一門を超えた9人の大物落語家が奇跡の豪華共演! 『大阪落語祭』は「とにかくすごいメンバー」

新型コロナ禍で影響を受けた文化芸術活動の機会を創出して支援する「大阪府文化芸術創出事業」の一つ、『大阪落語祭』のスタートを飾る「初日大阪松竹座公演」が12月1日(火)に開催されました。桂福團治や桂文枝、笑福亭鶴瓶ら、ふだんは共演することのない金看板の上方落語家9人が一門を超えて勢ぞろい、高座や口上で会場を大いに沸かせました。

出典: FANY マガジン
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金看板がズラリ

前半に高座を務めたのは、笑福亭鉄瓶、桂米團治、桂文珍、桂福團治。それぞれ、古典落語や創作落語で会場を大いに沸かせました。中入りをはさみ、注目の口上へ。幕が上がると、向かって左から司会の桂米團治、笑福亭仁智、月亭八方、桂ざこば、桂福團治、桂文枝、桂文珍、笑福亭鶴瓶の8人がズラリ。会場からの拍手がなかなか鳴りやみませんでした。

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早いとこ見とかないと…

桂米團治は「まさに夢の共演。自身の記憶でもこれだけの顔ぶれが揃ったことがあったかどうかわからない」と感激しながら、この中で一番の若手であるものの、2年前に還暦を迎えたと笑いを取ります。

笑福亭仁智は50年前、入門8カ月のときに上方落語家が勢ぞろいする落語会に出演したことを振り返り、大阪落語祭が開催されるこの12月を「いい1カ月にしたい」と語りました。

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笑福亭鶴瓶は「なんの会か把握せずここに座ってます……」とポツリ。そしてズラリと並んだ顔ぶれに「とにかくすごいメンバー」と絶賛。さらに「このメンバーの落語を見たら、落語が好きになる」と持ち上げますが、そのあとすぐ、「早いとこ見とかないと……」とつぶやき、笑いを誘いました。

桂ワクチンに改名!?

桂文珍は、舞台袖で全員がそろったとき、笑福亭鶴瓶が「誰が先に……」と話していたことを暴露しつつ、「それをみんなで笑いあえるところがおもしろい」と笑顔。また、コロナ禍について、「来年はいい薬ができるのを願うばかり」としつつ、「桂文珍をワクチンに改めたい」と笑いをとりました。

月亭八方は「口上に並べるというのが本当に光栄、誰でも並べるものじゃない」と謙虚に話したかと思うと、「抽選があって、当たった結果、座ることができた」とボケをはさみます。さらに、「落語をする機会がそれでなくても少ないのに、今年はコロナで7回くらいしかしてない」と笑わせました。

上方落語の先輩たちに感謝

桂文枝は「先人たちが風前の灯火だった上方落語を盛り上げて我々につないでくれたと、偉大な先輩たちにも感謝を述べ、次の世代に伝えていきたい」と力を込めました。

出典: FANY マガジン
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3年前の脳梗塞から驚異の復活と紹介されたのが桂ざこば。大阪落語祭について「毎日どっかでやってます!」とアピール。そして「上方」ではなく、「大阪落語っていうのがエエなぁ」と強調したあと、「上方大阪落語ひとつよろしくお願い申し上げます」と頭を下げました。

桂福團治は「疲れた……」とつぶやきひと笑い。そして入門当時18人だった上方落語家がいまは3ケタと話し、「それも先輩たちのお力のたまもの」と先人たちに感謝を示しました。

最後は「大阪落語がますます弥栄(いやさか)となるように」と、桂文枝の発声による大阪締めで口上を結びました。この後は、笑福亭鶴瓶、桂文枝の高座で締めくくり、大盛況の中、初日公演は終了しました。

出典: FANY マガジン
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これからも落語を盛り上げて

終演後には桂福團治、桂文枝、桂米團治が参加して、囲み会見が行われました。桂福團治は「ほかと違う臨場感が味わえた」と感想を述べ、桂文枝は「大変な状況の中、大きな舞台を用意していただいてありがたかった」と謝意を表しました。桂米團治も「これからも官、民、財界一体になって落語を盛り上げていただいたら、こんなにうれしいことはない」と期待を寄せました。

「大阪落語祭」は12月1日(火)から31日(木)の間、大阪府内の10会場で100公演が開催され、上方落語家総勢約250人が出演します。詳細は公式サイトから。