ミルクボーイ(駒場孝、内海崇)が「おもしろい!」と認めた後輩たちを誘い、2017年から開催してきたネタライブ『漫才ブーム』。その年末恒例のスペシャル版『お笑いブーム』が、12月17日(水)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。メンバーの金属バット(小林圭輔、友保隼平)、デルマパンゲ(迫田篤、広木英介)、ツートライブ(たかのり、周平魂)に加え、今年も“準レギュラー”ななまがり(森下直人、初瀬悠太)がゲストとして登場! 来年のツアー先を決める「抽選会」も実施され、大盛り上がりの公演となりました。

5組で11本…ネタ・ネタ・ネタで圧倒!
公演は昨年同様、2部制を導入。第1部は5組による“ネタ”オンリー、第2部は10年かけて全国をまわる『漫才ブーム10年間ツアー』の“巻物抽選会”を実施。この結果で、ツアー3年目の2026年にまわる都道府県が決定します。ワクワクドキドキの抽選会は、YouTubeチャンネル『ムーブ才漫』での生配信も行われました。
まず、トークやコーナーはいっさいなしというストイックな構成の第1部では、ミルクボーイが3本、残る4組がそれぞれ2本の計11本を間髪入れずに披露。『THE MANZAI』(12月7日放送)で“たけし賞”に選ばれたミルクボーイは、この日も新ネタ3本でさすがの王者ぶりを見せつけます。

ツートライブは2本目に『THE SECOND』グランプリファイナルで史上最高得点を叩き出した「ジビエ」を凱旋披露して沸かせました。金属バットは、小林の予測不能なボケから始まるエッジの効いたしゃべくり漫才で魅了。デルマパンゲは、自由奔放に繰り広げられる“迫田理論”に、広木と観客が振り回されっぱなしです。
ゲストのななまがりは、コント師の本領発揮。森下と初瀬、それぞれの濃いキャラがぶつかり合うネタで笑いを巻き起こしました。ネタ・ネタ・ネタがこれでもかと繰り出される“硬派”なひとときに、ファンは大満足で割れんばかりの拍手を送っていました。

「10年間ツアー」の公演地が決定!
第2部は『漫才ブーム10年間ツアー』で2026年に訪れる都道府県を決定する抽選会。内海手作りの、都道府県名が書かれた巻物を引いて、4つまたは5つの公演地を選んでいきます。
打って変わって、羽織袴で凛々しくキメた8人が登場。何度もうやうやしくおじぎを繰り返す姿に笑いが起こります。
1年目に「香川」「沖縄」「三重」「青森」、2年目に「愛媛」「秋田」「静岡」「大分」「千葉」をまわったため、今回はそれらの県を省いて抽選が進められました。エリアと都道府県は以下の通り。
エリアA=岩手、山形、宮城、新潟、福島、富山、石川
エリアB=茨城、東京、神奈川、埼玉、群馬、山梨、長野、栃木
エリアC=福井、岐阜、愛知、滋賀、京都、和歌山、奈良
エリアD=大阪、兵庫、岡山、鳥取、徳島、高知、広島
エリアE=福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島、熊本、山口、島根
5エリアに含まれない北海道

これまでの抽選会の潜在記憶が結果に影響を及ぼさないよう、引き手を決める抽選まで行う徹底ぶりで、その“人選巻物”はたかのりが引いていきます。まずは来年のツアーが4公演なのか5公演なのかを決定するところからスタート。抽選で選ばれた友保が巻物を引くと、「4カ所」の文字が飛び出しました。
続いて、エリア外の「北海道」に行くか行かないか。こちらは広木が引き手に選ばれ、抜き出した巻物は「なし」――北海道公演は2027年以降に持ち越しとなりました。
その後は、エリア名の巻物と都道府県名の巻物を順番に引き、4カ所の公演地を決定。こちらも潜在記憶に配慮して、漫才の立ち位置とは逆の順番で引くこだわりっぷり。

ミルクボーイはエリアDから「岡山」、ツートライブはエリアAから「山形」、金属バットはエリアBから「東京」、デルマパンゲはエリアCから「奈良」を選び出しました。各地の日程や会場など詳細は後日、発表されます。
恒例の内海の角刈りイジり、今年の「お角照らし」とは!?
さらにミルクボーイから、もう一つのお知らせが。舞台中央に出た内海と駒場が手にした提灯を広げると、『漫才ブーム10年間ツアー』のレアなオフショットを詰め込んだ2026年カレンダー発売を知らせる文字が! こちらはFANY Mall内「漫才ブーム優劣なしグッズ販売所」で発売されます。
締めくくりには、内海の角刈りに新たな髪を植える「お角植え」(2023年)、内海の角刈りに水をたらす「お角水やり」(2024年)に続き、今年は「お角照らし」の儀式が執り行われました。
広木から順番に手渡されていくライトを、最後に駒場が代表して内海の角刈りに当てます。内海曰く、「NGK(なんばグランド花月)の光を集めた」ものらしく、真っ暗闇のなか、揺れるライトと浮かび上がる内海の顔と角刈り……そんな珍妙な風景に、あちこちから笑いが起きていました。


駒場「いろいろなところで漫才をして経験値が上がった」
終演後の囲み会見には4組8人が勢ぞろい。まずはそれぞれが、2025年の『漫才ブーム』ツアーについて振り返ります。
駒場は「ええところばっかり行かせてもらったし、強くなった気がします。いろんなところで、いろんな方の前で漫才することで、一個ずつ経験値が上がるというか。改めていいツアーやなと思いました」としみじみ。
抽選会の準備にも奔走してきた内海は無事、終了してホッとした表情ながら、「来年は(公演地が)4カ所になってしまったんで『1個少ないんか』って思った自分がいた」と少しがっかりした様子!?
それでも、「自分たちで公演地を決めたら、この 4カ所(の組み合わせ)を選ぶというのはないと思うので、本当に巻物に委ねてよかった。来年も楽しみです」と気持ちを新たにしていました。

ツアーでは、公演翌日に必ずYouTubeチャンネル『ムーブ才漫』の撮影を行い、それぞれの土地の見どころを紹介していますが、たかのりは「あれを見て来たという方が増えてきて、すごい効果があった。今後もいろんなところに行って、楽しいところなんやなというのを伝えたい」と手応えを感じている様子。
周平魂は「『漫才ブーム』のおかげで『THE SECOND』で優勝できたと思っている。『漫才ブーム』に向けてずっとネタを作ってきたことが全国でも通用したのがすごくうれしい」と“ホーム”への感謝を語ると、「これからも皆さんと一緒に、各地に城を築いていきたい」と今後のツアーへの思いも口にしました。

「一個だけ危惧していることがありまして……」と切り出した小林は、抽選会の恒例となっている内海の角刈りにちなんだ儀式についてコメント。「1年目が“お角植え”、2年目が“お角水やり”、3年目が“お角照らし”。あと7回、果たして持つのか?」と問題提起して笑わせます。
友保はまた別の心配事があるようで、「10年後に(ツアーをまとめた)DVDが出るけど、(その前に)DVD が滅びそうなんですよ。だから素材を絶やさないように活動していこうと思っている」と“斜め上”の目標を掲げました。

「奈良」と「岡山」でキャンプ!?
この2年で訪れた10都市はすべてチケット完売、満席となり、「まん防(まん延防止等重点措置)、三密、ソーシャルディスタンス……あんな怖い世の中やったのに、いまこんなに普通になってることがうれしい」と喜ぶ迫田は、「みんな健康に気をつけて、来年も来てください」とメッセージ。
広木は、『M-1グランプリ』優勝のミルクボーイ、『THE SECOND』優勝のツートライブ、同じくベスト4の金属バットに負けないように頑張れば、いつかいい結果が出る、と2026年に向けて気合を入れ直しました。

来年の公演地、岡山・山形・東京・奈良について聞かれると、やはり春から東京進出するツートライブの話題に。
『漫才ブーム』では、往復の移動も含めて全員行動という“鉄の掟”がありますが、「それがバラバラになる。帰りも空港でお別れとかなるのが、ちょっと寂しい」と内海。すると周平魂は「東京公演の前の日は大阪(の仕事)をなんとか入れてもらって、大阪から東京に行って、一緒に大阪に帰って、みたいな感じにできたら」と“漫才ブーム愛”あふれるプランを明かします。

たかのりは「山形は集客が難しい」とのウワサを聞いたことがあるそうで、「集客を頑張らないと」と自分に喝を。一方、奈良と岡山ではキャンプを楽しもうという声も上がり、一同はいまから全公演地楽しみでならない様子。内海は「2年目に行ったところも、美味しいものがあったり、知らなかったものを知ることができたので、どこでも楽しい日本最高!」と期待をふくらませました。
YouTubeチャンネル『ムーブ才漫』:https://www.youtube.com/@movezaiman
