大阪・関西万博の「よしもと waraii myraii館」で強烈なインパクト残した現代アート作品「問いかけられるネギ」。万博終了後、あの“巨大ねぎ”の行方か話題になっていましたが、無事、ねぎの町として知られる群馬県下仁田町に譲渡されました。11月23日(日)には、「下仁田ねぎ」をPRするイベント『下仁田ねぎ祭り2025』の開催に合わせて、お披露目式が開かれました。

「アートは難しいものじゃない」
群馬県住みます芸人のアンカンミンカン(川島大輔、富所哲平)が進行を務めるなか、下仁田町の岩崎正春町長、「問いかけられるネギ」を制作したアートディレクターの MASARU OZAKI 氏、吉本興業ホールディングスの稲垣豊副社長、泉正隆副社長が登壇。5秒のカウントダウンのあと、「ソーレ!」のかけ声とともに幕引きが行われると、会場に詰めかけた地元の人たちや観光客が、スマホで「問いかけられるネギ」を撮影していました。

挨拶に立ったOZAKI氏は、作品への思いを「世の中には“道端に咲く花”のように、ふだん気にしないこと、当たり前に思っていることがたくさんある。ネギもその中のひとつ」としながら、こう続けました。
「ネギをここまで大きくしましたが、何を見て私たちはリアルだと思うのか、どんなことを感じて本物に見えるのか。ふだん気にしないところをぜひ注意深く観察してもらいたい。向き合って、立ち止まって、一度考えてみる。そうすると、ふだんとはまた違った彩りや新しい気づきが得られると思います。そうしたことを大切にしていただきたいと思って、この作品を作りました」

万博では、全長8メートルあったネギを半分に切って展示していましたが、今回、譲渡されたのはその上半分。切り口の部分にこだわっていたり、先端部分にも赤色灯が装備されていたりと仕掛けもあり、さまざまな角度から楽しめるとのことで、OZAKI氏はこう呼びかけました。
「アートは難しいものじゃないです。これをきっかけに『僕はこう思う』『私はこう思う』といろいろな考えを交わし、さまざまな方との対話を楽しんでいただければと思います」
「大きな扉が開かれた」
続いて、吉本興業ホールディングスを代表して泉副社長が「今回、『問いかけられるネギ』が、日本を代表するネギの産地・下仁田町で、引き続き展示されることを大変光栄に思っております。これからは下仁田町の新たなシンボルとして、多くの町民の皆さまや多くの観光客の皆さまに愛され、地域の笑顔を生み出し、地域の元気に貢献することを心より願っております」と挨拶。
最後に岩崎町長は、喜びと感謝を交えながらこう語りました。

「町長就任以来、町の子どもたちや職員には『国際的な視野を養い、次世代を見据えた思慮を深く持つこと』を呼びかけてきました。まさに、このアート作品は、世界各国と日本の文化交流の場から下仁田町にやってきて、今度はこの地域から世界へと『未来を望む象徴』となりうるものであると思います。日本中の笑いを創造するトップ企業の吉本興業並びに国際的なアーティスト・OZAKIさんとこのような縁が結ばれたことは、この地にとって『大きな扉が開かれたこと』であると考えております。このアート作品を、思想を含めてしっかりと受け継ぎ、未来へと継承していきます」
現在、「問いかけられるネギ」は下仁田町役場で展示中です。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
