この12月に芸歴60年目を迎えた落語家の六代 桂文枝による『新春特撰落語会2026』が、1月10日(土)、11日(日)に東京・有楽町朝日ホールで開催されます。12月12日(金)には、吉本興業東京本部で発表記者会見が行われ、記念すべき節目の落語会に向けて、文枝が意気込みを語りました。

「しっかり稽古をして万全の体制で」
1966年12月に桂小文枝(五代目桂文枝)に入門した文枝にとって、2026年は芸歴60周年を迎える節目の年。Googleの生成 AI「Gemini(ジェミニ)」と一緒に落語を作り上げるなど、いまもなお精力的に活動を続ける文枝の“60周年イヤー”の幕開けとなる落語会です。
会見に登場した文枝は「今日はお集まりいただきありがとうございます」と深々と頭を下げつつ、「あんまり頭を下げると悪いことしたみたい」とさっそく記者たちを笑わせると、こう語りました。
「いまから60年前に五代目文枝の門戸を叩き、2025年で60年目を迎えました。独演会などでは新作落語をおろしていて、12月14日(日)に開催される『参地直笑祭』にて新作落語は345本目となりますが、1月のこの落語会では三枝時代に作ってきてみなさんに喜んでいただいたものを4作、やりたいと思っています」
1983年の創作落語『効果音の効果は効果的だったのかどうか』はこれまであまり高座にかけていないこともあり、文枝は「そういう意味ではある意味で新作みたいな感じで楽しんでいただけるのでは」と語ります。

今年7月に82歳になった文枝は、落語会に向けた準備についてこう話しました。
「これから一つずつが勝負と思って、しっかり稽古をして万全の体制で臨みたいと思っています。とりあえず、この日のためにと最近、脳の検査を受けました。まだ結果は聞いていないのですが(笑)」
「健康には人一倍注意している」
会見では、12月14日(日)でついにフィナーレを迎える創作落語プロジェクト『参地直笑祭』についても質問が及びました。これは、大阪市と吉本興業が地域活性化などを目的に締結した包括連携協定に基づいたプロジェクトで、約8年をかけて大阪24区それぞれの創作落語を披露してきました。
「新作の落語を作るとなると、その区に何回も足を運ぶんです。途中でコロナ禍になり中断もありましたが、無事に全区の話ができあがりそうでよかった」
芸歴60年目を迎えた心境について、文枝は改めてこう語ります。
「入門して10カ月で『歌え! MBSヤングタウン』(MBSラジオ)という深夜番組に出て、そこからいろいろなテレビに出させていただき、『新婚さんいらっしゃい』(ABCテレビ・テレビ朝日系)は51年3カ月もやらせてもらいました。テレビという当時、新しいメディアの中でやってきたわけですが、それだから作れた落語もありました。とはいえ、落語家として入ったからには落語家としてまっとうしたい。そう思うようになって最近は落語に重心を置いていまして。それもあり、いまいちばん稽古をして充実しているときだと思います」

さらに健康法について聞かれた文枝は、「とくにこれと言って何もないけれど、なんかあったらすぐに病院に行くようにしています。年に2回は検診をしていて、健康には人一倍注意しているぐらい。いい舞台ができるような体にしておきたいなと思っています」と笑顔で語りました。
公演概要
「桂文枝 新春特撰落語会2026」
日程:2026年1月10日(土)・11日(日)/各日2回、計4公演
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)
開演:1月10日(土) ➀12:00/②16:30 1月11日(日) ➀11:00/②15:30
※いずれも開場は開演の30分前
料金:全席指定5,500円(税込)※当日券は6,000円
演目:以下より各公演、2演目を口演
「効果音の効果は効果的だったかどうか」(1983年)
「涙をこらえてカラオケを」(1989年)
「背なで老いてる唐獅子牡丹」(2003年)
「赤とんぼ」(2007年)
FANYチケット:https://ticket.fany.lol/reception/25930/23209
