お笑いコンビ・品川庄司の品川祐が「品川ヒロシ」として監督・脚本を務めた最新作『リスタート』(7月16日公開)が4月17日(土)、「島ぜんぶでおーきな祭 第13回沖縄国際映画祭」の特別招待作品として上映されました。都内の会場では品川に加えて、主演を務めたフォークデュオ・HONEBONEのEMILYと、共演の劇団EXILEのSWAYが登壇。映画は沖縄でも同時に上映され、舞台挨拶はオンラインで中継されました。
クラファンで製作費ねん出
物語は、シンガーソングライターを夢見て上京したものの、スキャンダルに夢破れて傷ついた主人公が、故郷の北海道・下川町の大自然に触れることで徐々に心を取り戻していくさまを描く、「28歳」の青春ストーリー。
この映画は、その下川町と吉本興業が SDGs(国連が掲げる「持続可能な開発目標」) 推進を目的に結んだ連携協定(2018年)をきっかけに生まれたプロジェクトで、2019年6月から9月まで実施したクラウドファンディングで製作費をねん出。目標金額を大きく超えて、700人からの支援を集めました。
そんな映画の完成だけに、品川監督も感慨ひとしお。
「950万円ものお金が集まりましたが、東京からスタッフの移動費などもあり、その全額を映像に使えるわけではありませんでした。低予算だったけど、みんなが自分の青春の1ページを切り取ったかのような感覚で参加してくれて。クランクアップの時は熱くなって、初めて泣いちゃいました。その汗と涙が詰まっています」
この日も、客席で作品を鑑賞して「泣いちゃった」と明かし、照れていました。
「アベンジャーズみたいな体」
主演のEMILYは、自身が川で流されるシーンに触れて、「あれは水難事故! 本当に流されて川の中に一度消えたときは“自分終わった”と思った。安全のためのロープがなければ危なかった」と知られざるハプニングを告白。
一方、主人公を支える同級生役のSWAYは、川に入るために上半身裸になるカットを振り返って、「わざわざシャツを脱いで川に入る“あざとさ”。自分で自分が恥ずかしい!」と赤面。もっとも、品川監督から「アベンジャーズみたいな体をしていた」、EMILYから「ヨダレもの」と肉体美を褒められると、「(撮影時の)2年前の自分の肉体を見て、改めてトレーニングをリスタートさせました」と決意を新たにしていました。
映画の完成にEMILYは「撮影から2年が経ちましたが、いまこそ世に出すべき作品だと思います。いまはどん底の気分かもしれないけれど、どんな状況であれ、望めばリスタートはできる」と作品に込められた思いを代弁。SWAYは「この映画のパワーを糧に、これから生きていきたい」と作品から勇気を得たようです。
最後に品川監督は7月16日(金)の全国公開に向けて、改めてこう呼びかけました。
「意外とどん底のときって、上に這い上がって行こうとするのが実は楽しい。軽はずみに『元気を出しましょう!』とは言えない状況ではあるけれど、この作品をきっかけにみんなの胸にも熱いものが灯って、元気に頑張れるような気持ちになってもらえたら!」