高校生漫才師No.1を決定する『ハイスクールマンザイ2020〜H-1甲子園〜』決勝大会が、12月13日(日)にオンラインで開催され、近畿エリア地区代表のブラックビート(藤原千羽さん/高3、大辻壮汰朗さん/高2)が優勝しました。新型コロナの影響で初のリモート開催という制約のなか、新しい発想の新しい漫才のカタチが審査員たちから絶賛されました。
過去17年間でのべ9290組、1万8892人もの高校生が出場し、プロへの登竜門として、また青春の1ページとして漫才で真剣勝負を行ってきた同大会。18回目となる今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を通常の8月から12月に延期し、予選からすべてオンライン開催に。557組1,146人がエントリーし、厳しい審査をくぐり抜けた8組が決勝の舞台でネタ動画を披露しました。
優勝コンビは全員一致で決定
MCはタカアンドトシ(タカ、トシ)が担当。オール阪神・巨人(オール巨人、オール阪神)を筆頭に、板尾創路、笑い飯(西田幸治、哲夫)、ミルクボーイ(駒場孝、内海崇)が審査員を務めます。
ファイナリストたちは、事前にリモートで3分間の漫才を収録。“2人別々の場所にいる状態で漫才をする”という特殊な状況ながら、あんさんご(東海・北陸・甲信越エリア地区代表)、アリオス(関東エリア地区代表)、ノダシとテラオカ(北海道・東北エリア地区代表)、しけんしゅぬん(近畿エリア地区代表)、くるしゅうない(九州・沖縄エリア地区代表)、うるをぼえ(中国・四国エリア地区代表)、マンデー(関東エリア地区代表)、ブラックビート(近畿エリア地区代表)の8組が、練りに練った渾身のネタで勝負をかけました。
優勝したブラックビートはアニメタイトルの言い間違いネタをベースに、リモートならではのひねりをきかせた展開で笑いを増幅。動画を見た後、オール阪神は「コンビはどちらかの実力が上で、片方を引っ張っていくことが多いが、(ブラックビートは)お互い実力がある。2人とも“できる子”」とコメント。ミルクボーイ・内海も「テンポのいいかけあいで、気合が伝わってきた」と感心しきりで、藤原さんの祖母が衣装を手作りしたというエピソードに一同ほっこりするひと幕もありました。
優勝者発表で名前を呼ばれると、「うれしい!」「マジか!」と喜びを爆発させた2人。オール巨人によると、「頭一つ抜けていた。全員一致です」とのことで、板尾も「タレント性も感じますね。これはもうプロになるんじゃないですか?」と太鼓判を押しました。
昨年は準決勝で敗退したそうで、藤原さんは「それからずっとネタを書き続けてきたら、コロナになっちゃって……リモートを生かしてどうネタを作るかというのを意識したところを、皆さんに見ていただけて本当にうれしかった」と笑顔。大辻さんは「いけるかもと思った」と言いつつ、「呼ばれた瞬間、驚きすぎて……」としどろもどろになり、藤原さんからすかさずツッコミを入れられていました。2人には、お笑い奨学金50万円とNSC(吉本総合芸能学院)特待生(年間授業料免除)の優勝者特典が贈られます。
「優勝するぞという気持ちでやってきた」
終了後の囲み会見で心境を聞かれると「今年は優勝するぞという気持ちでやってきた。コロナがあって、ネタをリモート用に変えたりして難しかったが、優勝できてよかった」と藤原さん。リモート漫才は初めてで戸惑いも大きかったという大辻さんは、「練習を積み重ねて、本番もハイテンションな気持ちで『獲ろう!』というところから始まって、相方のツッコミとかもあって。そのおかげで優勝することができました」と喜びを噛みしめました。
習い事の教室で出会ったという2人。お互いの“すごいところ”を聞かれると、藤原さんは「ずっとコミカルなキャラクター。去年、負けた時もすごく明るく『次、がんばろう』と言ってくれたから、自分もがんばってネタを書こうと思えた」、大辻さんは「日常でもポロッとボケたことをパッと拾ってツッコんでくれる。それがすごくありがたい」とそれぞれ回答。目標にする芸人には、藤原さんが中川家と海原やすよ ともこ、大辻さんがテンダラーを挙げました。
そんな2人を審査員も手放しで賞賛。「漫才に入った時、スイッチが入ってる。スイッチが入った時の2人はすごいなと思った」と巨人が言えば、板尾も「実力をひしひしと感じる堂々たるネタ。キャラクターも部屋のバックもおばあちゃんのエピソードもしゃべりもリアクションも、全部が完ぺきでした」とベタ褒めです。
タカも脱帽「僕らも勉強になった」
大会を振り返り、巨人は「リモートで観ても面白いものは面白い。最初は戸惑ったが、ブラックビートが抜けていてくれたから審査しやすかった」と総評。阪神も「こんな時だからこそ、思い出に残る大会になったのでは」と話します。
「別々の場所でやるのは相当難しい。それを(収録のやりなおしは)3回までという制約の中やっていたことにビックリした。毎年ビックリさせられるが、今年はまた違う驚きをもらった」と言うのはタカアンドトシ・トシ。タカも「リモートならではのネタを見せてもらって、僕らも勉強になったぐらい」と高校生たちの頑張りに脱帽の様子です。板尾は「リモートはごまかせない。才能がはっきり出る。(今後も)ずーっと、これにしたら?」と提案して笑わせました。
笑い飯は哲夫が「ほかの皆さんも、決勝に来るというだけですごい実力」、西田が「リモートでありながら“人に見せてる感”を出せてるのがすごい」とそれぞれコメント。ミルクボーイも「(舞台で並んで)漫才をやりたい気持ちがより大きくなったと思うので、次にできる時はその気持ちをぶつけてほしい」と内海が言えば、駒場も「8組の皆さんから刺激をもらった」と高校生たちの健闘を称えました。