基が袖から登場! 後藤は「オイ! オイ!」とステージを右へ左へと動き、ミュージシャンのようなパフォーマンスで会場を沸かせました。
「ダイブする人たちの前で漫才やったことないけど、面白かったらダイブしてええんやで!」とノリノリのまま、圧巻のしゃべくり漫才へ突入。ボケやツッコミで笑いが起こるたびに“ヒュー!”と歓声が上がり、ロックライブさながらの一体感で15分のネタをやりきりました。音楽ファンが多いお客さんのなかには、“生の漫才を観るのは初めて”という人も!
「初めて対バンできたことを誇りに思います」
イベントのトリを飾るのは、Dragon Ash。岩尾が「ベースも漫才もやったし、あとは楽しむだけ。言われたとおり漫才やったから、楽しませてや!」とメンバーを呼びこみました。

ロックとヒップホップが融合した圧倒的なグルーヴのなか、フロアの温度は序盤から沸騰級で、前方フロアはダイバーでひっくりかえっています。Kjは、MCで岩尾との大阪時代からの交流を語り、「初めて対バンできたことを誇りに思います」と熱いメッセージを投げかけました。
BOTS(DJ)のスクラッチからはじまる1999年のヒット曲「Let yourself go, let myself go」から後半へスパートをかけると、ラストの「FANTASISTA」ではフロア全体が揺れるような一体感に包まれました。
出演者全員が登場し、入り乱れたところで、岩尾は果敢にも本日2回目のダイブを決行! 一瞬、行方不明になりながらも、最後は客席から無事に生還しました。
もみくちゃになって戻った岩尾に「のんちゃん、漫才とベースやったけど、まだボーカルやってない!」とKj。Dragon Ashの名曲「HOT CAKE」を一緒に歌おうと提案します。
岩尾は直前に渡された歌詞カードを持ちながらも、さすがの古参ファン! シャウトも決める力強いボーカルで歌い上げ、お客さんとのコール&レスポンスで盛り上げました。

サプライズづくしの3時間を終え、最後に岩尾がお客さんに語り掛けます。
「ダイブしたとき助けてくれた人たちありがとう! 夢のような3時間でした! また会いましょうって言ってもいいですか?」
客席から「岩尾! 岩尾!」とコールが巻き起こるなか、マイクを置いた岩尾は「ありがとうございました!」とロックスターのように絶叫! 初開催のIWA ROCKは次回開催を熱望されながら、大盛況のうちに終演となりました。

